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GPIFの運用方針や保有する個別銘柄について簡単なまとめ

GPIF 昨年度5兆3000億円余の赤字 | NHKニュース

GPIFは、今後の運用の透明性を高める一環として、平成26年度末時点で保有していた、すべての株式や債券の個別銘柄と時価総額を、29日に初めてホームページなどで公開しました

はてなの皆さんはこの記事だけ読んで騒いでもしょうがないので、ちゃんと資料読んで確認しましょう。

http://www.gpif.go.jp/topics/2016/pdf/0729_kaiken_siryou.pdf


まず理解しておくべきなのはGPIFのメインはアクティブ運用ではなくパッシブ運用であるということ

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「リスク資産に好んで投資し、国民の資金を危険にさらしている」みたいなことを殊更に強調している人は株式投資のイメージそのものに二種類あり、GPIFの運用がどちら側なのか理解してほしい。


今回の5兆円の損失を批判したい人は値上がり益(キャピタルゲイン)を気にしすぎである。GPIFの運用をアクティブ運用だと勘違いしてるのではないか?しかし、GPIFはパッシブ運用がメインである。つまり「配当金の高い銘柄の長期投資によるインカムゲインをメインとしている」ことが重要だ。こちらで安定収益を得ているがゆえに、株価が一時的に値下がりしても時間効果によって累積の利益は増えていくことになる。

国債は現在マイナス金利であるからこのインカムゲインを期待できない。あげくに現在はコモディティ化してて長期的には株式と同じか、それ以上に暴落の危険が高いといえる。おそらく日銀砲が弾切れになったら下がる。そう考えると国債投資は国内株式に比べて安全だ」というのはもはやただの神話に過ぎない。今の日本国債はそんなに安全資産でもない


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ともかく、短期的に下げることはある。リーマンショック級がくればPFが10%以上マイナスになることも考えられる。(※運用額の推移はこちら http://www.gpif.go.jp/operation/archive.html)。

リーマンショック前後や大震災を経験したことで短期的に赤字になっているところがあるのが見て取れる。しかし、毎年キャピタルゲインインカムゲインを下回り続けるということがなければ、終始はまたプラスに戻る。
この図を見れば15年間で平均して2.68%の収益率を実現していることがわかる。その利益の半分がインカムゲインであり、アベノミクス始まる前からすでにトータルでプラスになっているよね。

もちろん高値掴みしている部分もあるが、株の高値掴み部分は136兆円の運用のうち7兆円に満たない。この分が損失に代わるとしても、今までの累積45兆円が全部なくなることはない。配当金が維持される限りは長期的にフォローされることになる。 

企業が配当金そのものを負担できないような経済破綻が起きれば、そもそも国債だろうが何だろうが維持できない。繰り返すが、私は株式よりも国債のほうが心配だ。これ以上の「安定運用に戻せ」というなら、その人たちは、どういうものが安定運用なのか説明してほしい。

いうまでもないが、なにもしなければ目減りしていくので「利息がつかなくてもいい。なにもするな」という意見は的外れであることを付け加えておきたい。


さらに詳しく知りたい人はこちらを読んでください。



GPIFはリスク対策や投資原則などを定めている

何かを批判する場合、まず彼らがどういう原理で行動しているか確認する必要がある。
なので、結果だけでなく彼らの行動方針はどういうものかというのもちゃんと理解する必要があるよね。

http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h27_q4.pdf

投資原則1
年金事業の運営の安定に資するよう、専ら被保険者の利益のため、
長期的な観点から、年金財政上必要な利回りを
最低限のリスクで確保することを目標とする。

投資原則2
資産、地域、時間等を分散して投資することを基本とし、
短期的には市場価格の変動等はあるものの、
長い投資期間を活かして、より安定的に、より効率的に
収益を獲得し、併せて、年金給付に必要な流動性を確保する。

投資原則3
基本ポートフォリオを策定し、資産全体、各資産クラス、
各運用受託機関等のそれぞれの段階でリスク管理を行うとともに、
パッシブ運用とアクティブ運用を併用し、
資産クラスごとにベンチマーク収益率(市場平均収益率)を確保しつつ、
収益を生み出す投資機会の発掘に努める。

投資原則4
株式投資においては、スチュワードシップ責任を果たすような
様々な活動を通じて被保険者のために中長期的な
投資収益の拡大を図る。

GPIFの保有する銘柄について

http://www.gpif.go.jp/operation/state/index.html

のページにある「保有全銘柄について(2014(平成26)年度末)[PDF:397KB]」に
本当に全銘柄公開してある。

なので、今期さえあれば

・そーせい保有36700株で1.1億程度保有。 →現時点では5億円程度に値上がり
任天堂 保有730万株で1336億円分保有。 →現時点では1500億程度に値上がり。

など計算できるかも。誰か頑張って!



国内銘柄は2037銘柄で総額31.4兆円(東証全体の時価総額が568兆円)

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実に市場の5%以上をGPIFが保有してることになります。さすがにこれはでかすぎるような気がするが、逆に言うと、パッシブ運用であるGPIFがずっと保有してくれるということは、それぞれの会社は長期安定株主を得ているということであり、それらの企業が努力して利益を上げ、配当を維持し続けることができる限りにおいては、GPIFのこのポジションは悪いことではないだろう。

東証時価総額はこちらです。
http://www.nikkei.com/markets/kabu/japanidx/

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外国株は2665銘柄で30兆円

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もちろん批判すべき点はあります。それは「リスクが高い投資」という話ではありません。無駄が多すぎるのです。 本音をいうと、リスク回避のための分散投資なのでしょうけれど、ここまでまんべんなく株を買うなら「インデックスファンド」「ETF」を買えと言いたくなります。無駄な管理に膨大な人件費を使っていることになります。

自分たちの投資判断に自信があるということかもしれませんし、インデックスファンドだと配当が小さくなるため、長期投資運用するならインデックスファンドよりこういうスタイルのほうが良いと判断したのかもしれませんが、それならその旨を説明すべきでしょう。
左派の人たちは、批判するべきポイントの的が外れすぎていると思います。



その他知っておくとよい単語

①スチュワードシップ


②スマートベータ戦略
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③ESG指数の向上
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これらの要素を見て、GPIFの運用が妥当であるかどうかを検討していくべきだと思います。




ただ、この資料私のような投資初心者には理解することが困難すぎる。
まして投資やったことない人に説明するような資料になってない。
もう少しわかりやすい資料はないものだろうか……。