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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「不倫に寛容/不寛容なのはリベラルか保守か」

http://topisyu.hatenablog.com/entry/Session-22

のブックマーク欄で「不倫に寛容/不寛容なのはリベラルか保守か」論争が起きていて面白い。

①リベラルは不倫に寛容であるべきだよ派

個人的にはリベラルだからこそ他人の不倫に寛容であるべきである(原則的に私人の間の恋愛関係は当事者個々人の裁量の範囲である)し、不倫に狭量なのは保守だと思っているのでちょっとねじれの位置にあるなあ

「浮気ダメ」「子どもかわいそう」は「政治」だけで判断すれば保守 当人同士が納得すればどんな関係もOK・子どもは早くから社会が関わる、がリベラル

不倫て保守的なの?どっちかというと旧来の家に縛られない関係性という意味でリベラルな行為と思ってた

②リベラルは女性の自由を抑圧する慣習には不寛容であるべきだよ派

普通に離婚できるまで待つ、最初から結婚という形態を取らない、婚前契約で離婚条件や自由恋愛を事前に確認するなどがリベラルなやり方ですかね。

③なんでや、リベラルとか保守とか関係ないやろ派

リベラルとかと結びつけられる話じゃなくて、単にしょうもない男だってだけだと思うんだよね。もしこれが、保守的な振る舞いだとしたら、果たしてリベラルな振る舞いとはなんなのか

いつも思うけど、はてブの人たちは、「オレオレ定義」の押し使いをしたがるの大好きだよね。知識ない状態でオレオレ定義や感覚だけで意見言ってもあんまり意義のある話はできないと思う。

こういう時に「自分の感覚だけ」を頼りに結論出そうとしてもどんどん話がずれていくだけになると思うので、せっかくネットあるんだからググったり本を読んだりしてちょっと確かめてから意見を言うのが良いんじゃないでしょうか。


「リベラルは何か」的な話は厳密に語ろうとするとそれだけで本1冊ボリューム必要な話らしいです。なので、すごく簡単に視点だけ紹介しておくと例えばこのあたり考えてみると良いんじゃないかなと。

リベラルとは何かその1

まず隣接するほかの政治哲学との「比較」で考えるならリベラルはこういう考えになります。

4つの政治哲学で今後の働き方をひもとく|WIRED.jp

リベラリズム」は、通常の基本的人権として考えられる結社の自由、言論の自由といった政治的自由を尊重するとともに、いわば福祉の権利も重視します。そういう意味では福祉国家の思想ということになります。

この時点で、「自由一辺倒」「革新ぽいこと、開放的なことを言っておけばOK」という立場ではないのがわかると思います。

リベラルとは何かその2 ノーラン・チャート

リバタリアンとフェミニスト - モジログ
リバタリアンとフェミニスト - モジログ

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「保守」は旧来的な価値観を支持するので、しばしば男性中心的である。
この男性中心的な考え方を支持しないのがフェミニストだが、この点で、リバタリアンは「保守」よりもフェミニストに近い。この意味では、フェミニストはリベラルに近いので、リバタリアンは「保守」よりもリベラルに近い。

これも重要な視点ですね。

リベラルとはなにか3 「啓蒙」「寛容」「正義」の扱いが重要

リベラルの中で「寛容」は重要なキーワードだ。だが、西洋における寛容(tolerance)と、日本における寛容は意味が違う。このため概念輸入の際に食い違いが生じている。

上記のような食い違いが発生するのはこれが原因。また、西洋の学者でも「寛容」についての姿勢はさまざまであり、どの姿勢を採用要するかによっては、ぶっちゃけどちらの意見も間違いではないということもできる。

詳しくはこの本が入門書として非常にわかりやすいのでおすすめ。

ただ、基本的には、リベラルの姿勢としては「②リベラルは不倫については否定的」と解釈するのが正しいと思われる。

同じリベラルでもグレイの理論だと2の立場は否定されるが、それ以外で2を否定するリベラルというのはないんじゃないかな。リバタリアニズムと混同しないようにしたい。

自由主義」「革新主義」「寛容」といった訳語を意識しすぎるとかえってわかりにくくなるので気を付けたい。


リベラルはどうにも信頼性を失いつつある気がする

欧米の左翼(リベラル)と日本の左翼

基本的に左派に多く、民主党支持者がこれだというイメージがついてますね(はてなの場合はさらに進んで共産党支持な意見をしばしば見かける)

しかし日本の場合いろいろねじれていて、民主党はしばき主義だけが目立ち、政権下での福祉政策いまいち機能せず、福祉政策の面ですら自民党のほうがまだマシだったという評価の人さえあらわれる始末だったように思います。(雑なくくりなのでケチつけながら読んでね)
そのせいか、リベラルもきちんとした立ち位置を得ることができていないような気がします。特にはてブで暴れている一部の方々は金融政策についてど素人の私から見ても間違ったことを大声でわめいているので全く信用できません。(今の国債が安全資産だと思ってるとか致命的)


保守は保守で残念な人たちはいる。リベラルだけが特別おかしいわけではない

ちなみに今日、森達也さんが我田引水もいいところな「保守」論を語ってましたが、いつからこんな残念な人になってしまったのか。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160706-00067558-playboyz-pol

こういう「自称保守」な人たちもいることを考えると、別にリベラルが特別残念というわけでもないような気はしますね。