この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです

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「ゾーニングが必要」という言葉について

マルクスさんが描いているマンガがまたひどかったのでもう一回だけツッコミを入れておきます。
これからいちいちチェックしていくような価値があるものでもないと思うし、今後も彼の周りの人たちに何かを期待することもできないので、今回を最後にしてもう自分の方で見えないように「フィルタリング」することにします。*1

今回のマルクスさんの漫画は「ゾーニング」について雑な話をしている

ゾーニングが必要だよね」というよりは「こんなにわかりやすいことを言ってるのに顔を真っ赤にして反論する人」を揶揄するような内容です。

んで、どういうゾーニングが必要かと聞かれたらこういう答えを書いている。

これを読んだ私の感想は、あ、「この人自分が描いていることのおかしさが全く理解できてないな。マジで描いているな」ってことです。

マルクスさんは言うに及ばず、1コマ目と3コマ目が同じに見える人は真剣に脳の病院に行くことをお勧めします。


ツッコミポイントその1:ゾーニングという言葉の使い方が乱暴

ゾーニング」って言葉はそんなに難しい言葉じゃないと思うんだけれど、マルクスさんみたいに自分の欺瞞を覆い隠す魔法の言葉みたに使う人結構いますよね。「ゾーニングが必要だ」という言葉がどういう意味をもつのかわかってない。

ゾーニングが必要だ」は何も語っていないのと同じです。「漠然とした望みのイメージ」の話だけをしていて具体性が全くありません。それを誰がやるのか、責任主体はだれか、という点をまだしてないわけですね。このままだとおまじないに過ぎないわけです。「5000兆円欲しい!」と同じレベルです。この言葉に賛成するかどうかで踏み絵やろうとするアホのひとたくさんいますけど、別に「ゾーニングは必要だよね」って言葉に同意しただけでその後自分の要求が無制限に通るわけじゃないんだよね。これは話のスタートラインにすぎません。

ベジタリアンの例えは、2コマ目までは同意するとしても、2コマ目までの内容で言えるのはせいぜい「フィルタリング機能があったらいいな」とか「見たくない人向けの選択肢があったらいいな」「無理やり読まされることを強制されたくないな」というレベルまでで、そのレベルならすでに実現してきている。これに対して、「コンビニの成人向け雑誌やエロ広告や公共の場の性的展示物、性暴力を連想させる全年齢向けの作品等」でゾーニングが必要、というのは、「自分に薦めないでください」以上の意味を持っているわけです。

いろんな人たちに行動を求める必要がありますし、それ以上の説得力が求められます。この点については、この4コマ漫画では何の説明もしてません。前回もそうでしたけど、マルクスさんは「説明が全然足りてないのに、分かったつもりになってる」んですね。これで人が動くと思ってる。

その結果が4コマ目です。マルクスさんは2コマ目の時点で「あらゆるゾーニングに対する説明」ができているつもりなので、「自分の理想が通らない」=「ゾーニングそのものに反対している人が邪魔をしている」=「反対している人は簡単な道理も理解できない自分勝手な人たちだ」という描き方をしています。

前の記事でも言葉がきつすぎるとたしなめられましたが、やっぱりこうとしか言いようがないので言いますと「あほかこいつは」。




なんだよそのフットインザドアテクニック。
マルクスさんが「夜中に自分が寝ている間に勝手にやってくれる小人さん」を妄想しているのでないのなら、自分がいかに図々しいことを言っているかわかると思うんですよ。2コマ目までの控えめな印象が一転して、自分の外側の人間にはいきなりこの態度になるんだなってのが分かって面白いです。



これはマルクスさんに限った話じゃなくて、「ゾーニングが必要」って言葉を何も考えずに使ってる人みんなに言えるところです。それ「議論のスタート地点に立ちます」の宣言だけしかしてないのに何か意味のある活動をしてるつもりになってるだけですよ。

そうじゃないんですよ。よく考えて。

マルクスさんは「今すでに実現している状況=2コマ目よりさらに進んだ形でゾーニングが実現してほしい」わけでしょ。それにも拘わらず、マルクスさん本人は自分は何もしないで「ゾーニングが必要だなぁ」って言ってるだけでしょ?ということは、「自分でない誰かに何かをしてもらう必要がある」わけでしょ?

だったら。

「相手がそういうゾーニングを実施するべき理由、したくなるようなお話」を描かないとダメじゃないでしょうか。ここを「私が望んでいるのだからやって当然」「やらないのはおかしい」って発想で寄ってこられたら、私だったらそれが必要だと思っててもやりたくなくなりますよ。

マルクスさんは、前回も「男性がフェミニズムになるべき理由」ってタイトルで自分の話しかしてませんでしたけど、本気で言ってるならちょっと考え方を変えた方がいいと思う。自分が何かをするつもりなら「自分の話」をすればいいけど、相手に何かをしてもらいたいのに、相手の事情をまったく考慮してないで自分の話ばっかり描いているだけではうまくいくわけないですよね。

分かりますよね。それとも、こういうことに全く思考が及んでませんか?自分の望みを念仏のように唱えていたら、水からの伝言みたいに世界が応えて美しい結晶になってくれると思ってる人ですか? ……そんなわけないじゃないですか。だったらなんで今こんな世の中なんですか? 世の中の理不尽さに憤ったからこういう活動してるんじゃないんですか? だったらなんでそこで大事なところを全く考えようとしないんですか?


キンコン西野さんっていますよね。あの人ネットでは嫌われがちですが、この点をしっかり押さえた取り組みをされてて「すごいなぁ」って思ってます。すごいんだからいちいち人を煽らなけばいいのにw


ツッコミポイント2:わかりやすい何者かを悪者に仕立てあげないと話を作れないところ

上で述べたように、2コマ目までは別に異論はないですが、4コマ目がとにかくひどい。マルクスさんの描くような白ハゲマンガには4コマ目に必ず「論理の飛躍」や「極端な決めつけ(藁人形論法)」が混じっているよね。

マルクスさんの漫画だと「自分の理想が通らない」=「ゾーニングそのものに反対している人が邪魔をしている」=「それはこんなやつらだ」ということで4コマ目の人の扱いになるわけですね。

つまり、マルクスさんの主張は「そういう人の存在を仮定しないと成り立たない理屈」ってことなんですね。 自分の主張が十分でないとか、考えが足りてないとか、解決すべき問題が別にあるとか、そういう難しいことを考えたくないから、理想と現実とのギャップを「藁人形」に押し付けてるだけ。

そういう人を言葉でやっつけたり啓蒙しさえすれば、邪魔をしていたものがなくなって、世の中は正しい世界になるんだー、やったね♪ まぁたぶん「悪いことをやったり悪いものを作っている人がいるからその人たちが作るのをやめればいいんだ」って認識なんでしょう。

そーいう単純な世界観を疑わずにいられる人って、なんかズルいなぁって思う。



わたしがさわぐちけいすけさんやマルクスさんのような人がやる白ハゲマンガを嫌いな理由が少しは分かって頂けるでしょうか。こんな杜撰な理屈でこちらを説得しようとされたら「あれ?ひょっとして今わたしバカにされてる?」って気分になるんですよ。実際にはハンロンの剃刀案件だとわかっていても、感情的には「バカにすんじゃねえよ」ってなるじゃないですか。この人たち、全然論理的じゃないくせに、中途半端な論理を振りかざして人を説得しようとしてる。私はこういう人がほんとに嫌いです。マルクスさんが難しいことを考えるのが苦手で分かり易いストーリーを欲しがるのは勝手だけれど、その分全部手抜きしてこっちに押し付けようとしてるような甘えを続けてる限り、世の中の対立を煽ることはあっても、解決方向に何かをできることなんて何もありませんよ。 

世の理不尽に遭遇して、それと立ち向かうために活動を始めたはずの人が、なんでこんなに世の中を甘く見ているのか本当に不思議でしょうがない。ちょっと理解に苦しむ。それとも最初から解決するつもりなんかなくて、とにかく恨みをぶつける存在を欲してるだけですか?そんな非建設的なメッセージを発しているのに「建設的な議論ができなくて残念」って言葉を使うの、ほんとどういうことなの。もしそういう議論できるレベルのメンバーが揃ったら、まず真っ先にマルクスさんの理屈の解体から初めて地ならしからはじめると思うんですが。



ツッコミポイントその3:漫画の内容と主張の内容が一致してないのに、マンガを説得材料として使っている

上で説明した通り、マンガの内容と主張の内容が一致してない。マルクスさんは、手間かけてマンガ書くより前に、もうちょっと自分の主張を整理して、その主張とマンガの間にズレがないか確認する手間をかけるべきだと思います。
万が一、この漫画と自分の主張が一致していると思っているならもうどうしようもねえなこれ……。




ツッコミポイントその4:「結論」と「過程」を区別できていないところ

こういうことを言うと、経験則上マルクスさんやそれを応援している人の中に「あの人はゾーニング反対派なんだ」というレッテルを張ってやりかえしたつもりになる人というのが一定数出現します。 ツッコミポイントその2で挙げたように、「自分の意見が反対される理由は自分には一切なく、相手が〇〇だから」と相手を悪者にすることで心の平穏を保つ思考を持ってる人はだいたいこういう反応をします。

でもね、そういうゼロかイチでしか思考できない人には残念な話だけど、私は程度に寄るけど「ゾーニングをやろう」って意見には賛成なんだよ。まんが王国のネット広告とか大嫌いだったし、別にエロに限らずオタク系のコンテンツが、そういうのに興味がなかったり嫌いな一般の人の目に触れたところで何一つ得することはないしね。そもそもコンビニでエロ本を買ったり読んだりという行為をする人の気持ちが理解できないから、私にとってそれ単体だけ取り上げるなら守る価値って特にないですよ。

じゃあなんでマルクスさんのこの4コマには全く賛成しないのかって? 4コマの理屈がひどいからですよ。

だって、この4コマ程度の雑な理屈で「自主規制」を求めるのが正当だってことになっちゃうなら、マルクスさんのマンガを読みたくない人の気持ちを尊重して鍵垢でやらないとダメってことになるからね。この簡単な反論にすら答えられない程度の貧弱な理屈しかないんだよマルクスさんの4コマは。その程度なの。そんな貧弱な理屈に基づいて過大な要求をしているんですよ。 

大事なことなので二度言いますが。

私は「ゾーニング賛成(必要不可欠)」派です。つまり結論には同意してます。ただ結論には同意できても間違ってる理屈を言ってるやつには同意しない。むしろ結論なんて多少間違ってても良くて、考え方に同意できることの方が大事。

tyoshiki.hatenadiary.com

私はマルクスさんの主張する「結論」には反対してません、考え方が杜撰すぎるといってるだけ。でもそういう人を4コマ目の枠に抑え込もうとするからついていけないんです。



ツッコミポイントまとめ

一言でいうと結論は前回と同じです。

とにかく、マルクスさんは、雑。「女だけの街を作りたいただし労働力は男どもな」と同じレベルの主張であり、全くお話にならない。以上。

付け加えるなら、雑な上に思想的に偏ってる。そして反対するものを4コマ目に閉じ込めて叩けば解決すると思っているので話し合いも出来なさそう。

ここまでは一応「善意の人」という前提で評価しているけれど、本当のことを言うと「善意」というところから疑い始めてる。個人的にはタイミングとして「ウィメンズマーチ」とかいう怪しいタグの活動の広報塔として突如湧いてきたことといい、急に大量のコンテンツを矢継ぎ早に投下していってることといい、いきなりバズり過ぎている点と言い、もっと優れた4コマやフェミの主張はいくらでもあるのにBuzzfeedが優先して取り上げたりといろいろと不自然な感じであり、これほんとに個人の活動なんですか、というところから疑っている。

ただ、この疑いには根拠が弱いからその前提は取っていない。ここをごり押ししたらマルクスさんとレベル変わらん。かといって何の後ろ盾もない、純粋に善意で活動している人だとしてもあまりにも杜撰すぎて論外。ともあれ白ハゲマンガ描くような人間は、それをありがたがっている人と共に全員滅びるべきである、という偏見がまた強化されました。




おまけ:というか、マルクスさんみたいな人たちは、なぜオタクがこんなに頑なに反対しているか考えたことあるの?

その考えた結果が4コマ目のイメージなんだとしたら、さすがにもう救いようがないんじゃないかなと。

いつも女性が一方的に語ってるのばかりみてうんざりしてるから、たまにはただの一オタクにすぎない私が、まるでオタクを代表したような面をして一方的に語ってみますかね。

これを読んで「うざい」って思ったなら、一部の女性の方々の語りは他者から見たらこのくらいウザく見えてるかもって想像をしてほしい。



まず、オタクはオタクで、社会的マイノリティであるという意識が強い。まずこれを認識できてるかどうかですね。
アライ(ally)さん その2 - この夜が明けるまであと百万の祈り

若い人はそうでもないと思うけど男オタクのおっさんや女オタクのおばさんたちの中にはそういう認識の人今でも結構いる。実際に迫害されてきた歴史もある。このことについて知らんとは言わせないし、知ろうともしないなら、もう女性の権利について語るのもやめていただきたい。お前にはその資格はない。

女性とは違う形でマイノリティの立場に甘んじ、必死に自分たちの立ち位置や権利を防衛してきた経緯があるわけ。どういうことかというと「油断すると今まで築いてきたものが全て崩壊する」という危機感や「自分たちの主張や権利をつねにないがしろにされてきた」という被害者意識が強いんだよね。「自分たちの話を聞いてもらいたい、受け入れてもらいたい」という気持ちは強いけどその反面「自分たちに蔑視を向けたり、安易に踏みにじろうとする相手には死に物狂いで抵抗する」んだよ。



フェミニストのみなさんだってそうじゃないの?知らんけど。


フェミニスト全体とは言わんけど、その一部には男と女という対立軸しか見えてないせいか「オタク」=「マジョリティ」=「女性を虐げる側」って認識持ってる人間違いなくいるよね。でも実際は戦うための軸や現在の状態が違うだけで、少なくともセルフイメージではいまだにマイノリティという人が多いんですよ。*2

女性からしたら「私たちと違って十分認められてるじゃないか」とか「レイプされたことはないだろ」「電車に乗る時の憂鬱や夜道を歩く怖さを味わったことないだろ」とかいろいろ反論はあるだろう。こっちはこっちで違った形でさんざん苦汁をなめさせられたりしてるわけで、言いたいことはあるわけですね。*3

オタクの場合は特に「好きなものを好きということが許されない。ろくに興味ないのにキモイからとからかわれる」「些細なことで難癖つけられて趣味を全否定される」か「表に出るな、隠れてろ、恥を知れと自己主張を抑えるよう内外から抑圧される」みたいな経験があったりします。よく言われる表現だと「スクールカーストの下層に置かれる」というやつです。*4

そうやって常に「下」に置かれてきた感覚があり、「見つかったら殺される」という感覚が長く続き、ようやく「見られても殺されない」って安心を得るに至った、というところに「わざわざ見つけて攻撃してくる」「ろくに理解しようともせずオタクというだけで攻撃してくる」というようなトラウマを刺激されたらどういう気持ちになりますか。「女というだけで見下される、危機にさらされることは理不尽だ」と女性解放を訴えてる人たちは、それを本心から思っているならわからないわけないよね?

とにかく杜撰な理屈で人を扇動しようとするマルクスさんのような存在がいたりとか、「一歩ゆずったらどこまでも攻めてこられるかもしれないという恐怖」や「コスト度外視で際限なく要求してくる話の通じなさ」「現実と理想の区別がついておらずゼロかイチで迫ってくる」という狂信者みたいな人が目に入るうちは、安心して話し合いもできないなというところです。というかぶっちゃけ「お前らは俺たちみたいな弱いもんばっかり攻撃してないで強いやつと戦えよ」って思うんだけど、なんかみんな手柄欲しさに叩きやすくて社会的に弱いオタクばっかりたたくやついるよね。あれほんとなんなの?情弱狙ってアフィリエイトやって互助会界隈くらい気に入らないんですけど。

以上とあるオタク側からの「一方的な」意見でした。反論の余地も与えず一方的に語る人間がいかに受け入れがたいかちょっとでもわかって頂けたら幸い。

蛇足

私は数日前に「善意だけあってもその後がいろいろ雑な人は、完全に間違っている人間より有害である」と述べました。マルクスさんは世の中を女性(身近な人)にとって良くしたい、という善意の人だという前提で考えても、マルクスさんは活動すればするほど、その目的に対して有害なことをやってるだけなので、しばらく黙って勉強するべきだし、周りの当事者さんたちはちゃんと教育してあげるべきだと思う。

私はフェミニストではないので「もし自分がフェミニスト当事者だったら」という想像でしか話をできませんが、もし私が当事者であったら、こういう雑な理屈をバラまく人を支援したり、この理屈の何がおかしいのかわからない残念な人がたくさんいる状況は決して望ましいものじゃないと思うんですけどね。 こういう間違った人たちが自分たちのことをフェミニストだと自認しているような状況を放置している状態では、今後もフェミニストが支持されることはまあないでしょうし。

ただ、はてなでよく見かけるフェミ界隈の人たちはこの人から距離を取っている人が多く、そういう意味では、はてなはまだまだなんだかんだ言ってしっかりしているなと思いました。

*1:もともと私は三沢さん以外は割とどうでもいいのだ

*2:※ここで、自分がそう思わないからと切り捨てるんじゃなくて、もしそうだとしたらという風に「仮定」を挟んで思考する癖をつけてほしい。

*3:※こういうこと言う人は、女オタクの存在のことをどう思ってるのかいつも気になる。女だから虐げられたのであって男はつらいめにあってる人はいないって扱いにするのか、それとも女オタクは自分の仲間じゃないから切り捨てるのかどっち?

*4:※ここで「身だしなみに気を遣わないから」とか「しゃべり方に問題が」という感じで自業自得って文脈に持ち込もうとした人いるかもしれないけど、それどんだけブーメランになるかわかるよね?