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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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残業減らそうという話は、思考実験で語るより、実際に成功してる企業を参考にした方が良いと思う

http://anond.hatelabo.jp/20161022131254

①会社の意思決定を完全にトップダウンにしないといけない、②部下は命令されたこと以外はやらないものと心得なければいけない、③その仕事がはたして定時に終わるか考えながら上司は命令しなければいけない、④会議・ミーティングは時間の無駄だから減らさなければいけない。ができないと定時退社制度は失敗して、ただのサービス残業強要になってしまうだろう。

本当にそうだろうか?

こういう話もいいとは思うんですけれどこれ思考実験だと思います。

しかし、普通に残業を減らすことに成功してる企業があるので、それを参考にするのが良いのではないでしょうか。


特に、SCSKについては、誰かが定期的に画像を上げて、そのたびに10000RTくらいのバズになってるわけですが、
この会社の社長さんはこういうことを言ってるわけですね。

「早く帰る社員ほど得をする」IT企業のしくみづくり 残業削減で浮いたお金はボーナスで還元 | キャリコネニュース
IT企業「SCSK」が残業を大幅に減らした結果…過去最高益を叩き出す - ライブドアニュース

「残業問題というのは、経営者が『こうしろ』というようなものではない。社員自らが工夫して残業を減らすための、環境づくりをしなければならない」

残業時間減らしたいなら、スペシャル経営者や、すごいリーダーのトップダウンに期待せずに、やはり自分たちで工夫しないといけないと思う

電通でさえも、トップダウンとしては残業代削減を要求していたことが明らかになっています。
ですが、メンバーシップ型雇用かつ、ボトムアップを重視する日本企業において、上の増田の仮定ではたぶんうまくいかないでしょう。

上の増田は「コストダウン」に特化して議論しています。イメージしやすかったんでしょうね。
実際日本企業はあまりに無駄なことが多く、それを削減するだけでもかなりの効果はあるでしょう。
しかし、競争力のことも考えれば、単位時間当たりの収益性、つまり会社全体の利益率を上げることも求められるでしょう。
この部分を既存の経営陣や管理職のレベルアップに期待するというのでは、なかなか絶望的であるなと感じます。


このような考え方に特化してしまうと、「未来工業」「トリンプインターナショナル」「ゆとりずむさんの会社」のような
超優秀なトップに恵まれる、という幸運なケース以外ではなかなか残業代削減の取り組みは成功しないのではないでしょうか。

楽園企業の「ムダを省く力」が超スゴすぎた | 日本一“社員”が幸せな会社の「うらやましすぎる真実」 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

年商83億円なのに経常利益5万円。それでも倒産しないメガネ屋さんの経営術。 - ウェブ1丁目図書館

あるシステム屋さんが平均残業時間一桁を実現した方法 - ゆとりずむ
※これについては「社長の営業力」依存という弱みはあるけれど、それでも社内の取り組み、特に社員育成の部分は大いに参考になると思います。

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ネットでいくらブラック企業たたきしても今の仕組みではほとんど一過性の動きにしかならない

とにかく会社だって生き物です。生き残りたいですから、利益が出ないなら社員にサービス残業もさせます。社員が自分で考えないなら、たくさん理不尽を押し付けてちょっとでも搾り取ろうとします。お客さんに対して強気に出られないなら、お客さんに合わせて深夜や休日の営業もするはめになります。経営陣や管理職はなんだかんだいってそっちの考え方をするようなインセンティブが働いてます。アメリカみたいに残業強制したら訴えられるということもないです。


今年6月にエイジスという会社がブラック企業指定されましたが、その後たいした改善があったという報告があるわけでもなく、特に社会的制裁もなく株価はそのまま上げ続けています。というか、みなさんいつもあれだけブラック企業についてギャーギャーいってますけど、国家が名指しで指定までしたこの会社のことちゃんと覚えてますか?
エイジスのブラックぶりを厚生労働省が実名公開!事故も起きるほどの長時間労働

ゼンショーだってブラック企業騒動で一時期問題になりましたが、何の問題もなく復活しています。株価はワンオペ騒動の時の2倍になっています。銀行が金を貸し、商社と地所が土地建物を提供する限りはああいう会社がつぶれることはありません。

ワタミはうまくいったじゃないかと勘違いされてる人今でもいるかもしれませんが、その理屈なら過労死事件を起こした「大庄」だって業績が悪化しているはずですが全く問題になってませんよね。ワタミが衰退したのは、わたなべさんがあまりに目立ったこと、ネットだけではなくマスコミもこぞってバッシングしてブランド価値が毀損したこと、それに加えてなによりも業態が全体的に通用しなくなってきているという問題があるからです。 しかもワタミも規模は大幅に縮小してはいますが、不採算店の撤退が大幅に進んで2016年は大幅に赤字縮小。2017年度には黒転を見込んでいます。当然株価も回復しています。

労基署仕事しろとか国のという言葉がありますが、労基署がたとえ仕事をしたとしてもその問題となった拠点が指導を受けるだけです。別に莫大な課徴金とかないですから、問題が起きてから対処すれば十分間に合う。 それならやったもの勝ちですよね。

ネットの運動なんて、その程度なんです。正義を唱えて騒いだところで、あくまで一時的に打撃を与えるだけです。それだけでも無駄ではありませんし、問題提起のきっかけとして今後も一定の役割果たすでしょうが、ネットでいくら叫んだところで、少なくとも自分たちの生活が良くなることはありません。一時的にすっきりするだけです。


電通問題も、どうせ三か月もしたらみんな忘れるのではないでしょうか。
結局、それぞれの会社で、社員自身が残業を減らすような動きをしない限り、残業はどんどん増える、とそういう風に私は思っています。



知るのは苦しくてつらいかもしれないけれど、残業が少ない会社のことを知って、希望や目標を捨てないようにしたい

なので、残業が少ない会社に学びつつ、自分たちでも取り入れられるものがないか、とか考えて努力していく必要があるように思います。
公開!これが「残業が少ない」トップ500社だ | 企業ランキング | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準


個人的には、最近はネスレ日本がマイブームです。

社員たちが声を上げやすい、ネスレ日本の「グローバル」な働き方【後編】 | PRESIDENT WOMAN | “女性リーダーをつくる”
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/102800010/111200007/


第8回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 - 「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞

これはこれで、少し基準が偏ってる気はしますし、参考にしにくいところはありますが、会社ってひどいところばかりじゃないっていう気持ちになれるので一度は目を通しておきたい奴ですね。

ネットでわかりやすくひどい会社について騒ぐことは多いですし、わたしもついついそういう話に傾いてしまいがちですが、実は、そういう話ばっかりしてると、「こんなにひどい会社があるんだから今の私はまだましだ」ってところにとどまってしまうんじゃないでしょうか。

どちらかというと「こういう会社があるんだ」「こういう働き方は無理じゃないんだ」ってのを広めていったほうがいいじゃないかな、と最近は思い始めてます。こういうの見ると「なんで自分の会社はこんなにひどいんだろう」って苦しい気持ちになってしまいますが、そういうのと向き合わないと、なかなか変わっていかないのかもしれませんね。