この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです。 ※記事を読まずにはてなスターを押して回る行為はお断りしております。

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「もしドラ」はクソだと言い切れる私から見ても「もしイノ」は良い作品だと認めるのにためらいはない

私の読み方が下手クソなだけかもしれないけれど、今でも私にとって「もしドラ」はクソ作品だったと断言できる。私は「もしドラ」という作品は大嫌いだ(アニメは結構好き)そんな私からしても、いやそんな私だからこそ「もしイノ」ほんとに良い作品だと思う。




あえていえば5章の展開だとか、小説としてみた時の描写の薄さなどには不満がないわけじゃない。でもそれ以外は特に大きな不満はない。終章の展開は安易すぎると思うが、あくまでメタファーとして読むならば問題ない。実際「ボルテージ」のゲーム制作やこういう事例があるので。  http://diamond.jp/articles/-/83194?page=2


「もしイノ」は前作のようなコンセプト倒れの竜頭蛇尾な作品で終わっていない。ちゃんと終盤に盛り上がりどころを持ってきてくれている。読み物として普通におもしろい。「もしドラ」の続編として読むならネタかと思うような導入部分を除いては文句なしに素晴らしいと思う。


もし、「もしドラ」読んでクソ掴まされたと思った人がいたら、そういう人こそ読んだほうがいい。「もしイノ」は、「もしドラ」のダメなところ、それから「もしドラ完璧だろ」と言い張っていた当時の岩崎さんを、作者自らがきちんとぶった斬っている。アレじゃダメだったんだとしっかり向き合ったのだなと胸が熱くなる。 

決して二匹目のドジョウ狙いという要素がなかったわけではないのだろうが、きっちりと過去の自分の作品と向き合って、それを超える作品を仕上げてきたという意味でここ数年の岩崎夏海さんの成長をはっきり感じられる作品であると思う。






もともと、もしドラのダメな点ってのは良い点と重ね合わせだったんだよね。

もしドラの良い所は言うまでもなく「それまで見たことがないもの」でありながら、認知されたらそれが当たり前になるような作品を提示したこと。陳腐化は早かったけど、そのあと山のようにパロディでたように、間違いなく革新的だった。

だけどコンセプトの新しさに反して中身はひどかった。私がそう思ってるだけかもしれないけれど、私は何度読み返しても「もしドラ」は駄作だと思う。最初に目新しいことをやろうとして、その後良く言えば試行錯誤しながら、悪く言えば行き当たりばったりで進もうとした結果、後半になればなるほど出てくる様々な問題をごまかして、ご都合展開、よりによって人死にという形で有耶無耶にしてしまった。

「もしイノ」を読んだあとであれば、岩崎さんが「もしドラ」でやりたかったこともある程度納得できてくるわけですよ。でもはっきり言ってできてないよ。「もしドラ」では全然描写できてない。 なにをやりたかったかわかるだけに余計にできてないのがわかる。むしろほぼ逆のことを伝えてしまってる。もしドラは説明不足を通り越して逆のことを伝えてしまってると私は感じた。

このなかで唯一まともな一般人って、主人公の夢ちゃんだけですよね。他の人は「なるほど……」って納得しているんだけど、夢ちゃんだけドン引きしてる。これ、リアルですよね。むちゃくちゃな状況に見えて、現実でもよくある光景だと思います。だって、真実ちゃんみたいな意識高い系の若い子はたくさんいるじゃないですか。そしてそういう人たちが集まって、一歩引いて見ると「何言ってるんだ」ってことで盛り上がっていることはよくある(笑)

http://diamond.jp/articles/-/83175?page=2

前作の「もしドラ」はここ止まりだったんですよ。そしてここにブレーキをかけるために人死にが必要ってんならワ○ミと同じだろうがクソがって気分になったわけです。真摯さが大事という作品において真摯さとはむしろ真逆に感じるような作品を仕上げたことに私は強い憤りを覚えた。しかもその作品について「問題がない」「お前らが読解力ないだけ」と言い切る岩崎さんを見てやっぱこの人ダメだな、と当時は思った。


でも「もしイノ」は、そういった過去のもしドラの限界をちゃんと悟って乗り越えてきてる。前作に感じた不満が丁寧に拾われているのは感動しました。前作読んでたせいで、どうせハックルさんだしまたやらかすんだろって斜にかまえながら読んでただけに、なおさら衝撃だった。しかも単に欠点を補うだけでなくて、ちゃんと以前より高いレベルで完成させてきてる。それが本当にすごいと思う。<ハックルさん>を知っていれば、この本は過去のハックルさん自身のために書かれた本でも有るなってのがビンビンに伝わってきます。

 前作の『もしドラ』には、実はいろいろなメタファー(隠喩、暗喩)を随所に込めてみました。でも結果として、多くの読者がそれに気付かず読み飛ばしてしまった。自分としてはそれがショックだったのですが、読者にとってそれは特段重要なことではなかったのですよね。そして私が「こんなメタファーを込めた」と主張すると、それに対する批判が起きたりして、いろいろ考えさせられました。だから、今回はメタファーはキッパリ止めようと。

ブロマガ読んでると岩崎さんは相変わらずだなぁ、と思うところもあるけれどめっちゃ成長してる。ただのファンだけど嬉しい気持ちになったし、私もがんばらんとな、て思った。そういう意味でもハゲまされました。ありがとう。ありがとう。


作品の内容あるいは私が岩崎さんの成長を感じた数々の描写については、この記事読んで興味持ってくれた人がいたのなら新年明けにでも書く予定。ダレも興味ないなら人目につかないところでひっそりつぶやくよ……。