「ひぐらしのなく頃に」アニメが、出題編・回答編合わせて全話無料で放送されてますね。
私はゲームだけプレイしておりアニメのほうは初見なのと、10周年ということで久々に見ていると細部ではかなり忘れてるところあって新鮮な気持ちで楽しめました。やはり今からするとキャラの「萌え」描写などが古くてイタいところなども少々あります。また原作と比べると音楽演出に関する不満や、原作の熱いシーンが大幅にカットされていたりして寂しいと感じる部分もありますが、それでも今見ても十分すぎるほど面白いです。
特に「綿流し編」についてはどこからが詩音でどこからが魅音なのか、という点をすっかり忘れていました。圭一視点では入れ替わりのタイミングがあまりにさりげなさすぎてわからなかったです。
名言「ウッディ」は13話でした!。
さて、ちょうど私はいま「うみねこのなく頃に」の「出題編」の事件について振り返りをやっています。出題編での事件については、解答編EP7で軽く触れられるものの細部までは触れられていません。ですので、犯人の真相を知った上でも自分で組み立て直さないとわかりにくいと思います。もし私以外にも当時わかりにくかった、という人がいたら是非参考にしてください。
改めて思いますが、EP1以外は「単体での推理」はほとんど不可能だと思います。(EP1およびEP2は部分的には推理可能だと思います)
EP3、EP4は難易度が厳しすぎるかなと。 普通の人はEP6までいってようやく理解できる、というところでしょう。EP7のウィルの話を聞いても、私のようにボンクラだといちいち自分で組み立て直さないと理解できません。
さらに、この作品にとって最重要である「真犯人の動機」についてですが、原作EP8でもなおわかりにくい、という声が多く、マンガ版のEP8版で犯人の「告白」を経てようやく話の全貌が理解され、はじめて「この作品すげえ!」ってなったという人も多いんじゃないでしょうか。
「うみねこのなく頃に」の振り返り 真犯人視点での時系列整理 - この夜が明けるまであと百万の祈り
「EVE burst error」が好きな私が、今更「うみねこのなく頃に」すげえってなってる - この夜が明けるまであと百万の祈り
しかし、実はうみねこシリーズは「ひぐらしのなく頃に」と共通している点が多いです。このため「連想」することはできるようになっているような気がします。推理のきっかけになりそうな共通項をいくつか。
他にもいろいろあると思いますん。気が向いたら補足してみようかなと。
ルールXYZの存在
ルールX 「雛見沢症候群」
特定されないランダムな人物が、疑心暗鬼に取り憑かれ、凶行に誘われる。
雛見沢症候群の典型的なパターンで、発症要因は主に大石・鷹野・魅音。
これらのキャラが圭一達に吹き込む情報(偽情報含む)によってキャラが疑心暗鬼になって雛見沢症候群を発症する。
ルールY 「何者かの強い意志」(ラムダデルタ)
偶然とかは関係なく、富竹と鷹野が「必ず」死ぬ事柄(鷹野の場合は偽装で表舞台から消える目的)
必ず発生する出来事は誰かの強い意志が働いている。
作中では主に鷹野の意思だが、過去の事柄でも全ての世界で発生している事は何者かの強い意志が働いている事を示唆している
(沙都子の母の死体が見つからない事や双子の入れ替わりが必ず発生している事等)
ルールZ 「雛見沢に根付く惨劇を容認する土壌」
村で発生する惨劇や腐った風習を容認する空気。狭い意味では「園崎ブラフ」でルールZやルールYを作り出す土壌となっている。・何事も園崎家の陰謀であると思われる事。
・何事も祟りであると解釈される事。
・綿流しの夜に人が死んでも不思議だと思われない事。
・鬼ヶ淵と呼ばれる以前からあった雛見沢暗黒史。
・老人たちから子供たちに広まるオヤシロ様の祟りの話。
・ダム戦争時の確執。村と北条家との溝。
・5年目を迎える連続殺人&失踪事件。等で構成されている。
これらは相互補完的であり、すべてを解決しないと、一度対応した他の要素も復活する、
うみねこにもXYZがあります。
ルールX:共犯がその度に変わる。金に困る親族の買収は容易(密室殺人)
ルールY:場の全員が共有する嘘は現実として描写される。また、黄金の蝶は「共犯者」「死者」「30分以内に死亡する非買収者」だけが観測可能。(黄金の真実)
ルールZ:誰か私を止めて下さい(碑文の謎と爆弾)
単にルールXYZというだけなら他でもあると思いますが、基本的にこのXYZが結構両者の間で似ているんですよね。EPISODE1でベルンカステルからヒントを出されるように「ルール」の存在を前提に取り組む、ということを考えると特に「ルールX」が非常に推理しやすいかと思います。
ちなみにこの「ルールXYZ」はシナリオを作る側にも便利であるようで、自分たちでもルールXYZを元にシナリオが作れるボードゲームアリます。この惨劇ROOPERXはとても面白いので一度リプレイ動画を観てほしいです。
祟殺し編における口裏合わせ=黄金の真実
うみねこ推理において最も重要な共通項は、共犯の嘘による偽アリバイ作り。ひぐらしでは祟殺し編で猛威を振るった。ひぐらしについて、解決編でもあまり説明されていなかった話ですね。
主人公が祭りに参加していたことや、叔父が生きていたことになっていたのは、みんなが主人公の犯罪を察してかばうためについた嘘。圭一の察しが悪すぎたせいでホラーみたいになっているが、すごい単純な話。
これと発症してしまった沙都子がみた幻覚の供述と山狗部隊が死体を掘り返して別の場所に埋めた事実が重なって、圭一視点では本当に死体が生き返って消失したようになっている。(部活のメンバーが「宝探し」で掘り返して移動したという説もあるけど、魅音がマークされている以上考えにくい)
この形で「ありえない」が起きるメカニズムがうみねこの核であり、うみねこにおいて起きていた死体消失トリックや密室の謎は大半がこの形式で形成されている。
祟殺し編の死体消失は解決編でも解説されないため見落としていた人多かったと思いますが、この仕組みについて印象に強く持ちながらプレイしたら、うみねこの序盤は結構わかったかもしれない。。。悔しい!
ヤンデレ詩音とうみねこの真犯人
ぶっちゃけ、うみねこの真犯人は常時LV5発症状態の詩音みたいなもんですよね。詩音も、悟史くんのこと好きだったけど待ちきれない間にちょっと圭一くんにグラっときてます。この揺れ動いてる中でスイッチが入ってしまう展開も、覚えておくとヒントになりかねませんね。
目明し編の詩音の心理については正確に追いかけるのは難しいですが、ここをつかめていたら真犯人のありえないような
焼死体はすでに死んでいる別の死体
鷹野は常に焼死体で見つかるが、これは「死亡時刻」をごまかすためであり、当然違う死体である。同様に常に焼死体で見つかる金蔵はすでに死んでいると考えられる。
もっとも、特に情報がなくても、金蔵が死んでいるのは簡単に想像できるとは思う。ただ、ギミックが実は一緒で結構ガバガバなんですねこの辺り。この辺り確定させてから攻める手もあったなあ、と今更思ったりしてます。
雛見沢症候群=「見えているものが歪められている」という発想
・ひぐらしの難易度を極端に跳ね上げているのは、「主人公を通してプレイヤーが見せられるものは雛見沢症候群による幻覚である」っていう反則技でした。これにより、得られる情報が制限されるどころか、嘘情報をたくさん流されるのがツライ。
しかし、逆に言えば、この「嘘情報による撹乱」というのを一度体験しておくことで、いきなり「うみねこ」の嘘情報に接するよりは思考の誘導に対する耐性がつくというものです。
ひぐらしの世界において圭一たちが記憶はないものの別世界の体験をすこしずつ蓄積して成長していったのと同様に、私達もこういうところで成長してみせないと、ですね。
「黄金の魔法」と「ひぐらしのルールZ」
成り立ちは非常によく似ていますよね。というより、これは竜騎士07さんのメインテーマなのかもしれませんですね。
ただ、これについてはへたにひぐらしを体験していると「黄金の魔法」=「悪」という考えになってしまって、出題編における戦人のように、まともに向き合わず否定するだけの態度になってしまってベアトを失望させてしまうかもしれません。
「真犯人+EPごとにかわる犯人」という構図について
これも結構大事。
ひぐらしにおける「鷹野が山猫を買収している(さらに鷹野の上には派閥争いがある)」という構造は
うみねこでも「真犯人が共犯者を買収している」という構図につながりますし
そこから「なぜ真犯人は共犯者を買収できるのか」という推理が可能になります。
竜騎士07作品の場合、「出題編での大人はクズ」という原則がある(のかな?)
さらに「共犯」の存在を考えた時、竜騎士07作品においては
基本的に子供ではなく大人がクズ、という思考を持っていると考えやすいですね(笑)
「~音」とつくキャラは入れ替わりの可能性がある。
・詩音と魅音の入れ替わりトリックから紗音嘉音の関係を疑うことができるかもしれません。
・さらにいうと、詩音魅音の出生の秘密は、「戦人」の秘密にも関わります。まぁこちらは作品中では必須事項ではないですが。