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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「共感が大事」とはよく言うけれど、女性にとってより大事なのは「共感すること」の方

女性にとって「共感」はすごく大事だ。だけど共感が大事って言うだけだと「するほう」なのか「されるほう」かがわかりにくい。「どっちも」でもいいんだけど、それぞれ個別に検討してみるとどうなるだろう。

結論から言うと、女性にとって大事なのは「共感してもらうこと」ではなく「共感すること」のほうであるといえるのではないかと思う。特に今のいいね社会では共感「される方」が大事にされがちだと思うので、共感「する方」の大切さについて考えてみたい。


多分女性自身もあまり「共感すること」の方はその意義についてぼんやりとは理解しているものの「はっきりとこれだ」と説明は出来ない人が多いのではないか。「その方が人間関係が良くなる」「自分がされたいことはまず自分から」とかそういう風に答えたりするのではないか。ちなみに男は「共感が大事」とは思うけど女性より大げさではない。だから「なんでそこまで?」っていう「程度」については理解できない人って結構多いと思う。少なくとも私はあんまり理解できてないから「どの程度共感すればいいの?」「女性にとってどんな意味があるの?」ってことを知りたい。


じゃけん、せっかくだからこの際に勉強してしまいましょうね。そうすることによって共感「すること」にはものすごく重要な意味がある、と胸を張って言えるし、男ともその重要性を共有しておくことができる。そして、ベースを理解しておけば、共感「される」ためにはどういうことを意識すればいいかもわかってくる。

女性にとって共感することが大事なのは記憶を「情動」に紐付けて、関連情報を引き出してくるという仕組みになっているから(らしい)

たとえば、子供が熱を出した、どうしよう、なんていうとき。

何ヶ月も前に公園で立ち話したママ友の話を思い出したり、何年も前にみたテレビのワンシーンを思い出したり、ずっと昔、自分の幼い弟に母親がしていたことを思い出したり。そのようにして関連記憶を取り揃え、ときにそれらを串刺しにして初体験のトラブルにもなんらかの初動が取れる

それが、女性脳に搭載された基本機能なのである。

何年も前の記憶を一瞬で、鮮明に思い出すことができるのは、これらの記憶がその時の情動をキーにしてしまわれているからだ。似たような情動の下にある記憶を、一気に持ってくるのである。


この能力によって女たちは初めての子育てもなんとか乗り越える。


しかも、この情動の見出しがついた記憶が、後に知恵となって利用可能に成るわけだが、その中には他人の体験談や、見聞きした知識も含まれる。自分で体験したわけでもないのに、情動が付加されている情報は自分のものとして利用できるということだ。



それが可能なのは、女性が他人の話に共感するからだ。共感して聞いた時、相手の体験談にも情動の見出しがついて脳内にしまわれる。
後に、同じ情動がおきたときに、他人の経験さえも自分の初体験時にいかされるというわけだ。

これが本当なのであれば、共感することには大いに意味があるということになる。




男性は、女性の長話が全く理解できないという人が少なくない。だいたいこんなことを考えている

・「なんで女性は結論から話さずに一から全部話そうとするんだろう。話がダラダラと長くて無駄ばかりでイライラする」
・「他人の話になんでそこまで共感するんだろう。しょせん他人の話じゃないか」
・「なぜ女性はこんなに男に対しても共感を求めてくるのか。自分が共感したがりなのはいいが男は違うんだ」

男の人、絶対思ったこと有るよね?結論から話しない人うざいって思うことしょっちゅう有るよね?

でも女性は「共感すること」について意味があると胸を張って言って良い

これについて女性は「そうじゃない。男からみたらダラダラに見える話もちゃんと意味がある」って胸を張っていって良い。男性からしたら非効率で無駄だらけの話しでも、「女性にとっては」無駄ではない。女性にとって、話を聞くことは男性のそれとは意味あいが大きく違い、「経緯込み、感情込で、追体験する」ようなコミュニケーションを取る方が、経験値効率が高くなるのだから。話を聞くだけで「自分が直接体験したわけでもない他人の話」を「自分ごと」として血肉にできるのだったら意味はある。(※実際は自分の中で再構築して変質してしまうことも多いだろうけどね)


女性は、自分が共感しながら聞いたことはちゃんと自分のものにできる。この強みをフル活用するために普段から共感するし、話し方もより共感しやすい話し方、より具体的な、追体験できるような話し方をするのだと、そういう風に説明されれば、私のようなひねくれ者でも理解はできる。


少なくとも女性にとっては「共感を持って聞く」という行為は、男性がそうするよりもものすごくメリットがある、強い武器であり、それをベースにコミュニケーションを組み立てているのだなってことはわかるし、これは男も意識しておいて損はないことだと思う。

女性ほどではないにせよ、ある程度は効果があるかもしれないのだから。

さらに言えば、女性の男に対する態度も少し受け入れやすくなるかもしれない。共感することの大事さを体感的に知っているからこそ、男にも「ちゃんと共感しながら聞いてくれ」と呼びかけてくるのかもしれないし、男は「話を聞いていただけではできないのが当たり前」と考えがちだけれど女性は「話を聞いただけで出来ない」ということに対して「ちゃんと私の話を(共感しながら)聞いてくれなかったのだ」と厳しいジャッジを下しがちなのだとか、いろいろ理解のとっかかりは得られそうだ。




一方で、このメカニズムはいいことばかりではなく副作用も有る

素晴らしい才能なのだが、男性からしたら厄介な副作用がある。

夫が何か無神経なことを言ったら、過去の無神経な発言をすべて一瞬で思い出すからだ。

女性は今の些細な一回に腹を立てているわけではない。過去の無神経な出来事のすべてに傷ついているのだ。しかも、この方式で引き出された記憶は、臨場感たっぷりに再体験するかたちで脳裏に展開される。

男性からしたら何度も謝っていることなのに、と思うかもしれないけれど、今ココでもう一度傷ついているのでもう一度謝って上げて欲しい。

厄介だと思うが、この女性の能力によってあなたの親もあなたを守ってこれたのであろうから

そういうわけで、男からすると「過去のことをなんども蒸し返す」ってのはホントにものすごく不愉快なのだが、これは女性の強みの裏返しであり、「過去のことを蒸し返す」のは必要悪だとわりきるしかないだろう。

男からすると「大事に対する小事」は切り捨てがちだが、女性はその小事を何度も頭の中で再生してしまってほうっておくと大事になってしまう。女性の性質を理解して、むしろ小さなことをないがしろにしないように接しないと、デカイことを頑張っても台無しになってしまうとも書かれている。確かに昔から「マメな男」のほうがモテるというのは、多分そういうことなんだろう。



だから、女性もこの性質は意識して、プラスの方向にはフル活用しつつ、マイナス要素からは遠ざかるように気をつけてほしい

他人の話を共感混じりに聞いていたら、男性と違って女性はその影響を多大に受けてしまうということだ。話を聞く相手を間違えるとドツボにハマってしまうということだから。
別にこれも女性に限った話ではないだろうが、ネットでまだ聞きしただけの話をあたかも事実のように語る人は多く、特に「海外に行ったことすら無い人が、そのまた聞きによって仮想体験した海外の話を元に珍説を組み立てる」というのはネットでだいぶ可視化されている。 確かに割合で見たら女性の方がこの傾向は強いという印象を受ける。身近な話は共感すればいいが、ネットの話にあんまり共感しすぎないように。自分より遠い話でも血肉にしてしまえるというのは、デメリットでも有る。
そのことだけは自分自身のために、気をつけてほしいなと思う。



「共感」についての男女の違いを踏まえた上でどうバランスを取っていこうか

というわけで、女性にとって共感はとても意味があることはわかった。一方でやはり男性にとっては「共感すること」は、社会的要因だけじゃなくて脳レベルでも女性ほどは効果が低いのは女性も理解して欲しい。それでいて、女性からしたらタチ悪いと思う人も居るだろうが、男性は「共感されること」ことによる恩恵がこれまた女性より大きいらしい。詳細は本で確認して欲しい。

「凸と凹の関係」といえばなんかいい話のようにも思うけど、そんな単純ではない。
「聞く」という行為はやはり「受け身」に感じられがちなこともあって得も有るけどそれ以上に「しんどい」。女性だって好きで聞いてる話だけではないだろう。女性は共感を大事にするが故に共感出来ない話を聞かされるのはとても苦痛だろうし、女性だって男性に「他の女性と同じくらい」共感的に話を聞いて欲しいと思うことは多いはずだ。「男女平等」という観点から、男女で「聞く」の割合が同じくらいになってほしいと訴える人が居るのは当然のことだ。

ただ、割合を同じにしようとするのはいい。だが、男性と女性で聞きたいもの、聞きやすい話し方はぜんぜん違うということを意識せず、ただ数字だけ合わせようとしてもそれは意味がない。ちゃんと考えた上で、数字だけではなく、男も女もお互いに話を話を聞きましょう、ということになればいいなあとおもいました。