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ラブライブの魅力について自分が気になったところ

私がよく見てるブログで面白い問いかけが。

ラブライブが熱狂的に扱われている現状がよくわからない(2550文字) - 猫箱ただひとつ。

多分べるんさんと似た印象を持っている人って結構いると思う。

この記事でめっちゃ面白いのが「ラブライブ」の良さだけでなく「キルラキル」の良さも今ひとつよくわからないと正直に書いてくれている所ですね。この二つ、良く似てると思うので、片方がわからないならもう片方がわからないってのは「さもありなん」だと思います。

ラブライブ!」に関しては私がごちゃごちゃ書くより、とりあえず「ラブライブ何がすごいの?」という問いに答えてくれる3つの記事があるのでまずそちら読んでください。

PVで分かるラブライブの歴史 - Togetterまとめ

狐汁

ラブライブ!の嘘とドキュメンタリー 〜花田十輝と京極尚彦の狙い〜 - WebLab.ota

ドキュメンタリーな部分は、我々(ラブライバー)の経験・体験した時間であったり、我々(ラブライバー)も参加してあの日・あの時を一緒に感動した時間であり、タダの聖地巡礼とはひとつリアリティの質が異なる。ある種、「俺達(の時間・経験)がアニメに映ってる!」って感動かもしれない。


その上で、一応私の意見も書いておきますね。正直上のようなラブライバーの方と比べると、どーしても薄っぺらい感じですが「キルラキル」とのつながり的な所は少し補足できるかと思います。








ストーリーの上にある「過剰さ」と「わざとらしさ」に注目

ラブライブ」も「キルラキル」も、話としてはまさに「王道」という感じであり、ストーリーの目新しさなんかは特に無いですよね。じゃあ、何が面白いかというとそりゃひとによっていろいろいうことは違うと思いますが、少なくともストーリーの上に乗っかってる何かであることは間違いない。その「何か」が素晴らしいから、王道というかもはや陳腐といってもよいようなストーリーが輝いて見えるのだと思います。


ではそれは一体なんだろかというと、もう人によっていろいろあると思います。私の場合は「過剰さ」と「わざとらしさ」の2つをあげたいとおもいます。なんのこっちゃ、と思われるかもしれないので言い換えると「映像としての情報量がやたらと多いこと」と、「キャラクターをど派手に際立たせようとすること」。この二つがスゴイなと思っています。




キルラキルについて

(1)過剰さ→作品中でキャラを濃く濃く消費できる
キルラキルを絶賛している人が使う言葉をよく見ると「熱い展開・熱い台詞」「話の密度のこさ・スピーディーさ」「ただ戦うだけでなくキャラが気持ちをどんどんぶつけあっていくところ」「演出や作画が神がかっている」「スケールのでかさなど」があげられると思います。

ぶっちゃけ、ストーリーだけを追っていけばいいだけなら無駄な所だらけです。とにかく過剰だらけ。一回見ただけだとよくわからない仕掛けがたっぷり入ってます。繰り返し見たり解説されないとわからんこだわりがたくさん詰まってる。一回目だと「なんだかわからんけどすげーすげー(棒)」くらいなんです。そして、それ以上は「うるさい」と感じる人がいるかもしれません。

演出にかぎらずストーリー中の展開についても、とにかくストーリーの進行に直接関わらないため無駄に見えるやりとりや掛け合い、動きなどがてんこ盛り。「密度が濃い」といっても必要ないように見える情報がたくさんあるだけに見える。 ストーリーだけ見たい場合、邪魔なだけにも思います。西尾維新作品なんかだと、設定自体は膨大にあっても、それをあえてアニメ上で見せようとはしません。それを絵として表現しようとはしない。そういうのはファンだけがファンブックを買って愉しめばいい。でも「キルラキル」はいちいちそれをアニメ上で表現しようとする。

これについて「なんども繰り返し見て味わいつくしたい」と思うか「余計な情報や無駄な演出があってごちゃごちゃしてるけどあんまり楽しくない」と思うか、そのあたりはほんとに見方の問題だと思います。 普通に見てもそこそこおもしろいし、王道の熱いバトルとして楽しめると思いますが、それだと「健全ロボダイミダラー」とそんなに印象変わらなかったという人もいるんじゃないだろうか。




(2)わざとらしさ・大げさらしさ →キャラがとてもよく動く
ラノベ原作のアニメ批判でよくきくのが「設定を登場人物が言葉で延々と説明するアニメは演出としてクソ」みたいなのがありますよね。そういうのは自然とわかるように演出しろ、と。 設定を消費するだけの作品なんて意味ないだろう、と。

この点に対して「キルラキル」の場合どうしてるかというと、設定はとにかくわかりやすい赤い大文字の演出で堂々と説明される。 そして、いちいちキャラの外見や動きが設定にそっていてものすごくわざとらしい。設定を隠すなんてしない。むしろ大げさに演じてるんですね。このキャラはこういう設定だぞ、ってのをすごい強調して描く。

そうやって設定を際立たせまくってキャラを即時に立てる。キャラが作品に馴染むのなんて待ってない。そのキャラは出てきた時からこういう設定でこういうキャラだって一発で納得させる。つまり「設定そのものはすごく大事であって、ダメなのはそこの説明に時間をかけてなかなかキャラが動き始めないところ」なのだから、そこに時間を使わない。キャラを即時に立てて、動かす。キャラの設定の説明は瞬時に終わらせて、キャラの性質は見た目と動きで納得させる。

こうすることによって、サブキャラ一人ひとりにも非常に濃い設定をもたせ、物語中で動かすことが出来ます。この作品は、サブキャラ一人ひとりがドラマを持って動き、熱い行動や台詞で物語を楽しませてくれます。 メインのストーリーだけでなく、こういうサブキャラたちのおりなすカオスを楽しむのもこの作品の楽しみ方の一つかなと思います。


このあたり「AngelBeats!」と比べると非常にわかりやすいと思います。「AngelBeats!」の結婚してやんよ!のシーンは、それまでの積み上げがたりなさすぎて、視聴者が補わないと上滑りしてしまう印象があります。他のサブキャラについても、実際は個性豊かかつひとりひとりの物語や信念があるはずなのに、なかなかアニメの映像だけでそれを把握することが難しく、結果としてギャグっぽい香りがつきまとってしまうところがあるのではないかと思います。 (ちなみに私は「AngelBeats!」は大好きです。当時かなり一生懸命解釈したりしてます)



ラブライブについて

この「キャラの豊富な動き・情報量が非常に多い」と、「一人ひとりがしっかりとキャラ立ちして個人個人のドラマを持っており、それがちゃんとアニメの中で描写され、相乗効果を引き起こしている」という部分はラブライブにも当てはまると思っています。



他の萌えアニメやアイドルアニメでも「○○がかわいい」ならたくさんあると思うのですが、この作品のファンの、キャラに対する愛情は半端ないです。たとえば登場人物の一人である矢澤にこに関してこんな記事があります。

「ラブライブ!」矢澤にこちゃん70の魅力

すごいですね。なんでこんなに熱量があるかというと、やはり情報量が圧倒的に多いからではないでしょうか。ラブライブとハナヤマタを比較してみると、ラブライブのシナリオのスピーディーさに驚くと思います。大体3倍から4倍のスピードで話が展開します。アイドルマスターと比較しても倍の速度で展開していると思います。ハナヤマタやアイドルマスターがその分が丁寧に描写しているという見方もできますが、私はラブライブの描写が薄いとは思いません。やはりシナリオと演出がすさまじい密度だという見方に立ちます。そして、この密度とスピードを可能にしているのが「過剰さ」と「わざとらしさ」だと思うのです。 非常に明確なキャラ立てと動きによって、一話ごとに、キャラにクローズアップしながら物語も進め、さらにライブシーンを挿入することまでできています。

これはほんとすげえなと思うのです。ラブライブの密度の濃さは、他の作品と比較すると際立ってくると思う。(※「WakeUpGirls!」はスピーディーさだけなら結構あると思うけど、シナリオがやたらめったら薄い感じがします。なんでだろう)

と、このように個人の特徴だけでもこれだけ楽しめるのに、実際はさらに各キャラごとの絡みが発生するので情報量は無限大かつ自分の好みでいくらでも生成可能です。 そして、それを後押しするかのような豊富な楽曲群やPVの出来がまた出来がいいんだよなぁ…。 ここのあたりについてはラブライバー様の解説を期待します。各話の感想をググったら私よりはるかに詳しい方々の解説がたくさん読めますのでオススメです。そりゃ楽しむ気があるならば末永く楽しめるというのも少しは納得していただけるのではないでしょうか。



余談として「粋」の話とか「東方」の演出やカップリングの話とかあるけどニワカなので黙っとく。

「いき」というのは弱い立場の者や貧乏人の階級的利害から出たイデオロギーである。通が廃たれて、いきに取って換わられる過程では実力派江戸っ子の衰退と、文化の大衆化の力が大きく働いたとする意見はこのことの一つの傍証となろう

「いき」というイデオロギーは身分や財産の存在そのものは肯定しつつ、人間の尊厳がその身分や財産に左右されるべきではないと考え、その実現のために人々が「いき」に生きることを要請している。

http://www.visitware.com/sobaya/chikurinan/ikitowa.html




その他、ラブライブの魅力ってなんだろ的な話について参考になりそうなページを集めてみる。

とあるアイマスPがアニメ『ラブライブ!』視てみた 一期まとめ:そんなことよりアイマスの話をしようぜ - ブロマガ

ラブライブ!の魅力を僕に教えてください! - たろそく

ラブライブ!について語ってみる - けいあんの御触書

ラブライブの穂乃果ちゃんに学ぶ『マネジメント』 - WebLab.ota



ここまで書いておいてなんですが…

ラブライブ!の嘘とドキュメンタリー 〜花田十輝と京極尚彦の狙い〜 - WebLab.ota

ラブライバー以外が見たら「あれを考えるだけで1話まるまる使ってしまうの?え?何も進んでなくない?」って成りかねない。魔法科高校の劣等生みたいな毎回わかりやすくて、カッコイイ引きに慣れている人たちに対して、あれじゃあ訴求力無いし、来週また見ようって気にできないだろう、ということは想像に固くない。でも、あえてそうやって演出する。分からない人は置いていく。そんな説明をいちいち入れるのが面倒臭いし、テンポが悪くなってしまうじゃないか。これが花田十輝の選択であり、京極尚彦の選択なのだ。嘘・ハッタリのときと考え方が一貫してるところが面白い。

ぎゃあああ。「情報過剰」どころか「間引きによってファン選別してる」という話が。言われてみればそういう部分も多々あるな。
自分が書いた内容に自信がなくなってきた。どうしよう…。