頭の上にミカンをのせる

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「君死ニタマフ事ナカレ」4巻

<評価★1 現時点ではあまりおすすめしませんが私は継続して読みます>

私が好きな作品「クロノクルセイド」「ワールドエンブリオ」の森山さんの新作であり、かつ今回は原作をヨコオタロウさんが担当。

ドラッグオンドラグーン』シリーズ、『NieR』シリーズのディレクターとして知られ、『ニーア オートマタ』ではディレクションだけでなくシナリオも担当している。

私はニーアシリーズがすごく好きで、この好きなコンビ二人の作品ならさぞや面白いのだろうと思って読んでみたのですが……。アカン……これはアカン……。それぞれの持ち味が水と油みたいになってて上手く混ざってない感じがする。


わたしはもう森山さんの作品好きだからいいとしてこの人の作品は、キャラの設定に凝りすぎる嫌いがある。

森山さんの作品は、とにかく思わせぶりな伏線をたくさん出して読者を焦らせよう焦らせようとすることと、そうやって焦らす代わりなのかどうかわからないけどやたらとエログロな描写を好むところがあると思う。あとなんか敵役を過剰にえげつなく描こうとするなあと。絵はうまいし女の子も可愛い。ストーリーも「全部読めば」面白いのだけれど、とにかく面白いなと思えるところまで負荷がかかる。イライラする。絵のうまさにだいぶ助けられてるけど、マンガとしてはかなりとっつきにくい部類の作品をあえて作ってしまってる感じがある。作品初めて読む人にはすごい不親切だと思うのね。

この作品も、4巻まで読んでもまだ「微妙」という評価。どいつもこいつも読者視点から「隠し事」をしており、「何のために戦ってる」のかが見えない。というかどいつも人格的に壊れすぎていて、隠し事がわかったところで好きになれない。4巻においてようやく「ミヤタ製薬」「白栲計画」みたいな話が出てくるが、またそれがあまり興味をそそられるかというと別に……という感じだったりする。


一方ヨコオさん視点で見ると、

話の構造的には「ニーア・オートマタ」と似たような話なんですよ。似たようなことをマンガでやろうとしてるんだなってのはわかる。細かく戦闘シーンを挟んで飽きさせないようにしてるのもわかる。多分ゲームだったらそこそこ面白いんだろうなってのは感じる。その上で、主人公二人の能力はアクションゲーム向きじゃないからマンガにする意味があるというのもわかる。でもな。そういうアクションやゲームに近い部分に特化したいなら、キャラの性格は凝りすぎててテンポが悪いので邪魔だし、キャラに特化するにしてはキャラの魅力が微妙。。。


どうしても、マンガの作り方として上手く行ってないような気がする。いやこれほんとどうするんだろう。




とりあえず4巻まで来てようやくひとまとまりで読んだら作品として形を成す状態になったのでここで紹介しますが、今の時点ではあまりオススメはできません。これから面白くなったらまた取り上げたいと思います。




いろいろ文句ばっかりなのですが、主人公の「クロイ」くんと「マシロ」の関係だけは結構好きです。

この作品では、クロイくん以外の人間はみな超能力者で、クロイくんだけが能力を持たない。しかし彼にとって唯一「○が○○○○」存在であるマシロを追いかけて、能力者のふりをして学園に乗り込む。クロイくんは人格が壊れた化物で、平気で人を殺したりしますが、マシロのことだけは本当に真摯に守ろうとするんですね。

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この「化物と人間の恋」や「唯一無二の関係性」へのこだわり、大切な人を守るためにそれ以外のすべてを天秤にかける、という「fate」の間桐桜ルートのような命題は森山さんの持ち味であり、私が森山さんの作品を好きなところでもあります。この要素が生きている限り、少なくとも私にとっては読む価値はあります。

願わくば、ここからお話が持ち直して、心の底からオススメな作品になってくれますことを