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「統合政府純債務対GDP比」を持ち出してきて日本財政は健全化したという話について

個人的にはどうしてもこの話しっくりこないんですよね。

これについては私がアホだからだと思うので、わかってない私をアホにするのは全然構いません。

ただ、私がアホだというのであれば、アホの私にでも日本の財政は本当に健全なのだと納得させてほしい。

現時点で数字的には日本の財政が健全であることは同意するし、前提条件がこの先も変わらないなら日本の財政は健全だということにも同意する

2016.4.1.,アフロさんによる日本の統合政府純債務改善状況のまとめ - Togetterまとめ
「財政再建は終わりました」財政に関する考えのまとめ - Togetterまとめ

この記事の言ってることは半分正しいと思う。

具体的に言えば

①経常黒字が維持されること
GDP成長率が名目インフレ率を越えていること
③日本国債が日本人の中だけで消化されるかあるいは外国人が売らないことによって、国債の利回りが上昇しないこと

確かに日本はこの3つの条件を満たしている限り絶対に破綻はしないでしょう。 「日本の財政が信頼されている」のであれば問題ないと思う。

日本は今まで「自国通貨建ての国債」を持ち、かつ「自国独自の財政政策」を取れるからこの方式が可能だったということもわかる。



逆に言うと、前提条件が変わった瞬間破綻のリスクが有りますよね?

逆に言うと、この3つの条件が満たせなくなった瞬間に、統合政府純債務対比GDP比という考え方自体が無効になるのではないかと私は危惧しています。

①日本国債を国内だけで消化できなくなって
 (すでにそうなっており、外国人購入比率が高まってきていますよね)

国債の利回りの上昇が抑えきれなくなったら
 (今は日銀が国債買い入れを継続することで無理やり維持していますが、これは限界がありますしすでにイールドカーブのスティープ化の危険が何度か言及されてますよね)

それ以上の国債買い入れ死亡フラグになるのではないかと思います。「これ以上国債を発行すると」「そもそも政府が日銀から借金できなくなった」時点で一気に国家財政への信頼性が崩壊しますよね。 ずっとこの方式を続けていたら国そのものが突然死することもアリ得るんじゃないですか?


「日本の財政が信頼されている=国債利回りは上がらない」という前提条件の継続性への疑義

①経常黒字は本当に維持できるんですか?
具体的に言うと、日本の財政の健全性の砦は「経常黒字」ですよね。

しかし、今後アメリカやヨーロッパの経済が軟化し、その影響で日本の実体経済も衰え
経常収支が赤字になるようなことが2~3年続いたら日本の信頼性は大きく揺らぎますよね。


GDP成長率がインフレ率を下回ったらどうなりますか?
GDP成長率が、名目インフレ率を上回れなくなったら、実質的に国力衰えていきますよね。

実際に日本ってほぼそういう状態で、本来だったら緩やかに国債利回りが上昇してもおかしくないところですよね。
それを無理やり「日銀の国債買い入れ」で支えてる状態ですよね。

③日銀の国債買い入れが鈍化したら(テーパリング)しても国債利回りは維持されますか?海外の投資家はそれでも日本国債を買いますか?


これらについて、上の人たちは全然説明してくれてないと思うので、ここを説明してほしいです。





財政の健全性の土台と成る「統合政府の資産」は、不況になったら半額くらいになりますよね?


これは債務対GDP比とは関係ないのですが、
統合政府の財政の信頼性の一つとして、資産も900兆円位ありますよって話がされますが、この内360兆円くらいは社債や株などの有価証券ですよね。

今ってアベノミクスの影響でかなり割高に買われている印象ですが、いざピンチになった時に同じ価格で売れるんでしょうか?

もっといえば政府がこの規模で売り出した時にストップ安にならない銘柄などアルのでしょうか。東証の1日の売買代金って2~3兆円くらいですよ?



アメリカでさえ国債は無限に刷ることなどできなかった。 経済が好調なうちにある程度出口戦略は必要

国債って無限に刷れるわけじゃない。

戦争中、日本やアメリカがそれぞれ自国民に国債を買わせようとどれだけ必死のプロパガンダを行ったのか知ってるはずです。

父親たちの星条旗」はまさにそういう映画でした。


短期的に財政健全化すること自体はたしかです。 

上で述べたように「現時点で」財政再建化が出来たという主張を否定するつもりはありません。

でも、そのために積み上げた国債、いつまでもそのままにしておけませんよね。

財政が健全化したなら、やっぱり減らせる時に減らしていかないと行けないんですよ。

国債を積みすぎた状態で信頼がちょっとでも陰ってしまったら突然死の危険がある。

引き受け手がいなかったら国債利回りは高くなり、それでも引き受け手がいなければ国家はデフォルトする。

いつまでも頼って良いものではないし、いつまでも国債残高を積み増すことは出来ません。


というか、日本とは前提条件が違うので、直接比較するつもりはありませんが、
財政破綻した国家って、破綻する前に一時的に対GDP比政府債務って回復してるんですよね。
アルゼンチンも、アイルランドも、です。




前提条件が都合が良すぎるのは「リーマンショック」の元凶であったCDOなどの説明のときと同じ感じがする

「資産が高く評価されて買われている限りにおいては」=日本が経常黒字である限りは、順調に回る。

そして「大手保険がMDSやCDOなどの金融商品のリスクを引き受けられるとみんなが信じている限りは」=日銀が国債を引き受けられる限りは投げ売りなんて誰もしない。

「だからどんどんCDOを発行しよう」=だからどんどん国債を発行しよう

ああ、なんというか、本当にリーマンショックのときと同じ原理だ。

「逆回転」した時のことを全然考えてない。 いつまでもそれがうまくいくと思っている。

それでも、結局弾けなかったバブルはないし、リーマンのときは金融と経済の実態が乖離しすぎた結果、実体経済も巻き込んで崩壊しましたよね。


こういう挑発的なことを言われてますが、「今の状態」が破綻寸前なんて誰も言ってない。CDSが上がるわけじゃないですか。

CDSが上がり始める段階から文句いってももう間に合わないから今の段階から気にしてるわけで何を言ってんだこの人は、としか思いませんね。

リーマンのときだって、実質的にはもう破綻が約束されていた2004年の頃からCDS買ってたら破産しますよね。

2004年の段階で、少なくともバーリには破綻するのは見えていた。それでも経済は2年以上成長し続け、さらに1年間粘ってから破綻した。

日本の国債に関しては、世界恐慌が起きない限り、最低でも10年くらいは大丈夫だろうとは思います。

でも、今の状態が健全であり、何の問題もない、などと主張するのはどうかと思うし、その根拠としてCDSが上がってないから、なんて言うのはアホとしか言いようがない



それでもなお、私は緊縮には反対だし、GDP成長率を上げなければいけないと思っています。

何度もいいますが、私は現時点で日本財政が健全化している状態であるということに異論はありません。

不健全な方法ではありますが、とにかく今の日本財政の状態は悪くありません。

なので、この状態で増税を主張するのはお門違いだと思う。



ただし、このまま国債発行頼りを続けるのは長期的にやばい。ずっと続けて問題ないなんて話はない、っていいたいだけです。

なので、残された時間はそれほど長くないと考えて、もっと積極的にGDP成長率を上げる施策を行うべきだと思う。


この際に、国債利回りは日銀が無理やり上昇を抑えていて上がらないので、
長期金利が上がらない状態で、インフレを達成する」ことが日本に求められているのだけれど



もうそのためには、給料上げていくしか無いだろうと思う。
日本はアイルランドやアルゼンチンと違って、民間の内部留保額は高いです。
別に共産党みたいに内部留保は不当な利得だとか全部現金で溜め込んでるみたいな主張をするつもりはないですが、
どこかの時点でこれ市場に回る形で出していかないと、日本の実体経済が活性化することはないと思うんですよね……。
今のところ、配当金や自社株買いなどの資本政策に用いられちゃってますが、これだと投資家しか潤わないからね……。