理想のために人を殺せる?
あのモリアーティ教授を理想主義者として描く。それでも決して「正義」としてではなく「悪」として描く、というところが良いですね。
イギリス貴族社会は悪い文明
まぁこの時代のイギリス貴族ほど悪者として描きやすいものは珍しい。実際のところはよく知らないけど外交の二枚舌・内政における身分制度の旧弊や貧富の差の急拡大など、「ブリカス」のイメージが付きまといます。それだけイギリスが国としては無敵の強さを持って繁栄していたということでもあるわけですが。
行き過ぎた発展と腐敗は合わせ鏡のようなもの。そんな腐ったイギリスを内側から破壊していきましょう、というお話ですね。
長い間の支配ですっかり隷属者になってる人たちの目線が痛い
あれは、隷属者の目だ…いつになっても、どこへ言っても……
「地獄はもぬけの殻だ。すべての悪魔は地上にいる」(シェイクスピアの「テンペスト」)
「天使にも似た悪魔ほど人を迷わすものはない。」(ハムレット)
貴族全部が悪とは言わない。だが、あんたも向こう側の人間ってことに変わりはないからね。ウチラのような下民とは適度に距離を置いて自分の人生の役目を果たしな
犯罪をもって悪を倒し国を立て直していくという試み
命の価値は同じであるはずなのに誰しもが平等に幸せになる権利があるはずなのに、この国にはそれが無い。
人々に呪いをかける階級制度、それにより人の心は汚れ、歪み、悪魔が生まれる。
ならばその逆もしかり。「悪魔」が消え去れば、人の心は澄み渡り呪いは解ける。この国はきっと美しい。
「犯罪コンサルタント」というのは同じだけれど民のためにそれを行うというあたりは面白いですね。
教授としてのモリアーティ
今現在の貴族社会が歪んでいるとしても、果たして底に入る前の人間もそうなのか?本当に人は、生まれ持ってすべてが決まっているものなのか?
いや、そうではないはずだ!僕の教室からは歪んだタネを撒かないように……
モラン大佐との共闘
一人で踊れとはいいません。
あなたには「死」というパートナーと共に踊っていただく!
「MI6」の創設
これですね、わかるとも!
と、ここまでは、手段はともかく「正義」っぽいのだけれどここからは
強引に本来の路線に乗せてきます。
犯罪都市宣言
制度はすぐに変えられない。
でも人の心なら一瞬でだって変えることができる。人には様々な感情があり、人はそれで動く生き物なんだ。
そして、最も人を動かす物、それは死だ。
死は何よりも役に立つ。これからロンドンの市民は僕の仕立てた多くの犯罪と死を観ていくことに鳴る。
つまり犯罪によって街はステージと化し
市民は犯罪を目撃とする観客となる。そして観客に見せるべき題目は
このセカイの歪みが最も顕になるような死。。。
僕達が演出し、飾り立て、意味をもたせた死こそが
真に人々の……この国の目を覚まさせることになる