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とある魔術の禁書目録(旧約) 「右方のフィアンマ」について整理

「旧約とある魔術の禁書目録」について15巻以降の後半部分がごちゃごちゃしていてよくわからないなと思っていたところ、新約2巻で登場するレイヴィニアというキャラが非常にわかりやすくまとめてくれていたので自分の頭の整理のためにメモしておきます。


新約 とある魔術の禁書目録 (2) (電撃文庫)

鎌池 和馬 アスキー・メディアワークス 2011-08-10
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by ヨメレバ


旧約は「右方のフィアンマ」がfateアーサー王のように一人で「聖杯」を求めて第三次世界大戦を引き起こす物語

実質的に、右方のフィアンマがその体の中に蓄えていた特殊な力を100%解放できる状態になれば、それで世界は終わっていた。右方のフィアンマが、その右腕に宿った力を解放するための条件を整えること。全てはそのためさ。

やつはそのために恐怖で縛り付けたローマの面々を操り、ロシアと手を組み、学園都市やイギリスと争った。それが第三次世界大戦の真相だ。

彼の望みは、世界中にある不平等を正したい。キセキのような確率で偶然が重なって怒る悲劇を食い止めたい。世の中を平和にしたい。皆を幸せにしたい……と発想それ自体はさして珍しいものではなかった。

フィアンマに撮っては右腕さえ完成すればよかった。そこには世界をまるごと救う程度の力が備わっていると彼は本気で信じていたし、実際にある意味では可能だっただろうからな。明確に世界を救う力があったことで歪んだのか、他にも同じように世界を救える方法があったかもしれないのに、フィアンマにはその方法しか見えなくなっていた。

この作品では大覇星祭においてペテロの十字架を持ち込んできた「オリアナ&リドヴィア」なんかも同じような動機で行動していますね。あれはプチフィアンマといったところでしょうか。


戦争は終わった。世界は変わらなかった。相変わらず俺たちは不平等な世界にいるし、そrは平等に勝ったり負けたりする自由を与えられているってことでもある。

フィアンマの「聖杯」を起動させるための条件を考えると、旧約で必要だった要素は5点だけ

「聖なる右」は、発動さえすれば完全無欠のチート能力ではあるが、その強さは「敵の強さ」によって変わる。「第三次世界大戦」及び「それを引き起こす人の悪意」を「敵」として設定し戦争を煽ることで『世界を救えるほどの力』を引き出そうとしたわけですね。


旧約の後半の展開はすべてそのためにあったわけですが、どれがその条件だったかわかりますか?私はすぐにわからなかったので、わざわざ読み返して確認せざるを得ませんでした……



フィアンマの能力「聖なる右」は発動準備として必要な材料が3つ、そして必要な条件が2つある。

材料は

1 『幻想殺し』を持つ上条当麻の右腕を奪うこと(幻想殺しの能力を取り込む)

2 『禁書目録』の遠隔制御術式(「聖なる右」の能力を固定化させること)
 →このためにイギリスのハロウィン編が存在

3 『サーシャ=クロイツェフ』を確保する(ミーシャを堕ろさせる)

条件は

4 四大属性の歪みを是正すること

5 第三次世界大戦を引き起こすこと



というわけで、実はこれ以外は本筋から見れば重要ではない。そういう非常にシンプルなお話だったようです。まじかー。



主人公視点で見ると、学園都市サイドがフィアンマの目論見を防衛するお話

正確に言えば、学園都市サイドが科学・魔術サイド両方に仲間を増やしさらに主人公3人体制のそれぞれの主人公たちが独自に動くことで結果としてそれらが組み合わさってフィアンマの企みを潰すという展開になりますね。


こちらも、大枠だけ見たらシンプルなものですが、とにかくアホみたいにたくさん伏線を張って、一人ひとりのキャラの物語を掘り下げようとして描写が多くなり小さなイベントもクドクドと全て説明しようとするせいで、本筋だけで考えると、無駄がものすごく多いしひたすらに冗長な物語になったのかな、という感じです。



いや、もちろんこの作品の魅力はキャラクターの個性にあるので、無駄や不要な点などない、ともいえますよ。しかし普通に読んでいて、フィアンマの企みからこの物語の構造理解できましたか?私は理解が難しかったです。後半、キャラが大量に湧いて出すぎて、それぞれ何やってんのかよくわからなくて、魔術サイドとの戦いになっても学園都市内部でgdgdやってて、本当にわかりにくかった。



私は最初「フィアンマ」の強さがよくわからなくて、むしろ小物であるかのように感じてしまった……

そんなわけで、実はフィアンマはこの物語のボスとして申し分のない働きをしていたしむしろフィアンマという存在によってこの物語があった、と言っても良いと思います。しかし、鎌池さんの描き方が悪かったのか、私の読解力がお粗末すぎたのか、多分後者なんでしょうけれどフィアンマがザコボスみたいに感じてしまったんですよね。


実はフィアンマがここまで圧倒的な強さを持っていることがうまく飲み込めなかったし、この「聖なる右」という能力を発動するために暗躍していたということもよくわからなかった。そもそもフィアンマが何考えてるのかもよくわかなかったし、語りだしたと思ったら陳腐なことしか言わない。いつものような展開でそのままフィニッシュ。ただでさえ、上条以外の主人公もあちこちでチョロチョロと行動をして、そっちにものすごい熱の入った描写をしているのに対して、なんだかフィアンマ寄りの描写が少ないものだから、とにかくこの人物の凄みみたいなものがしっくり来なかったというか。「ジョジョの奇妙な冒険」において、吉良吉影についてはフィアンマよりずっと弱いけれどその「悪」に強烈な魅力を感じたものですが、このフィアンマはそれよりずっと強いのになんだかなーというか。



完全に「木を見て森を見ず」になっていたと思います。つまり個々の主人公チームたちの物語にはすごい熱が入っていてそっちばかり見ていたせいで、物語の全体像が掴みきれなかった。こうして解説してもらうことでようやく頭に入ってきた、という感じです。

アイツの目的を理解できているものは少ない。賛同者はもっと少ない。そしてフィアンマの思惑なんてどうでも良いフィアンマに協力していた連中も、敵対していた連中も、関係のない連中も、あの戦争に関わってきた人間はそれぞれの目的のために参戦していた。だからそいつらが目的を達成しない限り、戦争が終わってもらっては困るって流れが生まれ始めている。

この描写読む限りは意図的なのかもしれないけど、私はここがわかりにくかったせいで旧約の終盤にいまひとつのめり込めなかったので勘弁してください、と。




というわけで、ようやく自分の頭が整理できたので、改めて新約の続き読んでいきますー。