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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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英仏百年戦争(後編-2) イングランド撤退後のフランスの国家統一

百年戦争はそもそも日本における「室町末期~戦国時代」のようなものであると言えるかなと思います。鎌倉幕府も、徳川幕府も、その成り立ちにおいて、絶対権力になるために、自分と同程度の勢力を持つ存在を抹殺してはじめて安定政権を作ることが出来た。

というわけで、あとは後始末です。

一連の戦争は、フランスという国が立ち現れていながら、フランスが複数の支配圏に分断されているという矛盾を、あるいは国を収めるべきフランス王と競合し、ときに凌駕してしまうような支配者が別にいるという矛盾を、最終的に解決する過程であったとも言える。フランス王の立場で言えば、外様勢力は殲滅されなければならないのである

というわけで、その粛清の歴史を経て、ようやくフランスという国が完成するというわけですね。あるいみ百年戦争よりもここからが血なまぐさい……。

①1439年 全国三部会により国王課税が認められる。

②1440年 プラグリーの乱 :国内諸侯の反乱

③1442年 ヌヴェール地方の反乱

④1465年 公益同盟戦争

エドワード4世 (イングランド王) - Wikipedia

⑤1485年 道化戦争

せっかく「アンジュー帝国」の問題から発した百年戦争が終わったのに、今度はブルゴーニュが巨大勢力になった

ブルゴーニュ公シャルルは巨大勢力を形成するだけにとどまらず、
フランス国と同様に財政や軍備についても国家を形成し、
スイス連邦やロレーヌに攻め入り続けた。

1477年 
 フランスはブルゴーニュ公シャルルが死ぬと、一気にブルゴーニュ公を征服。
 (フランドル地方のみが残り、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクとなる)

ブルゴーニュ公が始末されたので後は粛粛とと残りの勢力を片付ける

1481年 アンジュー公の領土を整理・統合
1491年 事実上の領有

これにおいて、天下統一が完成する。日本より100年早い。

フランスという既存の国が、英仏百年戦争に勝利したのではない。英仏百年戦争が、ナショナリズムを熟成させ、フランスという新たな国を誕生させたのである。

前史をふまえればわかるように、それはイギリスとフランスの戦争でも、百年の戦争でもなかった。さらに百年も昔から繰り広げてきた抗争の延長線上に位置づけられるものだった。

この本はここで終わらず、さらに「薔薇戦争」の記述や、そもそも百年戦争とは何だったのか、という総括に入るけれど、もうまとめる余力ないのでここまで。

特に百年戦争に関する年表が圧巻。

あとは自分で読んでみてくださいませ。

英仏百年戦争 (集英社新書)

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