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アドラー心理学についての私の概観

間違っていたら容赦なくツッコミを入れて欲しいのですが、アドラー心理学は乱暴に言えば「精神的マッチョになれば人生の問題はだいたい解決する」という思想が基本にあると私は感じました。 さすが元祖自己啓発と言われるだけあるな、と。



「ウイルスだとか最近だとか、余計なことは考えなくてよろしい。毎日運動して体を鍛えていれば風邪をひかない」の精神Ver。つまり「トラウマだとか、周りの環境がどうとか、余計なことは考えなくてよろしい。私が説くことを意識して精神を鍛えていれば、心を病むことはなく幸せになれる」「マッチョになりきれないのは、他人のことが気になるのは、要は勇気がないんでしょ。ウィンプなんでしょ」というところがどうしてもベースにある気がする。


ただ、マッチョになれ、といって突き放しているわけではないところは好感が持てます。「マッチョの考え方」「マズローがいう心理的に健康な人間の精神生活」「レジリエンシーな人の生き方」について分析し、ステップバイステップでマッチョの境地に到達するための道を説明しているのがアドラー心理学、なのではないでしょうか。



なので、「最終目的が精神的マッチョになることである、ウィンプのままでは幸せになれない」ということさえ了解して読むのであれば、アドラー心理学はとても丁寧で根本的なところまで掘り下げているので読む価値大きいと思います。 というよりも、アドラー心理学によって説明されているようなことを理解し、受け入れない限り、自己啓発本を何冊読んでも無意味になると思います。 結局のところ、すべての自己啓発書は「精神的マッチョ」を目指しているはずだから。

逆に、「弱さ」や「繊細さ」みたいなのを重視し、それこそを大事にしたいと感じている人には受け入れがたいものがあると思います。そういう人はこれ読んで「自己啓発ムリだわ―」と思いつつ、文学作品とかを楽しんでいきたいところです。



私は基本的に「マッチョの割り切りの良さ」を羨ましくおもいつつも受け入れられず、「要は勇気がないんでしょ」についても正しいと思いつつ大嫌いなので、当然アドラー心理学によって救われないタイプなのでしょうが、それでもこの本について理解してれば今後一生自己啓発本を読まなくて良さそうなので、しっかり気合入れて読んでいこうと思います。




アドラー心理学は「子育て」の領域においては非常に有用だと思う。

そんなわけで自己啓発としてみるとあまり好きになれないアドラー心理学ですが、子育て領域においては有用だと感じます。もともと私がアドラー心理学に興味を持ったきっかけは子どもとのつきあいかたについて書いてる本で読んだから。

とにかく「子どもといえども自分とは違う他人である」ということを前提にしているのがまず重要。 その前提にたって、他者として子供を尊重し「上位の存在として育てようとするのではなく、上手につきあうにはどうすればいいか」という発想で様々なアドバイスをしています。自分の子供だからといって全面的に自分が責任を取ることはできないし取ろうとしてはいけない、とか「反抗期」をどのように捉えるか、といった点で自分では思いつかないような視点を提供してくれます。

アドラーの子育て5原則

【第1の原則】 目先の問題より、子どもの将来に期待と目標を持つ
【第2の原則】 どんな価値よりまず「共同体感覚」を優先させる
【第3の原則】 家族共有のわが家の「家族価値」をはっきりさせる
【第4の原則】 子どもには、よりよい人生のための課題を与える
【第5の原則】 子育ては理屈より実践、精神論より技術だと知る

http://kimiakiichino.blogspot.jp/2014/02/blog-post_15.html


ちなみにこういう否定的な意見もあります。

立派なことは書いてあるが、役には立たない」です。一例としては、168ページあたりに「ひきこもりの問題はストレスに対処できないのが問題」とあります。「ストレスに対処できないのは共同体感覚が確立してない」からで、「共同体感覚の確立にはラブタスクとフレンドリータスクとワークタスクをクリアする必要がある」とあり、平たく言うと、愛情・交友・仕事に満足している人はストレスに強いとのことです。・・・それに対して素直に言わせてもらうと「愛情・交友・仕事に満足している人は、そもそもひきこもりにはならなくないか?」です。

とにかく、アドラー心理学はなによりまず哲学であって、実践が難しいなと思いますね。




余談。
ちなみに私が今までの人生で読んできた自己啓発本で一番おもしろかったのはコリン・ウィルソン。 マズローの心理学を引き継ぎ、発展させたものです。

自己啓発をつきつめていった結果、スピリチュアルの世界に到達しているわけですが、理論的にあーだこーだいわれるより不思議と納得させられる謎のパワーが有ります。もう何書いてたか忘れたけど読んでた時はすげえ面白いと思った記憶がある。