この夜が明けるまであと百万の祈り

私が元気づけられた出来事や作品についてのメモ。最近TED聴き始めました

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「鬼灯さんちのアネキ+妹」  ただしいテコ入れキャラの形

「鬼灯さんちのアネキ」の続編。


前作は姉ハルと弟吾朗の、ラブコメというかイチャイチャ日常が最高に楽しかったものの、なんとも煮え切らない終わり方になっていました。Amazonでもっとも「参考になりました」がついてるレビューはこの通り。

これで最終巻なのですが、どうも煮え切らない感じでした。
吾郎とハルは結局ラブラブにもならず、かといって吾郎が完全に姉離れしたわけでもなく…。
どっちつかずな中途半端で終わってしまいましたね。
恋人になるか姉離れするかはっきりけじめつけて欲しかったです。
結局作者は何をしたかったのか。ただ吾郎とハルのイチャイチャを描きたいなら、回収できもしない思わせぶりな伏線などはらないでください

これを、きちんと終わらせるための物語。

なあなあで終わらせても良かったとおもう。
「終わらない日常」なんて作品はやまほどある。
でも、それをわざわざきちんと終わらせようとているのがとても誠実だと思う。


完全に停滞してしまった二人の関係

上のレビューはごもっともなのだけれど、あのまま無理やり終わらせようとすると多分悲惨なことになってたと思う。そのくらい、二人はあまりにも深く結びついてしまっていて、「いわゆる」共依存状態にある二人の関係は二人のままではどうしようもない状態だった。

このまま二人で恋愛関係になっても、閉じた狭い世界で朽ちていくことになってしまう。かといってふたりともボロボロになる覚悟で別れるというのも、責任感のある姉としてやってきたハル姉ちゃんには受け入れがたい。どちらにしても二人の行く先はあまり望ましいものではなくなってしまった。

なんかね。終わった後でも格好いい姉がいたなって思ってて欲しいんだ。だって、私の青春だよ、これ。おねえちゃんになろうって決めたのに、吾朗ちゃんを立派に自立させられなかったら、私の青春をかけたこれはなんだったの?ってなっちゃうじゃん。

吾朗はいちおう頑張って姉以外にも学校で水野と友だちになったりしたし、逆になぜか美咲さんに猛烈にアタックされたりしたのだけれど、それでも、圧倒的に姉が一番であること、姉無しでは生きていけないことには変わらなかった。

「他の誰よりも魅力的な姉ちゃん」を描くということには成功したけれどそれゆえに二人の関係に深刻な停滞が生じてしまった。




これ、「姉弟」の恋愛関係として考えるとフィクションっぽくなるけれど
親との関係にいつまでも囚われてる人は結構多いだろう。
実際にいつまでも母親を憎んで許せない息子や、
いつまでも父親に捨てられたことに傷つき続ける娘の物語、なんてのはたくさんあるよね。
毒親に対する執着と、身内への偏執的な恋愛は通じるところがあると思う。

「姉」とのイチャイチャを邪魔してくる「妹」の存在意義

この事態を解決しようにも、役者が足りない。

水野さんは、吾朗にとってよき友達ではあったけれど重要度において、姉と伍するような存在にはならなかったし、水野さん自身も別に吾朗を強く求めるということはなかった。美咲さんは主人公を強く求めてくるけれどやはり吾朗にとっては重要ではなかった。っていうか脅えられとるやん。

こういう人たちも必要だけれど、それだけでは十分ではない。重要度において姉と拮抗し、姉の存在を相対化させる程の存在が必要だった。



そこで、作者は仕切りなおしをすることにした。そして、新編においてこの停滞した物語を動かすために、必要な存在を呼び出すことにした。


それが「妹」である葵ちゃん。彼女こそがこの作品を終わらせるために必要不可欠な存在。


他のキャラが、なんだかんだ言いながら、姉弟の関係を遠巻きに眺めているのに対して、このキャラはその間にずかずかと割って入り込む。そして、その関係をかき混ぜたり、バカにする。あまりにがっちり結びついた関係を相対化していく。

「姉」がいろいろ考えてるのはわかるけれど、所詮二人の閉じた関係の中で考えているだけなのだと。外部からみたら窮屈でやせ我慢してるだけの滑稽な話じゃないか、と切って捨てる。「綺麗な終わり方」なんかよりも「自分が楽しいと思えること」を優先する。

彼女が、二人だけではろくでもない結末しか見えないところに、何か別の可能性をもたらしてくれる。そんな気がする。 



最後はこういう終わり方でもいいけどどうなるかなーと。
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私は姉スキーなので…

他にも姉弟関係が題材になってる作品あったらもっと読みたいぞー。
多分たくさんあると思うんだ。