頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「残業当たり前」についてよくよく考え直す時期が来てるのかも

について他の人のツイートを引用しながら思ったことをつらつらと。

ドミノ・ピザは今年限りの広告戦略のミスで来年は改善されそうだけれど佐川の問題は経営レベルでどうにもならないような気がする…


全国的に遅配中の佐川急便「営業所へのお電話もつながりにくい状況となっております」 : 市況かぶ全力2階建


顧客にちゃんとサービス料を転嫁したり、窓口制限をかけることも今後必要になる


経営者からしたら、そんなことは分かってるが、それが出来ないから困ってるんだよ、という話なのでしょうが。

「日本の労働生産性が低い」系の議論って、殆どが顧客が値上げを受け入れれば解決する問題だったりします。でもあまりにデフレが続きすぎてそれがほとんど不可能になってるというのが最大の問題ですよね。 

f:id:tyoshiki:20161225113419j:plain
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/argument/mron1302-1.pdf

少し古いデータですが、日本のサービス価格は全く上がってないんですよ。まして、賃金にいたっては最近マイナスになってるときすらある。 私は株やってるから毎月CPI統計を日米で比較してますが、アベノミクス以降でもマイナスになるときが結構ある。



業種別はこちらですね。

f:id:tyoshiki:20161225113800j:plain
http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h13/h4a1203j048.pdf

通信やリースなど技術的確信に依るサービス価格低下はもちろん有りですが、運輸業などにおいてほとんど上昇が見られないというのはやばい。


ちなみに企業向けサービス価格の推移は月次で常に好評されているのでその気がアレば運輸業についての最新版のグラフ作れますので誰かやってください(笑)。全体としてみれば明確に2014年から「企業向けサービス価格」は向上しているのがわかりますが、はたして運輸業は……。

f:id:tyoshiki:20161225114052j:plain
http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cspi_release/


そもそもなんで今年になって急にこんなに問題になってるの?=サービス増量が問題?送料無料による配送コストが問題?景気回復に依る「人員確保」が問題?

全てのツケを従業員に背負わせるビジネスモデルは崩壊するとして、ではどうするか?


ひたすらサービスは無料でやれ、もっと安くしろ、でもサービスの質を落とすなという根性や気合によるイケイケ経営の限界は、それ以前からワタミ大庄などの自殺者などで個別のケースとしては一部話題になっていました。

しかし企業単位で大きく問題とされたのはすき家問題がやはり大きいでしょう。第三者委員会を入れてその後労働問題はかなり改善した上で業績を上げました。その大きな要因は「値上げ」と「原料コストの低減」です。

復活「すき家」、業績急改善が止まらないワケ | 外食 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
すき家のブラック状態はかなり改善している印象を受けた – DetaraMe WEB

①以前、アルバイト募集の広告を見て応募した求職者が、外部委託の個人事業主として扱われたため、残業をしても残業代が払われず、労災もないなど労働者として扱われなかった問題については、すでに解決しており、現在は労働者として扱われ、残業代も支払いは行われている。
労働組合については、ゼンショーユニオンがあり、アルバイトも含め全員が加入することになっている。アルバイトの採用説明時に労働組合加入説明がある。組合費は毎月200円と聞いている。組合を辞めた場合、アルバイトも辞める形になる。(ユニオンショップ制を採用しているようだ)

価格を引き上げつつ、過密労働による従業員離れやサービス低下を防ぐという形が取れれば、それはサービス利用者にとっても良いことのように思いますがそれができるかどうかが問題ですね。


今年に入ってからは国が企業を名指しでブラック企業指定したり
ブラック認定!?エイジス長時間労働の実態を元アルバイトが語る | なぜなにチャンネル

ブラック企業対象では、不可侵と言われていた電通が指定されたり、さらにブラックバイト問題もきっちり取り上げられたりしてきています。
【ブラック企業大賞2016】電通が大賞「何人もの労働者がこの企業に殺された」

玉石混交ではありましたが、やたらと「労働生産性」についての議論が多かったとしでもあったと思います。日銀の金融政策による景気刺激が限界を感じさせるようになり、いよいよ実態での改善が必要とされるという空気も高まってきているのも大きいかもしれません。

そんなわけで、おそらくこういう「ブラック企業なんとかしろ」の流れが一巡したら、その次には「顧客側が企業努力を受け入れる順番」=「すでに見えない形では進んできているけれど、はっきりとサービスの値上げを受け入れる時」がやってくると思います。


今年は暗い話題が多かったし、来年以降も厳しい時が続くと思いますけれど、何かしら希望が見える展開になってほしいところですね(他人事)