この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです

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英国EU離脱問題についてのメモ

他人に説明するほど詳しくないので、自分の勉強用です。

イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票 - Wikipedia

このWikipediaは明らかに「離脱派」寄りの記事です。これだけを鵜呑みにしてはいけないと思いますが、私は結果が出るまで当然残留するだろうと思っていたため、離脱する側の意見を学ぶには逆にちょうどよいかなと思います。

EUとイギリスとの関係について経緯を踏まえたまとめとなっており、非常に参考になります。


論点はいろいろありますね。

そもそもイギリスは歴史的にEUからずっと距離を取ろうとしてきた。(重要度★★)

サッチャーマーストリヒト条約の批准に積極的ではなかったし、
ERMにも一度は参加したが、イングランド銀行ショックの時に離脱している。
リスボン条約批准も国民投票を経ずにおこなっておりもともと不満が強かった。

トニー・ブレア首相はユーロ導入のために財務大臣ゴードン・ブラウンの5つの経済テストを満たしているかどうか、国民投票を行うことを約束した。

景気循環と経済構造がヨーロッパと同一の金利で恒久的に一致しているか。
②問題が起きた場合、十分な柔軟性があるか。
③ユーロ加入によって、長期的にイギリスへ投資することを考えている企業に良好な条件がもたらされるか。
④イギリスの金融業についてどんなインパクトをもたらすか。
⑤ユーロ加入によってより高い成長、安定性および雇用の永久の増加を促進するか。

この経済テストを評価し、2003年にゴードン・ブラウンがイギリスはまだユーロに加入するべきでないと結論を下した

EUに属することによって恩恵を受ける保守(というかエリート層)層と、労働者層との対立という性格(重要度★★★★)

あまり右派左派という形ではない。離脱派はむしろ右派(独立党)と左派(労働党)が協力しており、その折衷状態になっている。
自民党にお灸をすえるために比較すらすることなく民主党を選んだ日本ほど愚かではないであろうが、やはり感情的に保守層やエリート層に対して抗議の声をぶつけたいという感じだったのではないだろうか。 英国財務省が、離脱すれば今後15年でGDPが最大7%減少するという試算を出しているにも関わらずそれでも離脱賛成に投票したならそれなりの覚悟はあったんだろう(それとも、そういうことさえわからないほどバカだったのだろうか?)

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スコットランドの問題については今回は省略する。

EUにおけるイギリスの政治的影響力が非常に弱くなっているにもかかわらず負担が非常に大きいという問題(重要度★★)

2013年は170億ユーロをEUに支払い、EUからは65億ユーロしか戻ってこない。また、EUで成立した法案の7割はイギリスが拒否しているが、それでも賛成多数で可決されている。さらにこのEUで可決した法律への対応で年間700億ユーロのコストが発生している。


EUはスープラナショナリズム=非民主主義的な手続きで統合を進めており、伝統的なイギリスの民主主義気質と合わない(重要度★★)

ギリシャ問題において、ギリシャ国民投票で緊縮財政受け入れを拒否したにもかかわらずEUは緊縮財政策を強行した。これは連邦財政策をとるアメリカでは考えられないとのこと。(ギリシャも悪いけど)
つまり、このあとイギリスが経済危機になったとき、EUに属したままだと同様にEUからの内政干渉を強要されることになる。

EUに加盟したままだと移民難民受け入れ問題に対処できない(重要度★★★★)

冷戦時代は二大超大国に対抗するための統一国家構想というのは妙味があったかもしれない。実際ガンダム00でもそういう世界観が構築されてたしね。でも、実際、国防においてはEUはそれほど大きな効果を発揮したわけではなく、NATOのほうが重要だった。NATOに関しては英国も強い発言権を持つことができた。
むしろ今はテロ対策や経済問題としての移民への対応のほうが重要になっている。英国では本来厳しいビザ発行基準があるが、EUの制度のせいで基準に達しない移民や労働者の移住を拒否できない。(小売業や農業に従事する移民の95%は基準に達していないらしい


EUに加盟したままだと独自の政策が実行できない(重要度★★★★)

すべて重要な問題だが「なぜ今この時期に」という意味ではこの問題が一番大きいのかなと思ってる。
経済危機になったら「ブロック経済化」の方向に走りたがるのは、1929年大恐慌後の歴史みてもわかる。ギリシャやイタリアの経済悪化は決して他人ごとではないというわけだ。

PIIGS - Wikipedia

経済が順調に回復している間は、EUに属していてもかまわない。だが、経済危機が見えてきている現状、いざ危機的状況になっても民主主義で選んだ国家の代表がその対策を行えないのは困る。ギリシャのようにEUから内政干渉を受けるようになってからでは遅い。その前にEUから距離を取らねばならないという危機感が出てきたのかもしれない。

ERMに加入してないから金融政策はイングランド銀行が行える(カーニーさん)のだけれど、自国防衛が必要な時でも、破たんしたほかの国を救うよう求められる可能性が高いと判断してもおかしくない。

[https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-20/O5X5QD6JIJXG01
ただ、カーニーさん自体は離脱に反対だったようですね。


さらなる統合(バルカン諸国の加入)がイギリスにもたらすデメリットへの危惧(重要度★)

バルカン諸国加入すると、さらに移民や難民が増える可能性が高いという認識が強いようだ。などなど。というわけで、EU離脱を考える理由は実に多くあるし、妥当性もあると思う。少なくとも民主党を、しかも圧倒的な割合で選んだ日本人よりははるかにみんな考えて投票していると思う。


開放経済金融を中心としたサービス業への依存が大きいイギリスは離脱後どうなるのか

正直よくわからない。大雑把に言えば

①わかりやすくプラスとなるのは 「ポンド安による輸出業(特に石油)の業績回復」および「移民問題についての負担減」

②わかりやすくマイナスとなるのは「報復関税」と「金融サービスの中心としての地位の後退」「輸入量が多い状況でのポンド安によって貿易赤字の拡大または内需の冷え込み」「安全保障上の問題」

といったところか。


https://www.jetro.go.jp/world/europe/uk/stat_01.html
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001626/07001626b.pdf
http://ecodb.net/country/GB/economy/

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「開放経済」を特色とする英国は、ヒト・モノ・カネの全てにおいて対内・対外双方向の出入りが活発に行われることによって全体が回っている社会だと言うことができる。「知識集約型」サービスという発想や、1990 年末の GB ブランドによるソフト戦略「クール・ブリタニア(CoolBritannia)」など、日本にとっても色々とヒントになることがあるのは確かだが、歴史や文化、国民性といった背景を無視してバラバラに取り上げても、上手く効果的に機能しない面も多い
だろう。
長い間製造業をないがしろにしてきたつけは、最終的にはその間に失われたスキル・人材の問題に行き着いてしまう。初等教育まで遡っての教育システム全体の見直しが求められ、効果が現れるまでには十年単位の年月を要するかもしれない。

あくまで私の感想だが、金融サービスの地位が大きく悪化することはないと思う。だが、ポンド安については恩恵よりデメリットの方が大きいようにも思う。

今のイギリスのGDPを支えているメインは不動産の好調と内需中心のサービス業である。そして、最近のイギリスは万年貿易赤字国だったりする。
鉱工業の輸出は少ない。北海油田による輸出はメリットがあるだろうが、それをあわせても圧倒的なメリットがあるわけではない。輸出より輸入のほうが大きい。こういう国がポンド安になった場合、果たしてプラスになるだろうか?ここで輸入物に対して関税を高くすると、ただでさえ物価上昇率が高いイギリスで内需が冷え込んでやばいことになりそうだ。


そもそも、スコットランド独立運動などが起きており、国内のごたごたはちょっとやそっとで収まりそうにない。


https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001626/07001626b.pdf