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この夜が明けるまであと百万の祈り

私が元気づけられた出来事や作品についてのメモ。最近TED聴き始めました

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小学生時代に読めてよかったなと今でも感謝している学習マンガ

http://blog.tinect.jp/?p=33408

私の中に「読解力は絵本の読み聞かせを起点に育つ」という認識があったからなんですね。文章と絵を同時に摂取することで、だんだん「文章→イメージ→文脈理解」という回路が出来る。

正確な話かどうかは分かりませんが、自分の体験と照らし合わせてみるとこの話はすごくよくわかります。この文章と「イメージ」を結びつけるという訓練はすごく大切だと思う。

そして、その訓練として、マンガって本当に素晴らしいと思う。

私は小学校時代塾には行っていませんでした(そろばん教室には行ってた)が、かわりに学習漫画や図鑑はよく買ってもらいました。あとデアゴスティーニの美術館シリーズとか。親からしたら塾に通わせるよりは安上がりだったのだと思います。

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※ひさびさに家に帰ったので撮影してきた)

実際私にはこれがすごくはまったようで、勉強の入口にマンガがあったおかげで挫折せずに済んだ、と今でも感謝しています。

私が小学生時代に読めて本当に良かったと思う学習マンガを紹介します

というわけで私が子供時代超お気に入りで、今でも感謝したいマンガを一つ紹介させてください。


この本、現在は絶版になっておりプレミア価格がついており、ほかの人が入手しにくくなっているので、ぜひほかの人にも知ってもらい、復刊してほしいと思ってます




この本はマンガで中国の故事成語を紹介するというよくあるものです。

たとえばこんな感じ。

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一つ一つの単語について、マンガ付きで分かりやすく紹介してくれてます。


で、このマンガ何がすごいかというととにかくすごく丁寧なところ。最近になってこういう「マンガでわかる~~」シリーズは増えてきてます。それぞれの出版社が努力しているとは思います。でも、それらと比較しても昔でたこの本は今でもものすごくレベル高い。いまより学習マンガがポピュラーじゃなかったからこその名作なのではないかと思います。


例えば、この本は必要だと思ったら、1つのことわざを紹介するのに2~4ページ使ったりします。
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むりやり1ページに詰め込んだりしない。ちゃんと一つ一つの言葉とそれに連なるストーリーに敬意を払ってると思います。これによって「ことわざを覚えるためにマンガ形式で読む」のではなく「マンガが面白いから、繰り返し読んでいるうちに覚える」ができるんです。

さらに言うと、ビジュアルつきで故事成語を見ていると、今とは違う当時の人の服装や常識が自然と理解できてくるんです。これは後に古文や漢文を勉強する際にものすごくお世話になりました。





これはおまけですが、マンガで興味を持ったら応用編としてマニアックな言葉も紹介してくれています。

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受験勉強なんかではあまり聞かれない言葉だと思いますが、こういう故事成語知ってその話をすると、友達も小学生ですから結構楽しんでくれるんですね。私は小学生のころ人と話すのが苦手でしたが、こういうマンガで仕入れた知識は話のタネとして結構重宝してました。

もしお子さんがいらっしゃっる方がこの記事を読んでくださっているのであれば、こういう形で知的好奇心をくすぐるような学習マンガを与えてやってほしいと思うのです。塾を否定するつもりはないですが、最初から塾にいってたら勉強が苦手だった私は勉強嫌いになって落ちこぼれていたかもしれません。まずこういうの読ませて、下地を作ってあげるのもありなんじゃないかな、と。




おまけ なぜ絵本やマンガは文章読解力を育てるのに優れているのか(ここは読み飛ばしてもOKです)

文章を理解するには、5W1Hの理解が必要になります。

すでに理解できるようになった大人には当たり前になりすぎていると思いますが、子供の頃って、文章を読んで5W1Hを把握するのって結構難しいんですよね。

家族や友達との会話をしっかりこなしていれば、WhatやWhyはわかるようになるかもしれません。しかしそれだけでは文章は読めません。また、Whyについては「親しく付き合っていて考え方が近いとか、文脈を理解している相手だから理解できる」どまりになって、考え方が違う人の話になった瞬間理解できなくなることがあります。WhatやWhyしか理解できないと、小説は読めません。



例えばはてなで人気の「山月記」ありますよね。あれ、子供には結構読むの難しいんですよ。

山月記は、最初の数行で、「李徴」の20年くらいの年月の話をぎゅっと詰め込んで終わらせた後、登場人物が「袁さん」にかわり、舞台も変わりますよね。この展開の速さに対応するのが結構難しい。(まぁこの部分は理解してなくてもそのあとの会話が読めないわけではないけれど、そのあとの理解が浅くなりますよね)

そして「李徴」と「袁さん」が再開した後は数時間あまりの会話をずっとやってるわけです。読み手としては、「李徴」や「袁さん」がどういう人物で、どういう関係性であるかを理解していないと深く理解することは困難です。特に序盤の「李徴」のイメージを引きずっていると、後半の「李徴」は虎になっていますからそこで理解にエラーが発生したりする。

さらに「李徴」「袁さん」の間で交わされる会話は過去がメインです。そこから「現在」の話に戻ってきたのをつかめるか。このあたりも小学生低学年では結構難しいようです。「山月記」はそもそも過去の話です。今の話ではない。今とは考え方や仕事に関する考え方も違います。そういった背景の違いを踏まえて読むことができなければ、目の前で起こっていることは理解できても、納得できませんよね。

そんなわけで、「山月記の内容を読んで正しく理解できるのが当たり前」かというと、その前にはいろんなハードルがあるわけです。驚いたことに、学校によっては高校生になって初めて山月記を教える、ということころもあるようです


ところが、こういう話でも、マンガだったら小学生でも読めます。

なぜかというと、マンガは、文章を読むのが苦手な子供でも、Who,Where,Whenを視覚的に理解させてくれるからです。舞台がどこで、時代は今と違っていて、そしてどういう人物が行動しているのかは見ればわかる。これによって、文章を読んでストーリーを理解するためのハードルは大きく下がります。


「イメージ化・ビジュアル化」というのは、要するに「5W1H」を理解する、ということです。マンガはその理解を手助けしてくれます。*1


マンガにはマンガの弱点がありますし、評論の文章を理解するにはさらにもう一つハードルがある(「バカの壁」)のですが、とりあえず絵本やマンガがなぜ文章読解力の入口として効果を発揮するのか、は理解していただけるかと思います。




というわけで、ほかにも歴史や社会でお気に入りだった学習マンガがあるのですが、ほかの作品については、自分が読んでいたころよりも今はもっとよいものがあるかもしれません。とにかく、この本だけは今でも相当自信をもってすごいと言い切れます



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*1:ラノベは挿絵でキャラクターのビジュアルは提供してくれますが、WHENやWHEREまで挿絵で示すには限界がありますから、これだけだと読めるようになる作品に限りがありますね。売れるラノベに偏りがある理由だとか、ラノベのアニメ化に今でもブースト効果があるのであれば、このあたりから考えてみても面白いかもしれません。適当ですけど。