この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです。 ※記事を読まずにはてなスターを押して回る行為はお断りしております。

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「ロバ売りの親子」

なんとなく思い出したので。

粉屋とかれの息子が、となりまちのいちで、ロバを売るためにロバを曳いていった。


①歩き出してからすぐ、彼らは、井戸端会議をしている女将さんたちに出合った。「ほらみてごらん。」一人が叫んだ。「あの人たちときたら、ロバに乗らずに、とぼとぼ歩いているよ。みんなはあんなのを見たことがあるかい?」粉屋はこれを聞くと、すぐさま息子をロバに乗せた。そうして、自分はその脇をさも楽し気に歩き続けた。



②それからまたしばらく行くと、老人たちが熱心に議論しているところへやってきた。「あれを見なさい。」その中の一人が言った。「ほら、わしの言うとおりじゃろう。近頃では、年寄りにどんな敬意が払われているのだ? 年老いた父親が歩いていると言うのに、怠け者の息子はロバに乗っておる。やくざな若者よ、下りるのだ! そして、年老いた父親を休ませてやりなさい。」こうして、父親は息子をロバから下ろすと、自分がロバにまたがった。



③こうして歩いていると、またすぐに、彼らは母親と子供たちの一団に出くわした。「あんたときたら、なんて、いけずな年寄りなんだい。」数人が粉屋を非難した。「可哀想に小さな息子は、あんたの脇を、やっとの思いでついて行っているというのに、よく自分はロバに乗って、平気でいられるね。」気のよい粉屋は、すぐさま息子を自分の後ろに乗せた。




④こうして、彼らは町の入口にさしかかった。「おお、正直な我が友よ!」ある市民が言った。「これはあなたがたのロバですか?」「その通りですよ。」年老いた父親がこう答えた。「本当ですか? あんたがた二人がロバに乗っているのでは、誰もそうとは思わないですよ。」男はそう言うと更に続けた。「ロバに乗るよりも、自分たちでロバを運んだ方がよいのに、なぜそうしないんですか?」「あなたの言うとおりですね、とにかくそうしてみます。」こうして、粉屋は息子と共にロバから下りると、ロバの脚を束ねた。そして棒を使って肩に担ぐと、町の入口の橋までロバを運んでいった。この様子を見ようと人だかりができ、人々は笑い転げた。ロバはうるさいのが嫌いなのに、その上、へんてこりんな扱いを受けたので、縛っている縄を破ろうと、棒を揺さぶった。そして川に落ちてしまった。
 


⑤苦い思いをして、恥ずかしくなった粉屋は、家に引き返すしかなかった。こうして粉屋が得たものは、全てを喜ばせようとすることは、結局誰も喜ばせないことであり、そのうえロバまで失うということであった。

童話だからしょうがないけど、この作品の息子の気持が全く想像できなくて恐ろしい。

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