この夜が明けるまであと百万の祈り

私が元気づけられた出来事や作品についてのメモ。最近TED聴き始めました

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「東京喰種:Re」1巻

聖戦の系譜を思い出す。

ただ、聖戦の系譜と違って、「悪を滅ぼして終わり」という展開にはならないだろう。この手の作品はとにかくどうやって決着をつけるのかが楽しみだ。





正直個別についてもいろいろおもしろいところあった(変態の月山くんとか変態の月山さんとか変態の月山ちゃんとか)けれど、とにかくまだ全体の構造がわからないので、どうしてもそこがきになるよね。


「東京喰種」は長い長いintroductory chapterに過ぎなかった。「序章」の主人公であるカネキケンの苦悩も命がけの戦いも、全体の中では一部に過ぎないちっぽけなものだった。より大きな構造の中であっけなくすり潰されてしまう。

カネキくんは心優しい青年であるが、誰よりも傷つきながら大事な人を守ろうとして戦ってきた。自分よがりなところもあったり、大きすぎる力に振り回されて仲間を傷つけることもあったけれど、終始一貫して大切な人を守ろうと努力し続けてきた。

かわいそうね、カネキくん。
それだけ 強くならないといけなかったのね。
それだけ傷つけられてきたのね
ねぇ、カネキくん、強い人ってかわいそうね
いつだって誰かの代わりに戦わなくちゃならない あなたみたいに

まさに正統派主人公である。これがジャンプマンガだったら努力友情勝利な展開が待っていたかもしれない。




けれど、この作品はそれだけで報われるような甘い世界ではなかった。

私はなんとなくグールとグール対策班はお互いに潰し合って消滅し、トーカが一人取り残される、目撃者として生き延びるという安易な展開を想像してたのだけれどしかしそれはあっさりと裏切られる。この作品の現実はより過酷で、カネキたちのコミュニティ「あんていく」は本当にちいさなものでしかなかった。

この世界は、間違っている…

カネキたちには全体の流れをどうこうできるような力はなかった。どれだけカネキがつらい思いを乗り越えて強くなろうと、「あんていく」の人たちが仲間の為に一致団結して頑張っても、大切な人を守りぬくことなんて最初から出来なかった。ただただ全体の争いに巻き込まれ、必死にあがいても流れに押し流されてしまうだけの存在でしかなかった。

うきな…私の願いは、とうとうかなわなかった

この世界で生きることは最初から絶望でしかなかった。では、カネキケンの人生は無駄だったのか。それならグールたちはなんのために生まれてきたのか。「罪」として生まれてきてしまった彼らはどうやって生きればよいのか。


大前提として人間と喰種は絶対に共存も棲み分けも出来ない。できてしまったら興ざめだ。なぜなら喰種は人を食わなければ存在できないからだ。だから、たとえお互いの立場を理解できることがあったとしても、許容することはできない。だからこそお互いに殺しあう。自分たちが生き延びるために相手を否定し圧倒し支配しようとする。こうしてずっと殺し殺される関係から抜け出せないでいる。その「戦争」の過程で、カネキたちのように平穏を求めているものも否応なく巻き込まれてすり潰されていく。


ここまでは序章で分かった。


では、序章が終わって始まった「Re:」では何を描くのか。

主人公はグール陣営側だったカネキくんから一転して人間 陣営側のハイネくんに切り替わっている。しかしただそれだけでは殺しあう両者をそれぞれの陣営から描いただけだ。 理解は深まるだろうが、それ以上に何かができるわけではない。

グール再度の主人公を見てきた後、人間の主人公になることで、一体何が変わるのだろう。どうやって決着をつけるのだろう。これはとても気になる。




この手の作品だと「ヴァンパイア十字界」の終わり方がすごく美しくて切ないと思うけれど、できれば「十字界」のように二人の存在が全てを背負って道を切り開く、みたいな哀しい展開ではなく、両陣営がなんとかなると面白いと思うけどどうなんだろ。


とにかく結末まで読んでみたいと思える作品でした。