頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「シノハユ」 すごくあっさりに見えるけど「尊い」やりとりの数々がたまらなく好き

評価★★★(個人的評価★★★★)

東京に行きたいとかよりも、あの卓に座ってみたかった。
来年は座りたいな……

この作品、主人公たちの小学生時代から始まるのだけれど。登場人物の設定がどいつもこいつも重たい。

主人公のシノは幸せな家庭から一転母親が理由もなく失踪し田舎の伯父と暮らすことになったり、カンナも両親とのふれあいがない鍵っ子で友達付き合いに苦労したり、ハヤリも憧れの人との別れがあったり、みんな何かしら「欠けたところ」がある。

こういう作品ってその設定だけでドラマツルギーが発生しそうなもんなのだけれど、この作品はそういう設定を特別なもの扱いしない。他の子達とは違うけど、それがこの子達にとっての当たり前。「物語的にはこの設定ならこうしなきゃいけない」とか、そういう物語の圧力みたいなものをおそらく意図的に廃して、幼少時を描いている。

2巻のカンナのエピソードが好き。めちゃくちゃ好き。

シノハユ(2) (ビッグガンガンコミックススーパー)

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他の子供達との距離感がうまくつかめず、勝ち負けにこだわってずっとリーダーっぽく振る舞ってたカンナ。まだこの時は他の子供達を友達だと思ってなかった。子分くらいに思ってた。

ある時麻雀大会で負けて、その後他の子供達との遊びでも負けてしまって幼いながらに保っていたプライドが傷ついてしまう。その時カンナは思わず他の子供達にひどい言葉を言ってしまい、その負い目で自分から線を引いてしまう。それまで子どもたちを家に呼んでたのにパタッとやめてしまう。

友達のほうは最初ちょっと怒ってたけど、それでもしばらくしたらカンナを見捨てず謝りながらカンナに声をかけてくれた。カンナはゴメンって謝りたい気持ちになったけど、この時はまだ意地を張って謝らない。「自分のこと嫌いでもいいから練習に付き合ってくれ」って感じで声を掛ける。

もちろん、友達は本当にきらいだったら付き合ってくれないわけで、苦笑いしながらも付き合ってくれる。そんな友達と付き合ってる間に、だんだん勝ち負け関係なく友達のこと大事に思えるようになる。

そして、ある時に久しぶりに友達を家に誘う。その時にけじめとしてやっと謝るのだけれど、そのやり取りがすごく自然な感じ。

ずっと、私がワガママでゴメンな。みんな。

謝らなければならないから謝るのではなく、謝りたいから、みんなに感謝の気持ちを込めて素直に謝る。んで、友達も別にもう怒ってなかったけど笑ってそれを受け入れる

ホントだよ、まったく。

なにこれ、尊すぎるんですけど……

カンナがこの状態になるまで、カンナに付き合って、待つとはなしに待ち続ける。こんなん私には出来ないことなのだわ……。友達は深く考えて無いのかもしれないのだけれど、だったらなおさら尊い……。今まで「尊い」って言葉使う人のこと「萌え」より気持ち悪いとか思っててすみません本当に尊いものは有るんだね。

マンガの描写は淡々としててうっかり読み飛ばしちゃいそうなくらいあっさりしてるんだけど、私は最近涙腺がゆるいので、思わずこのコマ読んでリアルで涙出ちゃったです。何度も繰り返し書いてるけど、こういうお話そのものもすごいけど、それを本当にあっさりと、何事もないことのように描いているのが本当に好きです。押し付けがましく、お涙ちょうだいな雰囲気でとか説教臭く描く方が簡単だと思うんだけどそうじゃないところがいいです。


優しい雰囲気の日常がまったり進んでいくの、ホントに癒される……。


個性豊かなキャラクターが切磋琢磨し合う展開も当然素晴らしい

私の個人的な目標は◯◯◯。

そう思ってたけど、このチームで勝ちたい…!
みんなと一緒に勝ち上がっていきたい!

5巻からようやく全国大会開始

あっさり終わって6巻から中学生になり、

7巻から中学生編大会開始。

やっぱりこの漫画、麻雀そのものより人を描くマンガだよね。

それにしても、カンナが今の所咲名物の戦犯キャラになっててツライ。普通の物語だったらここから見せ場有るけど、それを当然のように期待するのは上と矛盾する。

そういうドキドキがあるよねこの作品。

カンナが、ただただ駄目なままでは終わらないやつだってこと
私くらいは信じていてあげないとね

カンナ頑張れー!