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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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Charlotte11話  「現実における理不尽」「もうひとつの世界」

超!展!開!

もはや怒りとか呆れを通り越して変な笑いが出た。

でもこれだ。これがだーまえだよ。他のライターだったら絶対に許さないけどだーまえはコレデヨイ。

今から考えると、10話までの展開はおとなしすぎたんだ。

ようやくあまりの超展開にあんぐりさせられるだーまえワールドが来たと思えば納得できる・・・はず。


だーまえ作品には必ず現実を超えた「別の世界」の存在がある。AngelBeats!においては「別の世界」そのものが物語の舞台だった。

そして、現実においては「理不尽」「暴力」が吹き荒れている。そういった「理不尽」「暴力」に翻弄されたものだけが別の世界への扉を開く。AngelBeats!はだーまえ節が最高潮に達していて物語が開始した時点で現実での暴力は完了していたけれど、やはり同じだ。

現実だけではない超越的な何かがこのセカイには存在しているという信念。むしろ、そうでなければ自分は生きていけないという切迫した気持。これこそがだーまえワールドだ。この作品に、私達が現実世界の感覚だけでリアリティを考えても無駄だ。むしろその現実を超えたところが大事だ。(必死の自己催眠)



この作品がだーまえ作品らしくなかったのは、有宇がずっと兄に守られていたからだ。そのかわりに超越的世界に踏み入れていたのは「ほむほむ兄さん」だった。理不尽な現実に戦うべく孤独な戦いを続けていたのは、CLANNADの岡崎的な努力をしていたのは兄のほう。

有宇は現実の理不尽さに翻弄され、超越的世界の入口に立ってはいたけれど、その手前で立ちすくんでしまう。かわりにみみちい悪事でささやかな復讐をする程度の人生を送ってきた。決定的な理不尽に襲われていなかった。

妹の歩未が死んでようやく本気になったが、それも歩未を取り戻すまで。その後は何もするつもりはなかった。相変わらず「ほむほむ兄さん」に守られて自分は安穏と過ごしていく、他の超能力者のことなど他人任せ、その程度にしか考えていなかった。有宇はどこまでいっても現実に対して受け身で、たまたますごい能力を持っていたからその悲劇を回避することが出来た。そんなつまらない物語になっていた。

彼自身が自分の意思で物語を紡ぐ、という流れが全く無かった。しかもまどかと違って、自分に何ができるかを考えて見極めようとしているわけでもない。ただただ、じっと妹と一緒に平穏な日々を過ごせばよい、という殻に閉じこもっているだけなのだ。 守られていたのは「リトルバスターズ!」の理樹も同じだが、理樹はみんなから守られていたことに気づいて最終的に成長して逆にみんなを助ける。有宇くんはそういうのがない。
(「AngelBeats!」はほら、あれですよ。PC版が完成形だから)


もちろん何も悪くはない。このアニメが日常系なら何の問題もない。 だが、それでいいのか? だーまえ作品ですよ? 主人公このままチンケなヘタレで、すべて周りに支えてもらってお膳立てしてもらって自分がちょっと恋心を感じた友利は「ほむほむ兄さん」を尊敬してて自分は眼中になし、そんな展開のまま終わっていいのか? だとしたら、いったいこの物語は何のために存在したのか? 

と、いうことで、さらなる理不尽が有宇に襲い掛かってきたのはもはや必然です。(正直ここは「強いられていたんだ!」な展開ではなく、有宇のうかつさから悲劇の引き金を引くような形で会った欲しかったけれど、まぁこっちのほうが理不尽さは増すかな?)
これをやらなきゃだーまえじゃないでしょう。だーまえファンならこれは受け入れるべき(必死の自己催眠)



というわけで今の時点では「AngelBeats!」に引き続き、後2話になってしまった状態で未だに「物語における主人公の目的が共有できない」というクソアニメになってしまっているのだけれど、なんとかどんでん返しを期待せずにはおれません。 (※まどマギやシュタゲ、リトルバスターズ!と比べると「ほむほむ兄さん」の目的が大きすぎてピンと来ないんだよね。)

ここまでたくさん用意されてきた超能力、多分最終話で略奪しまくるんだろうけれど、それを持ってしてもこの二重の意味でお通夜的雰囲気になってしまった空気をどうにかできるのだろうか。私には想像もつきませんが、だーまえさん頼む、一発逆転見せてくれ―!





余談。
それにしても、シナリオライターの中村さんがKey(Kanon)の素晴らしさとは「空白」があることだ語っていた、みたいなことを語ってた記憶があるけれど、そのインタビューネット上に残ってないかなぁ。今作も「空白」がとっても多いでスね。