頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇跡

面白かったです。とはいえやたらともやもやや不完全燃焼感が強い作品だったなと。


こんな目立つ軌道エレベーターを作ってる間、学園都市から妨害されなかったことも謎だし、シャットアウラが作品終了後にどうしてるのかが描かれない理由も謎だし、そもそもレディリーは長い時間をかけてこれだけ大掛かりな仕掛けを施している割に、自分の不死についての分析がまったくなくひたすら「死にそうなこと」を繰り返してるだけというところも全然説得力を感じないので色んな意味でしんどい作品。

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素材は悪くないしストーリーも好きだけれど、大掛かりな設定の割にそれを納得させてくれるパワーが足りず消化不良に……

数年前に「フラクタル」という作品が、設定は面白かったのにアニメとして全くおもしろくなかったことを思い出しました。

前評判に反して蓋を開けてみたら大爆死になった「フラクタル」ですが、設定やストーリーは悪くないという見直しがされています。つまり東浩紀は結構仕事したんじゃないかな、と。
評価経済社会が実装された世界を描いたアニメ“フラクタル” - orangestarの雑記


それでもやっぱり私は楽しめなかったわけで、その理由はやはり演出や描写の部分にあるのではないかと思います。岡田麿里が悪かったのかヤマカンが悪かったのかまではわかりませんが。

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『フラクタル』 (FRACTALE) A-1 Pictures制作 山本寛監督 環境管理型権力からの脱出を人は夢見るのか? - 物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために

この「そうかぁ!!」と思わせるような、差異を具体的に描けないと、1000年後という極端に違う文明の中に生きている、、、なんというのかなぁ、おどろおどろ感みたいなものが演出できなくて、ファンタジー(=外に出ていくこと)としての原理がうまく働かなくなってしまうんですね。映像や設定は、かなりそれを努力しているで素晴らしいものになっているだけに、微妙に、このへんの感覚の違いの説明が、下手で、、、僕は残念に思いました。

記事の続きを読むと、実際にはこの点についてもヤマカンの人はちゃんと理解しており、この点を解決するために岡田麿里さんを脚本に置くなど、しっかり考えて作品を作られていたことが指摘されています。その上でやはり難しかった、という話になっていますね。大変興味深いです。「エンデュミオンの奇跡」にもこうした難点が感じられました。

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というか、この「微妙に納得できない感」は禁書目録シリーズ全体に言えるかなと思ってます。

禁書目録は、設定が膨大に出てきますが「言葉で説明されているだけ」で、いまひとつ実感としてしっくり来ないものがたくさんあります。そういう「説明」だけを押し付けられるように感じてしまう巻がちらほらあります。こういう巻は本当に死ぬほどつまらないです。旧約で一方通行を倒すまでの展開だとか、16巻以降だとか、新約の1~3巻、5巻あたりだとか、本当にダルいです。「ワンピースの空島編」をさらに間延びさせたような感じです。

こういうダルい状態は後の展開で活かされるので我慢して読めば報われるのですがこういう「我慢」を求められるのはなんとかならんかなーと。原作ラノベの方は「説明不足」や「描写的に物足りない」ところは後から補うことで満足に結びつけてくれますが、映画という一発ものだと厳しかったのかもしれません。


って、なんだかこの作品シリーズについて語るときはついつい辛口になってしまいがちなんですが、この作品も嫌いじゃないんですよ? どういったらよいかわからないけどモヤモヤや不完全燃焼感があって細部が気になってしまうのも、全体としては面白かったからです。どうでも良い作品だったら見終わった後記憶から消去してなにも考えませんからね。

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インデックス可愛かったよね!