この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです

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「十二人の死にたい子どもたち」これは絶対コミックで読むべき作品

評価★★★★(個人的評価★★★★)

やっぱり、ここの人間はみんな本気だ。この集い、参加してよかった

熊倉隆敏さんの手によるコミカライズが本当にすばらしい!

この作品はもともと冲方丁の原作小説をコミカライズしたものです。タイトルから見ても「十二人の怒れる男たち」やそのパロディ「十二人の優しい日本人」をベースにしているものですね。

パロディ元が「映画」「演劇」なだけあって「映像」ありきであり、原作小説は脚本とうけとるべきかと思います。 各キャラの個性や演技がわかりやすいコミック版で読むのが絶対におすすめです。


というか私、熊倉隆敏さんの「もっけ」っていう作品がめっちゃくちゃ好きなのです。アニメ化もされたのでご存知の方多いと思いますが、未読の方がいらっしゃったらぜひぜひ読んで欲しい。そんな熊倉さんによるコミカライズが本当にすばらしい。

死というヘビーなテーマを扱っている上、状況の変化が少なく、しかも子供たちの会話が中心で進むため小説として読んでるとかなり退屈になりがち。なのだけれど、熊倉さんのポップでかつ表情豊かな絵柄がその部分を補うことで、一人一人のキャラがイキイキしてくるので、ものすごく読みやすくなっており、実にナイスな組み合わせだと思います。特にマイちゃんというキャラの千変万化する表情は見てるだけでニヤニヤしてしまいます。

原作小説の評価は芳しくないようだけれど、コミックで読んでる分には本当に楽しくておすすめです。この作品と「虚構推理」は、コミカライズを前提としている作品と思って読むべき。

十二人の死にたい子どもたち(2) (アフタヌーンKC)

熊倉 隆敏 講談社 2018-05-07
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「みんなで一緒に死ぬ」のは意外と大変だ

逆に否定する人に聞きたいわ。どんな理由があればこうした選択(集団自殺)が肯定されるのか。
重要なのは選んだという事実よ。そしてここでもっと重要なのは、全員がそれぞれ異なる理由を持ちながら、一つの選択をしたということ。

ネットを介して、とある呼びかけに呼応して自殺をするために集まった12人。入念に準備を行い、遺書も主催者に提出し、何事もなければ後は睡眠薬を飲んで死ぬだけだった。しかし、いざその会場に到着してみると、得体の知れない人物の死体があった。

この集まりのことは集まった十二人しか知らないはず。この死体の人物はどうしてこの集まりのことを知ったのか。そして誰がどうやって連れてきて、どうやって死んだのか。いきなり大きな謎が放り込まれる。

最初ほとんどの人は「どうせ死ぬのだからいいじゃないか」と自殺を進めようとするが、ある一人の参加者は自分のトラウマから「死んだ後にその死体のことで疑われるのは嫌だ」と考え、その謎を解いてスッキリしてから死にたいと言い出す。


これによって、参加者が話し合いを行う必要が出てくる。


一人で死ぬのは嫌だから「死ぬ勇気」を出すために集まった彼らだが、逆に言うとこのメンバーで自殺を実行するためには全員が合意する必要がある。多数決では駄目なのだ。

「みんなで一緒に死にましょう」で意思統一されている時は、個々人の事情や考えかたなど不要だった。しかし、それ以外の要素が交じったことで、意思統一のために情報共有や話し合いを行うか、反対する人間を追放する必要が出てくるわけだ

さて、そうやって話し始めると、この集まりの会場に選ばれた病院にはいろいろと不審な点があることに気づき始める。こうして「誰がこの死体を運んできたのかという犯人探しのミステリー要素」と「会議における主導権の奪い合い」がターン制のように行われる。この組み合わせが絶妙で、テンポよく話が進んでいくので話がダレない。


各人の自殺しようとした理由について

この集まりに参加した人たちは一癖も二癖もあると言うか、半数くらいの人はやたらと優秀で聡明だ。鬱をこじらせて前後不覚の状態でうっかり死んでしまう、みたいな感じの人は一人もない。
ちゃんとコミュニケーションが取れて、冷静に考えることが出来て、それでも自分が死ぬべきだと判断して自殺しようとしている。

彼らや彼女たちが死のうとしている理由は徐々に明かされてくるのだけれど……

・今まで辛いことばかりだった。やっと、やっとスッキリできる。
・早く眠りたい。二度と起きないくらい、ぐっすり……
・あいつの悔しがるサマが目に浮かぶぜ。ザマあみろ!
・とっても大事な人に、これからそっちに行くよっていうか……
・すべてを晒してスッキリした気分で永遠に眠れるなら、それはなんて素敵なことだろう!
・嘘の自分も含めて受け入れてもらえるなら、こんなに良い最期はない……
・早く静かになりたい。そうすれば私の秘密はもう誰にも伝わらないのに……
ここへ来たのはね。贅沢がしたかったんだよ。考えることができるうちに自分の意思で決める、というね

3分の1くらいは「安楽死」「尊厳死」を求めて、というやつだ。これはわかりやすい。しかし残りのものは突飛すぎて納得できないものばかりだ。それは本人たちだってわかっているだろう。「他人に説明して納得してもらえる理由」なんてそうそうない。だからこそ、他人が説得してそれを止めるできることも出来ない。それならば、もしこの後の展開で「みんなで死ぬ」ことが中止になったとしても、個々人が死ぬ理由はなくならない。その問題も、この死体の謎を解くことで解決できるのだろうか。。。死体の謎をとくより、自殺をしようとして、実際に決行のため集まったこの人たちの心を変える方が難しいのではないか、、、

って思ってたら……すごいトリックスターが一人混じってたwwwwwwなにこの子めちゃくちゃかわいい。 もう私この子好きすぎてやばい……。みんなもこの子の可愛さを是非体験すべきです。


おまけ 睡眠薬の大量摂取による自殺は無理?

これ知らなかった。みんなもこれだけは覚えて帰ってください。

睡眠薬の致死量について | とりこや

最後のバルビツール系(バルビタールラボナベゲタミンイソミタールブロバリンのみ)ですがこれは致死量がグラム単位になっており、やたらめったら睡眠薬自殺に向いてます。向いてますが、死ぬより前に筋肉が溶ける合併症を起こす可能性が極めて高いので、普通痛くて途中で諦めます。私もこれで途中で救急車呼びました。生きたまま筋肉が溶けるので、激痛というか拷問というか、ありえなかったです。下手をするとそのまま一生透析になり、下半身不随の可能性もあります。腎臓・肝臓に物凄い負担をかけるからです。私は以前本当に死のうと思い、3日前から何も食べずに実行したのですが、この筋肉の溶ける横紋筋融解症という病気になり周りに多大な迷惑をかけ入院するという悲惨な結果になったことがあります。横紋筋融解症を経て死に至るらしいですが、痛い。半端なく痛い。眠るように逝くというのは間違った見解だと思ってます。