この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです

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ビジネスグランドワークスの研修における自殺者問題は「フォード・ピント問題」として認識すべき

ゼリア新薬の22歳男性「ある種異様な」新人研修受け自殺 両親が提訴

ブラック企業とかビジネスグランドワークスの研修で人が死んだとかいう話を聞くたびに思うんですが、

ノルマが厳しいとか、研修がキツいとかそういうのは百歩譲っていいとしても

その際に「安全」が確保されていないのは本当にやばい。

「一定数の脱落者が出ることが前提」のハードルをもうけてるのに

それに対して十分なフォローができないどころか、脱落するやつは軟弱者だ、自業自得だ、それについて私たちはなんの責任もないって論理が許されるのは絶対に駄目でしょう。

研修中の事故には重い責任が課せられるべきだし、まして研修会社にはゼリア新薬工業から大量の違約金請求をしなければなならない、というのがルールになるべきです。

そうしない限り、社内教育なら採用コストはあるでしょうが、外注で研修をやる企業からしたら、全くノーリスクです。

リスクもコストもかからないなら、「厳しくやればやってひたすらに効果を追求する」ことが当たり前になります。 

「乗客の乗り心地や事故のことを意識しないでひたすらに高速の飛行機を開発しよう」みたいな話です。あきらかに研修会社におけるインセンティブ構造が壊れています。

だからさんざん問題視されているのに「ひたすらしごいて意識改革」みたいな非人間的な研修がおきるんです。


そういう意識なら、早かれ遅かれ、絶対に事故は起きるし、それによって人が死んだり取り返しのつかない傷を負ったりするのは当然でしょう。



人の命が安く見積もられすぎた「フォード・ピント」問題

科学者技術者の倫理問題として真っ先に上げられる有名なお話ですが、今回の件はまずこの件について考えるべきだと思います。

技術者倫理エピソード:「簡単な保険数理さ」

ピントはその時点で適用される全ての連邦安全基準に合格していたが、数年後に発行する新基準に合格しないことを技術者たちは知っていた。実際、新たに定められた時速20マイル(32km/h)試験では、12回の後部衝突のうち11回が不合格で、衝突によりガソリンタンクが破裂し、車体は炎上した。フォード社は、タンクにゴム製シートを装着したり、タンクを後部車軸の後ろから上部に移動して衝撃テストを行った結果、両方とも試験に合格した。しかしこれら改善には、1台あたり11$が必要であった。

フォード社は設計改善費用がその社会的利益を上回ると判断し、そのまま販売を続けた。1972年、追突されたピントが発火・炎上、運転手が死亡し同乗者が大火傷を負った。この事故をめぐる製造者責任訴訟で、フォード社はガソリンタンク炎上の危険性を知りながら、経済的収支計算結果に基づき販売を続けたという事実が、退職技術者らによって暴露された。このため陪審は、現実の損害賠償350万$に1億2500万$の懲罰的損害賠償を命じた。しかしこれはあまりに高額であったため、後に裁判所は350万$に減額した。

ビジネスグランドワークスに関しても、明らかに「危険があることを承知の上で厳しい研修」を行っていると考えられます。体調不良者が何名もでているのはこの研修だけではなかったはずです。しかもそういう人たちに対して十分なケアをしていると思われる記述はアリませんでした。

エアバックメーカーのタカタはリコールで潰されましたよね。そして、それは必要なことかもしれません。本当はここまでやる前に企業が対応スべきだとおもいますが。

企業の「教育」や「研修」においても、どれだけ厳しくしようがかまわないけれど「人命」や「従業員の精神」についてはもっと重い責任を課されるべきでしょう。

今はあまりに責任が軽すぎる。事件が起きてから賠償が起きても対して問題にもならない。

社会的な制裁もそんなに受けていないような気がします。

その結果、「簡単な費用便益」によって、人間はすりつぶされ、使い捨てられていく。





ちなみに、ピント問題には「通説」に対してこういう意見もあるので参考までに。
Daily Life:フォードピントの「内部メモ」は技術者倫理教育でどう語られているか
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/217756/1/jee_13_1.pdf



新入社員に罵倒されたり、人格を完全否定されたりするような研修をうけさせることは、深刻なパワーハラスメントではないか

私は転職して2社目の会社に入った時にこういう研修を受けさせられて本当に吐き気がしました。

そういう研修を受けさせて、一方で「我が社はパワハラを許しません」みたいなこと言っても、初手でもう企業文化分かっちゃってるじゃないですか。

ああ、この先会社でも仕事ができなかったらこういうパワハラに耐えていかないといけないんだな……って最初に刷り込むのマジで狂ってるよ。

そして、実際に会社ではパワハラが横行しており、女性社員は私のフロアには一人もいませんでした。

「こういう研修受けさせないと採用できないようなクズばかりなんだからしょうがないだろう」って話なのかもしれないけれど冗談じゃないよ……。




安全配慮義務が欠如していることが一番やばい

ビジネスグランドワークスの件について思うこと

直接の原因が研修なのかどうなのかは議論の余地があるとしても

「この研修が原因で死んでしまった可能性がある」

「心を大いに傷つけることを研修でやっている」

ことに対して、ビジネスグランドワークス側が言えることは「それはウチの責任じゃない」しかないってのが一番やばい。


いや、「厳しい思いはさせてますが、心に傷を負わないようにフォローしています」とか

「休憩時間には担当者が心のケアを行っています」とかそういうことは一切言わない。

「宿泊施設にほぼ拘束され、6時間の睡眠も確保できないような長時間研修を受けていた」

宮﨑代表は「いつまで天狗やっている」「バカヤロー」等の言葉はあったと認めたが、それは「本人に気付いてもらうため」だと説明。
研修中に泣き出す人もいるという点については、「暗記したものを時間内に発表する審査があり、その審査に合格し、感激して泣き出す人はいます」とした。

実際は、「催眠」の常套手段のように積極的に体調を悪くする環境を強制しており、
また、泣き出した人間についても「こいつは感動して泣いているんだ」と曲解、
罵倒や人格否定についても合理化を行っていることから、とうてい心のケアなど考えていません。

むしろズタズタにこころを傷つけることが目的でしょう。



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研修会社には「体調不良を訴えたものへのケア」などを義務付け、それに違反して事故が起きた場合には重い責任を負わせるようにすべき

こういう会社はもはや同じ人間と思って、反省や改善を期待することはできないと思います。

粛粛と法律に寄って対応すべきだと思います。