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「13の理由」でハンナが自殺した理由

Netflixで話題になってるみたいなので、旧ブログで書いてた7年くらい前の記事をリサイクルする。完全にネタバレなので今からドラマ見ようと思ってる人は読まないように

この作品はかなり恐ろしい。自殺するハンナは理路整然と死ぬ理由を説明している。つまり「いわゆる心身衰弱状態」ではない。躁鬱の間で、正常な判断能力を失って勢いで死んでしまうというのとはぜんぜん違う。ただ、深く傷つき、この世界が自分に対して行った不正に憤り、何も期待ができなくなり、告発するために、強い意志を持って自ら死ぬことを選んでいる。それほど完膚なきまでに絶望しているということだ。それをどストレートに叩きつけてくる。Netflix版が話題になってるけど、Netflix版はシーズン2への布石もあり、登場人物たちがクソ過ぎて胸糞悪く、このハンナのメッセージのストレートさが薄れてる気がするので、ぜひ原作の方も読んでほしいなと思う。

<追記1>
Netflix版では、理由リストに挙げられたコートニーやマーカスが組んで「ハンナの話は嘘ばっかりだ」ということにしようとしたり記憶が曖昧な中でブライスにレ◯プされたジェシカが「自分は被害者じゃない」と被害を否定したり、さらにリストに挙げられた人の親たちが出てきて事件をもみ消そうとしたり、かなりセカンドレイプ描写がきついらしい。結局シーズン1では決着がつかず、シーズン2では両親による裁判が行われる。


<追記2>
この作品の怒涛の畳み掛けは「うみねこのなく頃に」の真犯人が少しずつ追い詰められていって「犯行」に及ぶ流れに通じるものがあると思う。「13の理由」面白かった人はうみねこもオススメよ


外部の人間が見れば、彼女が自殺する決定打になったのはブライスによるレ◯プだと判断するだろう。この自殺がが公になったら、ネットとかではこのブライスのレ◯プばかりがクローズアップされることになるだろう。んで、すぐにこの事件を政治利用しようとする人たちによってワヤクチャにされるだろう。クラスの人間も、みんな「ブライスのせいだ」と思って、他の人は「自分のせいではない」と思って自分を許してしまっていただろう。

でもこの小説は「ブライスのレ◯プだけが原因じゃないぞ。たしかにレ◯プは辛かったけどそれだけで死んだりはしない。その決定的な事件の前にあなた達も私を追い詰めたんだよ。ちゃんとそのことを理解してくれ。ブライスのせいだけにして逃げることは許さない」ってメッセージを送っている。

一つ一つの理由はどれも結構ひどいと思うんだけど、クレイがそれをいじめと認識できなかったというのがポイントで、やってる人間も、周りから見ている人間もそれをいじめと認識していないが、本人を傷つけ、なによりも「孤立させる」行為がやまほどあるのだよね。


またこの作品のつらいところはハンナは被害者なのに、自分自身の弱さ、他人を信じられなくなった自分も責めているところ。ここまで聡明で、かつ人を気づかえる少女が、周囲の無思慮によって孤立させられ、段階的に追い詰められていく。そういうところが恐ろしい。

クレイ、実はあなたはリストに入っていないの、でも私の行動を説明するためにはあなたとの物語を語る必要があった。あなたは皆と違うわ、優しくて、思いやりがあった。私にはあなたとの一緒にいる資格はない

というわけで13の理由についてリスト。

第一段階 クラスから孤立

①まず最初にジャスティンが、ハンナと夜の公園でデートしたときの写真を男友達に見せてしまったことが原因。
これがSNSで拡散されていじめのきっかけに。


②ジェシカはこれが原因でハンナと絶交し、ハンナを孤立させる。


③アレックスは、クラスのナンバーワン投票でハンナのことを「クラス一番の良い尻」と表現。
上のジャスティンの件と合わさって、ハンナが尻軽女みたいな扱いを受けることに



こんな感じでクラスから孤立してしまう。


第二段階 人間不信が加速

そのあとハンナはコートニーと仲良くなるが、コートニーはレズ。レズなのでハンナに関係を迫る。
ハンナさん運が悪いというか、こういう人しか相手してくれない状況だったんだな……。


④これをタイラーという男が盗撮し、またSNSで拡散。この教室は他人のプライバシーを拡散しすぎだろ。


⑤んで、コートニーは自分から迫ったくせに、ハンナの尻軽の噂を利用して
ハンナから自分に迫ったかのように誘導する。最悪。
この作品はなんかレズに恨みでもあるのか。


その後マーカスとかザックがハンナにちょっかいを出す。



⑥マーカスはバレンタインデーの日に、友だちの前でハンナを侮辱し



⑦ザックはハンナのことが好きで助けようとしてたんだけど、
ハンナはこの時点ですでにだいぶ傷ついているので強く拒絶。
拒絶に傷ついたせいかハンナに嫌がらせのようなことをする。
(このメッセージボックスって日本にないシステムだからなんなのかよくわからんのだよね……)



⑧んで、さらにライアンが、ハンナが書いた詩を勝手に学校の新聞に掲載する。
だから、この学校の人間は、他人のプライバシーとか情報に対してユルすぎだろ。



これによってハンナはますますクラスでからかわれるようになる。



それにしても、このあたりの流れかなりキツイよね。誰もハンナを助けようとしないだけならまだしも、

・クラスの委員長みたいなやつが率先して自分をからかってくるし
・関わってきて心を許しかけたら裏切るし、
・自分を助けたいっていってたやつが嫌がらせをしてくるし
・誰にも関わらないでおこうって思ったら自分の書いたものを漁ってそれを晒そうとしてくる



誰もが自分の敵って感じであり、ますますハンナの人間不信が加速する。




第三段階 ドラッグとか交通事故とかあるアメリカ怖い

正直言うと、このあたりからあんまりピンと来なくなった。

学校でドラッグとかが横行してるのが明らかになる。

ブライスはドラッグの売人であり、マーカス、ジェシカあたりが手を出している。
パーティーに出席して帰りに事故ってそのまま逃げるとかも意味がわからない。

こうなると、「そもそもこの学校クズばっかじゃねえか」って感じに思えてくる。

でもアメリカだと上位校でもドラッグパーティーとかよくあるんだっけか。
正直自分の想像力の問題もありあんまりすんなり話が入ってこなかった。


一応書いておくと、
⑨ジャスティン →ジェシカがブライスにレ◯プされるのを容認する


⑩シェリ →パーティーの日に交通事故起こしたあと、それを通報しようとしたハンナを車からおろして置き去りにする。
しかもこの自己で一人死者がでており、ハンナに罪の意識を負わせる


⑪クレイ →実際はハンナの糾弾の対象ではない。
しかし彼がパーティーの日にハンナに拒絶されても彼女を置いて帰らなければ
⑨や⑩、ひいては⑫が起きなかったと思われるので
悪いことはしてないけれど、何も知らず、何もできなかったことはつらい。



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第四段階 決定打

⑫ブライス →ハンナをレ◯プした。その際にジェシカが手引きをした



⑬ポーター先生 →いじめやレ◯プ被害について打ち明けに来たハンナに対し
セカンドレ◯プ的な質問を浴びせたり、諦めろと言ったりして絶望させる。
アメリカでもこういうことはよくあるのだろうか。





おまけ。明らかに「13の理由」をオマージュした作品。

クラスの優等生がいきなり自殺してしまい、翌日から遺書が公開されるのだが、遺書の公開の仕方がかなりいやらしい。
よく考えたら13の理由は、よくあの形でちゃんと最後までメッセージがまわったな……。




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