頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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ミカグラ学園組曲4話  

ボカロ小説。

能力バトルやりたい、学園で部活ものやりたい、ゲーム的要素入れたい。可愛い女の子と仲良くしたいといった素直な欲望が特に整合性無くカオスな状況でつめ込まれていて年がら年中学園祭みたいな世界観です。不純物(嫌いな現実)が混じってない、甘い夢がつまったフワフワお菓子みたいな学園。学園における格差とかあるけど、これも主人公がいずれランキングを駆け上がることをそうていしているせいか悲壮感が全くなし。

そんな世界観に合わせて、主人公を始め登場人物もやたらテンションが高く、一見悩みなどなさそうな脳天気な雰囲気が漂ってます。
明らかに私のようなおっさんが観ることを想定としている作品ではないのだろう。本来は自家消費的エンタメ的なものなのかもしれない。



けどみゃーもり(CV木村珠莉さん)のテンションマックスな演技はアホの子全開で見てて楽しいし
あとアニメ制作の動画工房さんのお仕事素晴らしいらしい。
仕組みはよくわからないけど単に綺麗な絵が動くという感じではなくて
動いてる時の絵は崩して描かれてるっぽいけどそれが逆に動いてる感じ出てる。キルラキルの時も似たようなの見た。

というわけで、多分中高生と同じようには楽しめないだろうけど自分なりに見ていこうかな、と。

自分の悩みって受け入れてくれる人さえいれば(いることに気づけば)意外とあっさり解決するものなのかも

上で「一見悩みなどなさそうな脳天気な雰囲気」と書きましたが、実際はそうでもないようです。その中で悩んでる人ももちろんいる。だけどまぁ、世界観が世界観なのですごく浮いちゃってますね。


さて4話は演劇部の先輩が超根暗だったという話。

この先輩は過去に根暗だったため離婚の際に母親から見捨てられたと思っている。
その過去の記憶を乗り越えるために明るい性格をずっと演じ続けているのだけれど、それがいつまでたってもしっくり来ない。
そのため自分の本質が根暗だってことに気づくたびに自己嫌悪に陥るという無限ループに陥っている。

芝居が難しくてね…。
そいつは誰からもすかれ、必要とされている。そいつ自身もそれを望んでいる。

(中略)

彼を見かけるたびに気づいてしまう。
俺はあいつの無邪気な笑顔のマネをしているだけだって。
それが苛立たしくて。怖くて
いつか仮面が剥がれて誰からも必要とされなくなるんじゃないかって。
過去の記憶がそいつを苦しめるんだ。


で、それをアホの子である主人公一宮エルナにあっさり見ぬかれてしまい、
狼狽して立ち去ってしまったりするのだけれど

「一宮ちゃんはさ、気づいてるんでしょ?
 なんで俺の態度が演技だって気づいたのに何も言おうとしないの?
 なんで俺から離れていこうとシないの?」

「そんなこと気づいたからって友達じゃなくなったりしないよ???
 それに、たぶん部員のみんなも気づいていると思うよ」

自分の演技がそれほどうまくできてなかったことを指摘され、それでも受け入れられてることに気づいて一件落着、と。



作品のカラーのためか、シリアスになりすぎないよう描かれ方がものすごくあっさりしていてすごく軽いので、なんだか悩んでた先輩が馬鹿みたいに見えるのだけれど、実際こういう悩みって多いと思う。自分に自信がないと、なんだか受け入れられそうてそうな他人を無理やり演じたりする。でもそれがうまく行かなくてやっぱり自分はダメなんだー嫌われるーって落ち込んじゃうやつなどなど。


こん時に大事なのはなんだっけ、って言うと本当の自分はどうとかそういう話じゃないよね、と。受けいられれたいとか、相手が欲しいとかそういう「スキ」の話だよね。あとはどうやったらその「スキ」が成立するかってのはまた別の話。



演劇部の先輩はここで「自分演技下手クソだったけど意外と受け入れられてるじゃん」って気づくけど実際はまぁ、自分が素直になっても受け入れられる話ばかりでもなくて。この話で言うと、生徒会長さんはそのあたりで失敗してこじらせちゃって人間関係拒否しちゃって引きこもってるといういろいろとダメなお方なので、このこじらせさんに対してみゃーもりがどうやってぶつかっていくのか、って作品なんだと思います。



……なんかすごく適当な言い方だけどやはりちょっと登場人物のキャラに心理的距離を感じてるのかなー。