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迷家(マヨイガ)3話-1 異世界に「ツアー」感覚で挑んでも何も変わらない

マヨイガに「ツアーで」行くという発想がすげえ面白いので期待はしてます。今のところイライラ度が高いけど信じてるよ!






①人生に迷いを抱いた男が、自分の妄想世界に無関係な人間を巻き込んでみたのが「漂流ネットカフェ」。②自殺未遂をした人間を強制的に無人島に放り込んでみるという思考実験をしたのが「自殺島」。③たいした数ではないけれど異世界転生ものをラノベや小説家になろうで読んで。④そんで「迷家」は 異世界を「現世でみんなで参加するツアー」にしてみたらこんな感じなんだろうか。

『納鳴村』では現世でのシガラミに縛られないユートピアの様な暮らしができる……
と都市伝説のように囁かれていた。
現実の世界に絶望している…退屈な日常を抜け出したい…人生をやり直したい…。
それぞれの思惑や心の傷を抱えた30人を乗せ、バスは山奥深くへと導かれてゆく……。
そして30人が行き着いたのは、朽ちつつも微かに生活の匂いが残る無人の集落だった。

「自分の正しさ」に固執する限り、自分を変えるつもりがない限り、旅どころか異世界にいっても何も変わらない

そういば、ちょっと前にこんな記事有りましたね。

この作品の人達は、「今のところ」全員が自分のことしか考える余裕が無い。

みんな「俺が、私が」と自分のことばかり。

とにかく自分の流儀を周りの人間に押し付けようとする。自分を周りに受け入れてもらうことばかり考えてる。周りと合わせようという意識の人はいない。

理不尽な現実を避けて「異世界」に行けば、(自分の周りの環境が変わることによって)自分の人生がうまくいくのではないか、というような期待をしている。

ネットでもたまにそういう感じの人いますよね。「現実を避けてネットに来たんだから、ネットでくらい好き勝手させろ」っていう論理を持ってる人。 誰もネットがそういう場所だなんて決めてない。にも関わらず「自分がそういうネットを求めてやってきたんだからネットのほうが自分の願望に合わせてしかるべき」くらいの考えになってる人。自分の願望と現実の区別が付いてない。「他者との関係性の中にある自分」を考えない。

どこまでもいっても「お客様」感覚。現実でその願望が否定された時に、「現実は思い通りに行かない。自分も合わせるべきところは合わせたほうが楽だ」ということは学ばず、「自分の思い通りにならない人間も場所も要らない。自分の思い通りになる人間と場所が欲しい」といって探し続ける。


こういう考えだったら、そりゃ旅どころかこの作品のような異世界にいったって無駄でしょう。


では、こういう「自分は正しい、相手が合わせるべき」という態度を譲らない30人を、狭い閉鎖空間に閉じ込めてみたら?


自殺島」は他人を押しのける位なら自分を殺してしまうような「一歩引いてしまう弱い人」を一つの島に閉じ込める話だった。(実際はそうなってないけどね。強いやつとか有能なやつめっちゃ多いやん)。この場合は「リーダー」が決まり、そこで「ルール」を決めるところまで行けば持続可能な集団を作ることができていた。


一方「迷家(マヨイガ)」に出てくるのはその逆で、ひたすらに自分を押し出し、自分と他者との違いを許容しないタイプの人間だ。こういう「自分勝手な人々」を、わざとらしくて大げさなキャラ作りに定評がある岡田麿里さんが30人用意している。こういう人間ばかり揃えて狭い場所に詰め込んでみたらどうなるか、を描こうとしているように見える。 よくもまぁここまで見ていてイライラするようなキャラを30種類も思いつくなと感心するし、わたしはこういうクズキャラを見るのが大好きなのでホントにこのアニメはニヤニヤが止まらない。



さらにいうと、この作品、最初はツアー役が存在するが、彼は積極的に村の人間をリードしようとはしない。各自が勝手に争うのをあまり止めようとはしないし、むしろ争いが起きるような雑なチーム組などを押し付けようとし、実際にトラブルが起きる引き金を引いている。 なんだかわざとこの30人たちが争い合う方向に仕向けてるように見える。



このままだと、全員が疑心暗鬼に陥り、殺しあって全滅してもなんにも不思議はないなと思う。

そもそも「マヨイガ」というのは欲(我)の強いものは何も得られないというのが定番なのだ。新しい人生を求めて、今の人生を捨てて、新しい場所で生を得られなかった人はどうなるか……。恐ろしい恐ろしい