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この夜が明けるまであと百万の祈り

私が元気づけられた出来事や作品についてのメモ。最近TED聴き始めました

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貧乏はともかく、貧困を可視化することは極めて困難である

まとめ

すくいきれないもの 「最貧困女子」 - この夜が明けるまであと百万の祈り

・貧乏は、所得が低いこと。
・貧乏から「3つの縁」が失われたものが貧困。(家族の無縁、地域の無縁、制度の無縁)
・最貧困はさらに「3つの障害」に合わせ、身体がボロボロになっている(精神障害発達障害知的障害

貧困女子と貧乏女子を比較すると、むしろ貧困女子のほうが所得だけなら多いこともある。そういう意味で数字だけで「貧困者」を可視化することは難しい

たとえ本人の責任ではないにせよ、助けるためのハードルが極めて高く、かつ助けたいと思えるようなパーソナリティではない。またそもそも本人たちの困窮ぶりが可視化されず、むしろ事情をしらない人から見ると批判の対象になってしまう

「最貧困」の状況には自己責任論など絶対に差し挟む余地はない。なぜなら彼女らは、その自己というものがすでに壊れ、壊されてしまっているからだ。親が両足をもいで放り出したようなもので、助けるすべがない

今回のNHKの貧困女子の話は「最貧困」とは違う話ですけれどね。

それにしても「貧困」について語ろうとすることの話の難しさはよくわかりましたね。*1
NHKの話とは切り離して、私も貧困について何か語りたいと思ったりしていたのだけれど今回の騒ぎを見ているとそれは難しそうです。いかんせん私もそれほどちゃんと勉強したわけじゃない。勢い込んで自分の考えを書いたみたところで、知識がろくにない状態では道理わきまえない青二才(一般的な意味での)のようなことしか言えないでしょう。 というわけで、過去に書いたことのまとめだけにしておきます。


貧困について考える際は「学習資本」という言葉がキーワードになります。この言葉について考える際に苅谷先生の本は必須だと思ってます。どの本でもいいから一冊は読んでほしい。とにかく「学習資本」による格差固定について苅谷先生の研究はまさに偉大の一言であり、この人のおかげで具体的なデータをもとに議論ができるので、本当に感謝しかない。最新のほうが良いですが、この本が比較的まとまっていて読みやすいのでおすすめです。


この本の内容自体はおすすめではない。下層の教育現場について知るための本としてならfujiponさんがおすすめされている本のほうがはるかにおすすめ。「ユース・メンターリング」という制度について触れてるのがこの本くらいしかない。kindle unlimitedで無料で読めるのでそういう人だけが該当箇所を読んでみてほしい。

この本は貧困を直接扱ってるわけではなく、むしろややバカにしてるような感じを受けるので嫌いなのだけれど、今から考えると「貧乏に見えない新貧困層」について早い時点で着目していたと思う。貧困層はなぜ這い上がれないのか、なぜ彼らは貧困に見えないのか。なぜ頑張れないのか、という話ですね。
例えば下流の人々は節制を知らずジャンクフードを好むせいで太っており「貧困」のイメージとは全く違うことなどが語られます。「貧困」という言葉にとらわれていないせいでタブーなどなく具体的に切り込んでおり、小泉内閣の2005年頃にはとっくに社会分断はここまで進んでいたのだよ、ということが分かる内容になってます。

内田さんの「下流志向」も紹介しようかと思いましたが、こちらはマクロの観点がないため今となっては完全にずれた話になっているかもしれません。(現場としての視点では今でも興味深いのですが)


「健康で文化的な最低限度の生活」柏木ハルコ - この夜が明けるまであと百万の祈り
「なぜ人の話をちゃんと聞かなくてはいけないのか」「人は自分の都合でしか動かないから」 - この夜が明けるまであと百万の祈り
「生ポ兄貴」 生活保護に「9項目目(恋愛扶助)」が存在する世界 - この夜が明けるまであと百万の祈り

今回のNHKの報道に対する過剰演出および視聴者の過剰反応を見るに、こういう話はもうフィクションのほうが良いのかもね。記事では紹介しませんでしたが、「健康で文化的な最低限度の生活」で、まさに今回の貧困女子高生みたいな話が出てくるんですよね。

親が貧しくて生活保護を受給している。その子供が親に内緒でバイトをして、ひそかに自分が欲しかった楽器を買った。 だが、それが見つかって、申告をしていなかったからその間の受給額を返還させられる。「俺は夢の一つも持っちゃいけないのか、生活に楽しみの一つも許されないのか」という内容の叫びは胸に刺さります。

ちなみにこの本も、現場の人間からリアリティがーみたいな批判が結構ついてます。この話題がいかにセンシティブな、タブー寸前の問題になってるかわかりますね。



その他

表向きは「普通」だったり、「浪費している若者」のようにみえても、実際はボロボロになるまで働いて勉強をする時間も気力もなくなり、目先の快楽のために散財してしまう。子どもの貧困というのは、お金の問題だけではなくて、自分の将来に希望が見出せないこと、ではないのだろうか。

fujiponさんのまとめ。この方とは意見が合わないことがかなり多いのですが、それでも自分の考えを持ちつつも幅広く情報を受け入れようという姿勢をお持ちで、一つ一つの問題についても丁寧に語られるので尊敬しています。
こういう人でなければなかなか大量の本を読んでさばいていくのが難しい気がする。



ぼくは率直にいって、「子どもの貧困対策法」が死文化させられる危惧をもっている。「子ども・被災者支援法」がほとんど具体化されていないように。その動きを警戒しつつ、ぼくは国待ちにならずに個別の自治体でも同じような条例をつくって、自治体ごとに子どもの貧困の削減にとりくむ計画をつくるべきではないかと思う。

こちらはより具体的に政治的アクションとしてどう踏み込んでいくかという現場視点で貧困を見られてますね。



lessorさんのように、「障害者」まで話を広げるとさらにいろいろ大事な話があると思うのですが、きりがないのでやめよう

*1:あと2ちゃんまとめを面と向かって批判することの難しさも。NHKの番組を見たわけでもないのに「なんかおかしい」って感覚をもってる人が多い。2ちゃんまとめの情報だけを見て騒いでる人たちが権力となって暴れまわってる光景は本当に恐ろしい