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「王様の仕立て屋~サルトリア・ナポレターナ~」13巻あるいはコロプラ訴訟についての話

私はいままでにブログで300以上のマンガ作品について適当に独り言を書いていますが、そんなわたしが今連載中のマンガの中では現在一番好きな作品なにって聞かれたらこの「王様の仕立て屋」になります。
おすすめマンガランキングであまり見かけないのであまり読まれてないのかな……打ち切りになったら嫌だな、などと余計な心配をしたこともありましたが、第一期32巻、第二期13巻、第三期5巻、と50冊目を越え、売上も1巻あたりコンスタントに10万部ほど売り上げているとのことで読者はたくさんいるようです。

人間関係の積み重ねは有るものの、基本的な話の流れは決まっているため、どこからでも読むことが出来ます。

①それなりの社会的地位や人生のバックボーンを持つお客さんが仕立て屋である主人公のところにやってきて
②主人公に仕事や人生の悩みを打ち明けた後オーダーメイドの服を発注し
③仕立てられた服を来て自信を得ることで、立ちふさがる問題を乗り越えてめでたしめでたし

この作品本当に好きで、是非他の方にも読んで欲しいのだけれど、自分もあまり過去どういう話があったとか覚えてなかったりするので、また読み返してご紹介していければなぁとか思ってます。去年は「金田一少年の事件簿」全60冊以上のまとめをしたので今年はこれのまとめを作りたいと思ろうかなとかも思うのだけれど、なんせ1冊あたりの密度が非常に濃く、読み返すだけでも大変……。

と、まぁそんな話は置いといて、「コロプラ任天堂の間の争い」を見て、この第二期の13巻を思い出しました。


13巻では、あるカジュアル服ブランド・メーカーが、その時のレディス用に発表したフランネルシャツの柄に「タータンチェック」の柄を使ったところ
とある貴族より、そのタータン格子のデザインが氏族の意匠を剽窃したものである、という訴えがなされ、差し止め請求を出されてしまう。

これについて、ブランドは発売前だったこともあり、損害を覚悟の上で直ちに公式ページに謝罪文を発表の上、発売を停止すると決定。

同じ世界で情報を共有して生きている以上。発想が似通うことは珍しくないわ。
でも、剽窃の意思がなかったとしても、それを証明して納得してもらうことが不可能な以上、後発は遠慮する。それがブランドのプライドよ

ところが、その後、貴族側よりとある課題をだされ、それをクリアすれば商品として認める、と言われたため
ブランドは宣伝は自粛したものの、生地の生産中止という決断をせず、出荷の準備を整えつつ課題に挑む。
そして実際にその課題をクリアして許可をもらったことにより、胸を張って宣伝を開始し、出荷も開始した。


しかし、この後、同じ貴族の別の人間が同じように訴えを起こし、また差し止めを請求してくる。
これは流石にブランド側も受け入れられない

お待ち下さい。発売前ならまだ当社も身を切る選択が出来ました。
しかし、発売して宣伝を始め、追加発注をした今、中止などしたら大損害です。
一度お許しを下さりながら、今になっての撤回は無理無体……

そりゃそうだよね。さすがにもはや引くに引けない状態になってからの訴えはえげつない。
これを認めてしまうと会社が一発で傾いてしまう。

ここまできたら中止はありえないわ。ここで退いたら大損害よ!
何が何でもまかりならんというのなら、最初から認めないでほしかった!
すでに工場で大量生産に入っていたから中断もままならない。
このタータンを使いこなしてみせることでようやく現当主のご理解を頂けたんじゃない。
チャンスがもらえるならクリアしたくなるじゃないかーーーー!!

しかし、そもそもが、既存の意匠に関する調査が不十分だったことから突っぱねることは難しい。
「どうすればいいんやー!!?」という展開になります。


まぁコロプラの場合とはちょっと違うけれど、やっぱりこういう話って結構あるんだね、と。
コロプラも、このブランドと同じように、もう引くに引けなくなってるんじゃないかなぁと思いますね。
コロプラはどうなるかわかりませんが、この作品ではうまく問題を解決しているので興味が有る方は是非読んでみてください。


王様の仕立て屋 13 ~サルトリア・ナポレターナ~ (ヤングジャンプコミックス)

大河原 遁 集英社 2016-04-19
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おまけ コロプラがどのくらい引くに引けない状況になってるかというお話

コロプラはたくさんのゲームをリリースしていますが、
http://applion.jp/iphone/developer/376314072/

決算説明会資料 | IRライブラリ | IR情報 | 株式会社コロプラ
決算資料からは「白猫プロジェクト」から「ドラゴンプロジェクト」への世代交代はうまく行かずアニメ化までした「バトルガールハイスクール」も全然振るわなかったことがわかります。
そもそもめっちゃくちゃ面白いというわけではないけれど、鬼のように大量のイベントやキャラ投入、仕様の追加追加追加で人気を維持してきた作品なので、今更同系統のゲームで白猫より面白くなるかというと難しいと思います。

結局のところ売上的には「白猫」が4割以上、「黒猫」が2割強。「白猫テニス」が1.5割という感じで白猫たよりです。
f:id:tyoshiki:20180113151423j:plain
もし白猫などの「プニこん」関連がダメになると、売上520億の半分以上、270億くらい吹っ飛びますね。 白猫だけでも年200億の売上がいきなり消滅します。


もしそうならなかったとしても、ゲーム差し止めの可能性がある訴訟が長引いてしまうと「課金控え」が発生しますから売上が計画より大きく落ちることになるでしょう。

白猫プロジェクト - iPhone & iPad アプリランキング [$$308413110]
http://applion.jp/iphone/app/895687962/
すでに白猫プロジェクトの方売上が100位圏外になっているようです。(去年は3位~7位の常連でした)

白猫テニス - iPhone & iPad アプリランキング [$$308413110]
http://applion.jp/iphone/app/1062497483/
白猫テニスもぷにコン使用とはっきり書いてあるから、訴訟で負けたらこっちも何かしら影響有るでしょう。


コロプラはここ1年間から白猫プロジェクトの売上が急激に失速しており、
ここ数ヶ月で大量に広告宣伝費を投入することでようやく客足が戻ってきたところだったのに
そのタイミングで訴訟があったことでせっかく戻ってきたファンがまた離れていくことになっており
別にそれを狙ったとか言うつもりはないけれど、えげつないですね。


ちなみに任天堂の訴訟額は44億+遅延金とのことですが、
ぷにコン特許が任天堂の特許を侵害した額が44億で、その他がライセンス料+遅延金だったらかなり地獄。
特許ライセンス額がは売上に対するロイヤリティという形割ということになるため、
2014年に投入されて900億以上の売上を叩き出してきた白猫プロジェクトの1割としてもさらに90億上乗せになりますね……。
このあたり、結構気になるところです。


今までは営業利益率3割以上、純資産700億もあったんだね……

コロプラは1200人ほどの社員がおり、広告費を除く人件費・固定費が年間140億程度あります。
20億程度は削減できるとしても、250億以下の売上で120億の固定費。

・ゲーム運営に附随する変動費(去年は25%程度を負担)も考えると
・広告費(2017年度は50億円以上)
・新しいゲームを開発(開発費・外注費などで20億以上)

うん、確実に会社が吹っ飛ぶね。

いきなり起死回生で新作が大ヒットしない限りはリストラ不可避だと思います。

まぁ純資産が700億もあり、すでに株価も時価総額1300億以下まで下がってきているので
会社が潰れるとか、株価がさらに半額まで、ということは無いでしょう。

しかし、上でも述べたように、
コロプラの最大の問題点はミクシィほどではないにせよ「白猫プロジェクト」依存が高すぎて、
次の事業の柱となるヒット作が出せる見込みがまったく見えてこないということです。
白猫プロジェクト」がなくなったら、会社のビジネス前提そのものが崩壊してしまいます。


ソシャゲー会社って、一発当てれば本当に夢があるけどやっぱりなんか好きになれんわ……。

ここは白猫以降どのゲームも微妙なのばっかりで迷走している感が強かったので、
いっそのこと出直しということで儲けたお金でVR技術とかを頑張っていただければいいのに。。。