この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです

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「今日からCITY HUNTER」 夢女子って作品についてこういう楽しみ方するんだなと勉強になる

息抜きに軽く作品紹介。

「夢女子」の作品の楽しみ方ってこんな感じなのか

この作品が掲載されているコミックゼノンは、創刊当時はともかく、現在のメイン読者層は確実に「中年の女性」だと思います。そういう出版社から出た「CITY HUNTER」のスピンオフのためか、どうも「夢女子」向けの作品になっているようです


私は夢女子についてよく知りませんが、Amazonレビューで「夢女子」を名乗る人がその方向で絶賛しており、そのコメントに最も多くの「参考になった」がついているため、正しく「夢女子」の作法に則った作品であると判断して問題ないと考えています。

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夢女子 (ゆめじょし)とは【ピクシブ百科事典】

オタクの一種。二次元(架空)の世界に自己投影する女性。作品内に登場するキャラクターとの関わり方・楽しみ方は大きく分けて二通り。

①自身がオリジナルキャラクター(夢主)になってキャラクターと出会い、恋愛・友情などの交流を楽しむ。「夢主=自分」または「夢主≒自分」と表記されていることが多い。

自身ではなく、自身で創造したオリジナルキャラクター(夢主)をキャラクターと出会わせて、作品に登場しない第三者(あるいは神の)視点で恋愛・友情などの交流を楽しむ。「夢主≠自分」と表記されていることが多い。

「今日からCITY HUNTER」は②パターンですが①の要素も多分にあるように思います。

CITY HUNTERの世界が好きすぎて、青春時代をCITY HUNTER同人活動に費やし、漫画家を志すも夢破れて40歳独身派遣」という暮らしをしている主人公が、リアルタイムにCITY HUNTERが連載されていた時点の状態に若返った上で憧れのCITY HUNTERの世界に入り込むという設定ですね。


というわけでそのことを念頭に置いて読んで見る必要があります。

夢女子の人の楽しみ方は、私とスタンスが180度正反対なのかもしれない

私としてはこの作品あまり好きじゃないです。これはすごく個人的な感覚としては「やったらいかんやつ」だと思う。もちろん規制しろ云々とかじゃないです。「私の宗派としてはこれをアリとしてはいけない」「オタク宗教的理由で受け入れがたい」みたいなやつだと思ってください(笑)

ただ、「なるほど夢女子って、こういう風に作品を楽しむ人たちなんだ。そしてこういう楽しみ方は、女性の間では割とメジャーなのだ」ということがわかってちょっと勉強になりました。

私は「CITY HUNTER」がめちゃくちゃ好きです。というか、ある時点まで私は小遣いを一切与えられなかったため、漫画は親が買ってくれた「キャッツアイ」と「CITY HUNTER」「はじめの一歩(対千堂戦まで)」くらいしか家になく、その分繰り返し何度も何度も読んでました(他にも学習まんが、横山光輝作品、姉や妹が買っていた少女漫画などはありました。)

なので、この作品こそが自分にとってマンガ体験の基盤になっています。というか私にとって漫画といえばまずこの作品です。そういう意味で、この作品への思い入れはかなり強いほうだと思います。

だからこそ、なんか作品世界の人間じゃない存在が、こうやって自分がめっちゃ思い入れの作品に入っていったあげく、余計なことをして話を引っ掻き回すみたいなのは「何やってんだよ団長!」みたいな気持ちになります。

もちろん「この作品が完璧に完成・完結」しており、「ただの一般通過モブである主人公が多少かき回した程度では大きな影響はないほどの強度を持っている」のはわかるのですが。

逆に言うとそのせいで主人公には存在する意味はそれほど感じません。「ただの異物」「ノイズ」が紛れ込んでいて、作品のテンポを悪くしているだけにしか見えない。主人公が訳知り顔で冴羽や海坊主について語ろうとするところ、「うざいオタク」の典型例みたいで、同族嫌悪がすごいです。

「足を引っ張る味方」の役割について、あるいはワールドトリガーすごいよねという話: 不倒城

この作品世界に入り込んだ主人公はそりゃ満足なのかもしれませんが、それを見ている読者の私はすごいきつい言い方をすると「お前の存在話の邪魔なだけじゃね?」「いくらなんでもお客様感覚が過ぎませんか?」「ホストクラブとかイメクラかな?」「漫画キャラについて語るならともかく、今はお前そっちの世界が現実なのにそのデリカシーの無さはやばいだろ」とかかなりネガティブな感情を持ちながら読んでました。*1


こういうことを言うと「いや、お前ら男オタクだって都合のいい女性キャラ出して萌とか癒やしとか言ってるじゃないか」と言われるかもしれませんが……まったくもってそのとおりだと思います。 私がこの作品に強い抵抗があるのは、あくまでスタンスの違いによるものです。どちらが正しいとかどちらが間違っているという話ではありません。とにかく、私の作品に対するスタンスと、この「今日からCITY HUNTER」は180度逆の立場だってことは間違いないと思います。

私は憧れの作品に入れたとしても、その世界の主人公たちには絶対に関わりたくない

第四の壁 - Wikipedia

想像上の透明な壁であり、フィクションである演劇内の世界と観客のいる現実世界との境界を表す概念である。観客は、観客席からこの第4の壁を通して演じられる世界を見ることになる。

ところで、私が現在アイコンに使用しているキャラは「ヌヌハラ・キャベツ」というキャラクターなのですが。このキャラのスタンスが私の考えと近いので紹介しておきます。

私はランス様のストーカーだけど、でも、できる限りランス様と絡みたくないの。
うーーーーーん・・・・その感覚を説明するのは難しいけど・・・そうねぇ・・・・

例えば、特定の誰かを死ぬほど好きになった時、親や周囲の環境全てに感謝する気持ち、わかる?あなたたちがいたから、彼はここにこうしていて、私は彼と出会うことができました。世界の全てに感謝、ありがとう・・・・みたいな?

私はランス様と出会った時、雷に打たれたような感覚に陥り……そして気づけばこの世界も大好きになったの。だから、ランス様の周囲はもちろん、周囲の人達のこと、魔人や魔王、国の歴史まで調べたわ!そして、調べれば調べるほど愛は深まり、更に知りたいと世界の秘密にまで根性で手を伸ばして、更に好きになった!そうしたら、こう……自分でもちょっと異常だと思うんだけどこのセカイの観測者側の感覚になっちゃってね。

例えば……自分の好きな創作世界に入り込むことができたらあなたはいったい何をする?仲間の一人になって主人公を助けに助けて、物語にガッツリ絡むとかする?まあ、そういう人もいるわよね。でもね、私は。私は一切絡みたくなーい!私ごときが絡むとかおこがましいもんね!だって、私はランス様の冒険の異物なのよ!だから絡んだりしたらいけないの!

だから、今までずーっと。リーザスの事件のときもカスタム埋没した時もリーザス陥落のときも!徹底的に姿を隠し続けていたの!ねえ、あなたもそうおもうでしょ!?実は私イラーピュ事件の時こっそりいたからね。ほら! 今あなた少しがっかりしたでしょ!?それくらいのあとから、情報魔法技術使いまくりで、できるだけ現地に行くのすら抑えてきたの!だから! 私は! ストーカーなのよ!な…なのに…それが気づけばランス様の仲間の一人よ!こんなことってある!?あーん!リーザスのヒカリちゃんさん誘拐事件のちょっと前からずーーーーーっと、存在を感知されず追いかけ続けたこの私なのに!こんなのストーカー失格よ!腹を切るどころか首斬って死にたい!

こんな感じなので。この作品の主人公に対してめちゃくちゃイライラしちゃうわけですね。



「夢女子」の思考に興味がある人には一読の価値ありかも

というわけで。やや大げさですがそのくらい「今まで自分で考えたことすらない感覚」でした。

上でも書きましたが繰り返すと、これはあくまでスタンスの違いです。「男オタクの萌え」も多くの女性からみたら全く理解できない感覚だろうからでお互い様だと思います。それにしても同じ「CITY HUNTERが大好き」な人でも、ここまで隔たりがあるのか、という新鮮な驚きがありました。

完全に夢女子の夢女子による夢女子のための作品ですが、あえて「オタク」の人はこの作品を読んでみることで夢女子の思考に触れることができると思います。自分に合わないからと言って、それだけを理由に批判・否定するのはNGだけど、興味がある人は一度試してみてもいいかもしれません。

*1:もちろん、最初こういう印象を与えるのは計算的なものであり、2巻からは「読者」であった主人公が「登場人物」に変わっていくわけですが、それはそれでこの状態の主人公の問題を獠が解決せずに放置していることはやはり原作崩壊につながっているんだよなぁ……