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この夜が明けるまであと百万の祈り

私が元気づけられた出来事や作品についてのメモ。最近TED聴き始めました

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「少女は書架の海で眠る」 ボーイミーツガールの名手によるナイスツンデレ!

※表紙は主人公ではありません。ヒロインです

少女は書架の海で眠る<少女は書架の海で眠る> (電撃文庫)[Kindle版]

支倉 凍砂 KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 2015-08-08
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by ヨメレバ

狼と香辛料」「狼と羊皮紙」「マグダラで眠れ」「ワールドエンド・エコノミカ」などの作品で有名な支倉凍砂さんの作品。位置づけとしては「マグダラで眠れ」と同じ世界観ですが、完全に独立したおり1冊で読み切れます。


支倉凍砂さんは、歴史知識をベースにきちんと背景のある世界を構築し、その世界・その時代の中でたくましく生き抜いていく人々の力強さをを描きます。その中で主人公は、現代の感覚で綺麗事をいうような人物ではなく、同世代の中でも抜きん出て上昇意欲や目的意識が強いです。その為様々な試練に当たりながらもそれを乗り越え成長していきます。どの作品も真っ直ぐなビルドゥングスロマンの物語なんですね。*1

そして、その主人公の側には、異性のパートナーが必ずいます。男主人公だけだと結構血なまぐさいことをやってたりするんですが、読者から見ると、男女がケンカをしたりイチャイチャしながら少しずつ高みを目指すというなんともたまらん作品になっているんですね。そう、支倉凍砂さんといえば何と言っても「ボーイミーツガール」の人だと思うわけですよ(力説)。



さて、この作品は、そんな支倉凍砂作品群の中でも、今まででも「一番登場人物が幼い」作品です。

十字軍遠征の時代に、書籍商を目指す少年が、とある修道院で謎の少女と出逢い……というお話です。

当然、少年と少女ですから、他の作品の主人公と違って、自分だけで世の中と渡り歩いて大成功を収める、という痛快な展開にはななかなりません。時代も戦争の真っ只中で厳しいですから、どちらかといって主人公たちは世の中の厳しさをしって、それに打ちのめされそうになったり、諦めそうになったり、そんな展開になります。

ストーリー的には他の作品とくらべてカタルシスは弱いかもしれません。

ですが、その分、ままならない世の中において、少年と少女がじっくり悩んでる姿を見るところには感情移入させられるし、また、厳しい状況だからこそ、その中でお互いが支え合い、手を携えてとある行動を起こすシーンなどはとても印象的です。





そんなことよりこの作品のヒロインであるクレアがめっちゃかわいい。

というわけで、ストーリーの部分はぜひ読んでみてください。

主人公が「書籍商」を目指そうとして苦悩する部分は、普通にブログや商売やろうとしてるひとにはとても参考になると思います。

しかしこの記事でお話したいのはクレアのことです。この子がめちゃくちゃ可愛いの。

幼いながらも教養が高く理知的だし、強い意志を持つ努力家です。

さっきも言ったとおり、厳しい世の中で、本当に過酷な目にあって、それでも挫けずに出来る限り自分の力で頑張ろうとします。

ですが、それ故になかなか打ち解けません。ツン強めです。主人公は散々罵られたり冷たい仕打ちを受けます。

そんな彼女と先に打ち解けたのは、主人公ではなく主人公の友人でした。

主人公はむしろその友人に劣等感や嫉妬を感じます。

おお……「こころ」的展開来ちゃう?来ちゃう?あるいは「7SEEDS」の新垣さんになっちゃう?とハラハラします。

ですが、ここから主人公頑張るんですね。

その子が好きだからとかではなく、自分の夢のために、彼女を助けたいと思って必死になる。

そして途中からちょっとずつ「友情以上恋愛未満」の仲間みたいな関係になっていく。

その過程でちょっとずつ心を開いて、いろんな姿を見せてくれるクレアもうちょうかわいい(語尾が幼児化)。

ツンデレ好きな人はクレアのためだけでも十分読む価値あると思いますよ。



支倉凍砂的なボーイミーツガールの魅力について

そうそう、言い忘れてましたけれど、支倉凍砂さんの「ボーイミーツガール」って「男女」「恋愛」という面もあるけれど、それ以上に「一心同体のパートナー」みたいな感じなんですね。

今作も例に漏れずで、まず同じ目的を持つ「仲間」になっていく。この展開が本当に楽しいです。

そんで、仲良くなっていく展開ってよく「心を開く」なんて言うじゃないですか。

この作品はそういうのではなく「身を預ける、委ねる」って感じなんですね。

好きとか嫌いという感情で依存するんじゃなくて、パートナーとして、一緒に物事に挑戦する者として、対等に、身を預けあって何かに挑む。

こういう関係が、読んでてすごく心地よいのです。

「恋愛」っていうとなんか「好きにさせたほうが勝ち、好きになったほうが負け」みたいなお互いの勝負みたいな感じの物が多くて、たとえ本人たちは幸せでも読んでるこっちはそんなに楽しくないよ!ってなってしまうのですが、

支倉凍砂さんが描く男女関係は、本当に好ましいなーこういうのいいなーって憧れるような形なんですね。(もちろん作品中では男女の駆け引きもしょっちゅう遊びでやってるのですが、それがメインではないとうところが良い)

普段恋愛やラブコメものが苦手な人ほど、居心地の良いイチャイチャを楽しんでほしいなと思います。




おまけ 「ワールドエンド・エコノミカ」はいいぞ

そんなわけで、私は支倉凍砂さんの作品が好きです。特に「WORLD END ECONOMICA」が好きで、私はこれ読んで投資始めたくらいであり、いろいろとこの作家さんからは影響を受けてます。

「ワールド・エンド・エコノミカ」は投資に興味がない人にもぜひ読んでほしい - この夜が明けるまであと百万の祈り

一時期入手が非常に困難でゲーム版は高騰していましたが、最近は流通量が増えて安くなっているので是非手にとって見てください。そして、すでにワールドエンド・エコノミカプレイされた方、好きな人、是非お話しましょう!お願いします!

*1:「ビリオネア・ガール」という例外はあるがあれはストーリーより投資メインだから……というか桂明日香さんの色が強いから……