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「チキタ★GUGU」5巻 善良な大量殺戮者ペトラス皇帝

私はこのブログのトップページに自分の好きなマンガを★5~★1で評価付していますが、このマンガは★5のマンガです。

すべての人にオススメしたいくらい好きな作品ですが、好きすぎて一から十まで全部語りたいという気持ちがあり、未だに紹介できてません。★5作品はそんなやつばっかりですね……。

「TOSS」の話を読んでこの作品を思い出す

この記事を読んで、「TOSS」や「親学」について見ています。これについては読めば読むほど地獄だなと思うのだけれど、何がいつばんつらいって、この人達、自分たちのやってることはいいことだとおもってやってるぽいところですね。

人のためにという気持ちがすごく強くある。また、実際「上手く使いこなせるならば」良い取り組みが多いと思う。だからこそここまで人を惹きつけ、広まっていくのだろうし、信者がたくさんできるし、だからこそ歯止めがきかないのでしょう。

特に「TOSS」について、疑似科学を推進する怪しい集団だとしか思っていなかったけれど、少なくとも志や取り組みの蓄積は立派なものがあったと私は感じる。

私自身以前は教師であったから、もし学校で行き詰まって、他の誰も自分を助けてくれないという状態になって心が弱っていたら……あるいは学校そのものが「TOSS」を推進していたら……果たしてこれを否定できたかというと自信がない。

そういう気持ちになった時にこの作品の「ペトラス皇帝」の話を思い出しました。

最初から最後まで善意の人であったが長年に渡って大勢の人間を殺害したペトラス皇帝とその信者たちのエピソード


大勢の人間を虐殺した、というとヒトラースターリン毛沢東ポル・ポトのような人たちがまずイメージされると思いますが、この作品に出てくるペトラス皇帝はひたすら善意の人間として描かれます。


戦禍によって荒廃した土地を救うため、寝る間も惜しまず、私財も全てなげうって、ただひたすら民の暮らしを良くするために尽くす無私の人物。それだけでなく、主に見捨てられた人間に手を差し伸べ、彼らに承認を与えます。ネトウヨでリベラルが嫌いな人たちが本当に求めているものを提供してくれる人。


まぁアレだ。異端狩りをしないモズクズ様みたいなやつですね。ブラック経営をしないワタミの渡邉さんといっても良いでしょう。本当に自分に厳しく他人には優しい。



周りの人間もみな皇帝を素晴らしい人と褒め称え、第三者である主人公たちも、その正体に気づくまでは彼を素晴らしい人格者だと信じます。というより、正体に気づいてもなお彼は、荒れた土地を救うために全力を尽くそうとした良い人間だと認めています。


しかし、結果としてこの人物とその信者は、10年に渡って気づかれぬうちに大量の人間を虐殺し続けることになります。


なぜそうなってしまったのか……それは止めることができなかったのか、というのが描かれる。



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これがチキタ★GUGUのエピソードの一つです。私はこれと「TOSS」が被って見えてとても悲しい気持ちになります。



こういう濃いエピソードがたくさんある作品で、全体として「命とは何か」ってのを問いかけてくる作品だと思ってます。

「TOSS」の話もチキタ★GUGUの話も全然し足りないので、また別途記事書きたいけど、どちらも難しいなぁ……