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「いじめ防止対策推進法」など、いじめに関してもっと理解しておくべきこと3つ


この記事本当に素晴らしいです。この事件に感心がある方は必ず読んで欲しいです。

この記事が流し読みされるだけで終わってしまうのはあまりにもったいないので、この記事にかかれていることについて、今後同じような問題が起きた時に自分でちゃんと考えられるようにするため、ちゃんと意識しておきたいポイントを整理しておきます。

(本当に上記記事の途中で書かれていることを確認しているだけですがご了承ください)



「いじめ防止対策推進法」(平成25年10月~)は絶対に知っておきたい

「いじめ防止対策推進法」についての存在をみなさんが知って、今後の議論はこれをベースに話し合ってほしいなと思います。はてブの人たちの反応を見るに、明らかにこの法の存在を知らなかった、という人が多いと感じました。

別添3 いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号):文部科学省
第1 いじめの防止等のための対策の基本的な方向に関する事項:文部科学省


とくに重要なのがそれに先立って出された「早期に警察へ相談・通報すべきいじめ事案について(通知)」ですね。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1335366.htm

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/__icsFiles/afieldfile/2013/05/24/1335366_1.pdf

「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察に相談することが重要なものや、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものが含まれる。

「こういうときは直ちに通報しましょうね」とちゃんと文科省が言ってる。また、学校の中で起きたことでも犯罪行為と認定する旨ちゃんと書かれてます。
(別紙1)学校において生じる可能性がある犯罪行為等について:文部科学省

まず、学校の先生がしぶるなら、直接警察に連絡しても良い。文科省はそれを推奨しているということを知っておきたいところです。つまり「保護者の判断次第」ということになります。「学校がー文科省がー警察がー」といろいろ考えて動きにくくなる人も少なくない数がいると思うので、あくまで保護者である自分の責任なのだ、という意識を持っておきたいですね。


触法少年」と「虞犯少年」という区別についても理解しておきたい

少年事件について:検察庁

(1)犯罪少年(満14歳以上で罪を犯した少年)
(2)触法少年(満14歳未満で(1)に該当する行為を行った少年)
(3)虞犯少年(その性格又は環境に照らして,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがあると認められる少年)に区別されます。

少年事件の類型|東京永田町法律事務所

今回の問題について恐喝罪(刑法249条)にあたると指摘している人はいましたが、「触法か虞犯か」という線引をしている人はあんまりいなかったように思います。 そもそもこの線引を知らなかったことが、今回の誤解の大きな原因になっていたと思います。

「触法行為」しか知らなければ、もしいじめを行う側が狡猾な人間でわかりにくい形でいじめていたら手出しが難しいです。しかし「虞犯」という概念を持っていれば、訴え出ることができる範囲が広がります。

極端な話、目に見える暴力みたいな被害を受けた場合でなくても、はっきりとした話でなくても相談していいわけです。子供を守るための選択肢を広げたり、初動を早めるためにもこの概念も知っておいたほうが良いと思います。
(あんまりやりすぎると魔女狩りみたいになってしまうのでもちろん節度は必要ですが)


「学校警察連絡制度」の存在について、自分の家族が通っている学校はどうか確認したい

恥ずかしながら私はこれについては知りませんでした。

保護者の方は自分の子供が通っている学校に「学校警察連絡制度」が存在するかどうかを是非確認して欲しいですし、実際に高校生の方も一度確認して見てほしいと思います。

「学校と警察の連携に係る緊急調査」結果について:文部科学省

特に重要なのが、問題があった時にかなりの割合で利用されている、というデータがあるということです。つまり「他の学校でもちゃんと通報してますよ」ということが言えるわけです。*1

学校の先生はとかく「先例」がないことを嫌う生き物で何かあれば二言目には「他所ではやってない」といいます。そのくせ「先例」があるかどうかを調べることをあんまりしません。なので、「よそでもやってる」ことを示すことはとても大事です。

保護者の方も、マスコミの報道やドラマなどの影響を受けて「学校って警察と連携してない」「学校はすぐに隠蔽しようとする」というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。この事実と資料を頭に入れておくことはとても大事だと思います。

*2



というわけで、トピシュさん、今回の記事とても勉強になりました。ありがとうございます





余談。いじめの一歩手前の話として保護者の方に知っておいて欲しいことなど。

教室運営に関しては保護者の方も、しっかりした基準を持って学校を見ることが必要かなと思います。熱心なんだけれど、何の基準もないせいで自分の子供のことだけ要求だけしてしまう保護者の方が多くいらっしゃいます。世間ではモンスターペアレントなんて言われることも多いですが、個別にお話してみるとお気持ちはとても良くわかるしちゃんとお話できることが多いです。ただ、学校側の事情を全くご存じなかったり、偏った基準で物事を考えてしまう結果として学校側からするとクレーマーやモンペと同じような存在になってしまうケースもありますね。*3

なので、コールバーグの道徳性発達の6段階なんかを意識してもらったり、

「いじめはなくせると思いますか?」 ムリダナ(・×・) と思ってしまうマンガ「傷だらけの悪魔」 - この夜が明けるまであと百万の祈り

第一段階 罰と服従への志向
第二段階 道具主義的な相対主義志向
第三段階 対人的同調、あるいは「よいこ」志向
第四段階 「法と秩序」志向
第五段階 社会契約的な法律志向
第六段階 普遍的な倫理的原理の志向

「Q-U」や、各種授業診断の基準なんかを簡単に見てもらって、そういう視点から学校を評価してくださるような保護者の方が増えると嬉しいなぁとか思ったりはしてます。
http://www.waseda.jp/sem-kawamura/about/outline/

*1:「問題があった時」が母数になっているので実際には問題とされてないケースも多いでしょうが、それでも割合を考えるとかなりの数の連絡がちゃんと行われていることになります

*2:もっとも、この事件では警察に相談してもダメだったようですが……問題が根深いなぁ https://this.kiji.is/172324496345055241

*3:もちろんガチのモンペな方々もいますがマスコミが言うほどではない。むしろあの煽り、良識的な保護者が萎縮して、逆に開き直れるくらい強い人達が勢いづくからほんとにやめて欲しい……