この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです

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「青空エール」

15巻まで読みました。すごく面白い。
この作者さん「先生!」という作品があまり好きじゃなかったのでスルーしてたけど、
一つ前の作品の「高校デビュー」も読みたくなってきました。



1 「バクマン」と対比して、女性側の頑張りが見える話

2 「ビリギャル」「ドラゴン桜」のように「普通の子」が頑張れるものを見つけてブレイクするーしていく話

3 「昴」のように、吹奏楽部というものの世界の厳しさをきちんと描いた上でそれを時間をかけて乗り越えていく話

4 「ちはやふる」のように部活ものののマンガとしても面白い話

5 人を応援することの難しさ・しんどさを描き、それでも応援することの意味を考えるお話


などいろんな要素から楽しめる作品だと思います。


①まず、やってることはほんと「バクマン」(かぐや姫)と同じだなーと思うんです。

男は甲子園を目指し、女は吹奏楽部のトランペット演奏者としてそれを応援する。
それまでは二人はお互いのことを大事に思っているが付き合ったりすることはない。
共に目的地を目指して「一心不乱」に頑張る。
その過程でいろんな苦難や壁があるが、相手の存在がお互いを支え合い、
ひとつずつ乗り越えていく、という展開になっている。


ただし、その描き方は対照的。

バクマンでは、男側ばかりがクローズアップされていて、女性側の努力はあまり前景に出てこなかったイメージがある。
女性側の努力は読者には見えにくく、登場してきたと思ったらトラブルに巻き込まれて男がそれを守るという展開になる。
読者からすると両者の距離は遠く、どちらかというと男側の物語を集中して描く展開になっている。

実際は両者が頑張っていてお互いが対等な関係であるはずなのに、マンガだけ読んでると「トロフィーワイフ幻想」を想起させるような描かれ方になっていたと主張する人も当時は結構見かけた。
「トロフィーワイフ」は神話。周囲の「勘違い」からつくられていた | cafeglobe



一方こちらの作品では、女性側がメインになる。
当然、女性自身の頑張りが中心に描かれて、
男性も当然努力しているのだが、物語上その努力は間接的にしか見えないようになっている。
また、関係においても最初こそ「支えてくれる人」であるが、だんだん「応援したい人」にシフトしていく。

このふたつ、セットで読むととてもおもしろいと思う。


②主人公の小野つばさは、今まで成功体験と呼べるものがなく、自分に自信が持てない。
初心者だから、自分がうまくないのは当然だとおもっている。
だからいざというときにすぐ退いてしまう。

それでも、譲れない目標を持っているから、折れずに頑張り続ける。
周りを見る余裕はないが、それゆえに自分のことだけは一生懸命やり続ける。
そうしていくうちに、周りの人間が、彼女を応援するように

私は、私が諦めたら終わっちゃうじゃん。
みんなと違って才能ないから誰も頑張れって言ってくれないし、
辞めるって言っても誰も止めてくれないじゃん。
でも、目標があるから、頑張るしか無いんだよ。

ほんと私しつこい。
才能ないんだから、フラれてるんだから諦めればいいんだよね
だけど、どうしても変えられない想いが、私の中にあるの

最初はパートナーの男性以外にはまったく期待されていなかった小野つばさが、
だんだん周りから応援されるようになり、不安を抱えながらも勇気を持って努力を継続し
逆に自分よりすごい人を引っ張っていく(底上げのきっかけになる)なんて展開は

誰かに…すごい自分を主張しちゃった。
手が痺れてる、手汗もすごい。

現時点であんまり能力が無かったり自信がなかったりして、自分には何もないって思ってる人間にはすごく刺さるような気がする。
少なくとも私には結構グサグサくるものがありますよ。もう30歳だけど。


③もだいたい同じ話ですね。

普通に考えたら無理なんだ。
経験者で相当吹ける子が入ってきても3年間メンバーになれなくて楽器持ち替えさせられたり
上手い子の中でめちゃくちゃになってしまったり、そういう世界なのに。
あんなやる気だけのヘタクソが、メンバーになって全国に行くなんてファンタジーなんだよ。
だけど時にはそういうことがないと、夢がないだろ

この作品は常に皆ものすごく必死だ。教師たち大人も、先輩も、みんな。 
そういう雰囲気そのものが、「中にいるときは息苦しくてしんどい」ものだったかもしれないけれど
こうしてマンガという形で描かれると、とても輝いて見えるのですよね。



④についても、
「じゃあなんでこの部活なのか。なぜすごく辛くてしんどいのに、この活動を続けていくのか」ってことを
ものすごく明確に描いているのが良い。

いい音楽はちゃんと人の心に響くんだ。
そういう演奏がしたくてこっちだって朝から晩まで毎日毎日演奏してきてんだ。
音楽なめんなよ

音楽がすべての雲を払えなくても、雲の切れ間から光がのぞくように
それで少しでも上を見れたらいいなって思う。

吹奏楽部はプライドの高い人間が多く、しょっちゅう人間関係でトラブルが起きる。
それでもこういう共通点を持ち続けているから
みんながそれぞれ自己主張をしてぶつかりあいながらも、一つの音に合わさるように合わさっていく。
こういう群像劇としての側面もすごくみてて楽しい。

「SHIROBAKO」に通じるものがあると思う。
あれも、舞台をアニメ会社にしてるだけで、直球どまんなかの部活ものとして描いてるから当然だけど。
だから、「SHIROBAKO」好きな人は、この作品だって楽しめると思う。




⑤これについてはまだ結論出てないので、
作品完結した時にまた振り返って何かかけるといいかなーと思ってます。