この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです

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「異常者の愛」 名作"Extravaganza"の片鱗だけは感じる

おすすめ度なし(個人的評価★)
定期的に、クソの可能性が高いとわかっているのにデスゲームものが読みたくなる病気を患っている私。今回紹介する作品は、今のところ擁護のしようがないクソマンガです。まったくおすすめしません。だけどワンチャン化ける可能性を期待させる。

と言っても、おすすめ漫画ではないので作品の説明などはせず、ひとりごとで感想をつぶやくだけにします。

異常者の愛(4) (講談社コミックス)
異常者の愛(5) (講談社コミックス)

Amazonの評価を見ていただければ分かる通り、2巻以降、ものすごい勢いで作品の粗にたいしてツッコミと低評価が入ってます。そして、それらはほとんど妥当だと思う。かなりシナリオがガバガバであり、もうちょいなんとかならんのかと言いたい。一方で「やろうとしてること」は面白いと思うんだよね。そのためか、やらせっぽいのも何件かあるけどちゃんと★5評価をつけてる人もいる。(というかやらせコメントはホント買う気なくすだけだからやめろって)

イデアも悪くないし、サイコパスのミサキちゃんというキャラ自体は非常に魅力的にできてるだけに、それを描く作者の力量が足りてないっぽいのが惜しい作品。いわゆる「主人公たちの無能さ」「敵側の行動もガバガバ」な感じがきつくて読んでて引っかかりが多すぎて楽しめないやつですね。

しかし、この際ガバポイントには目をつぶって、主人公の覚醒を期待したいところ。

この作品は名作「Extravaganza」まで行けるか、それとも迷作「カルタグラ」止まりか

この作品見ててちょっと思い出したのが、「Extravaganza」。この作品自体は紹介する価値はないのにわざわざ記事を書こうと思ったのはこの「Extravaganza」の話がしたかったから。

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http://www.cyc-soft.com/b-cyc-pro/extra/touhyou/extra_to009.htm

「Extravaganza」は、主人公が少女のときから15年もの間、徹底的に男に嬲りものにされたり大人の都合で命を狙われたり、という地獄の日々を耐え抜き、膨大な数の死亡フラグを回避し、針の糸を通すような狭い生存の可能性を何回も通り続けるという壮絶なお話です。最終的には自分を食い物にしてきた男たちをすべて破滅させる「復讐」ルートと、その全てから解放され家族で幸せに暮らす「家族愛」ルートに分岐するんですが、作者の「主人公にひたすらに過酷な運命を与え、休む間もなく苦しめ続ける」という執念に圧倒されるエグい作品でした。

この説明だけだと全然伝わらないと思うけど、最後まで挫折せずにやりきることが出来たならすごい名作です。(ゲームシステムを含め、ハードルはかなり高め)途中のエログロ展開が厳しすぎるものの、それもこれも、全ては「家族愛」を描くためだったというから恐ろしい。くわしくはこちらのページを。

nix in desertis:『EXTRAVAGANZA』レビュー

沙耶の唄』は純愛のストーリーだろうか。匂坂郁紀は外見が人間っぽく見えたからこそ沙耶に惹かれていった。あの作品は果たして外見に惹かれていったものを純愛と呼べるのかどうかという疑問を提起している。『蟲愛』はそれに対して「親子愛」ならばそれを乗り越えられる、という究極の回答で切り返したように思うのだが、いかがだろう。「ナウシカのエロゲ版」という表現も、それなりに正しいように思うし、「『クラナド』、『家族計画』と並んで家族愛三部作」という評価もそれなりに的を射ていると思う。


この作品の主人公も、一人の「異常者」に愛されてしまったせいで「Extravaganza」ほどではないが、過酷過ぎる人生を歩まされることになる。
今の所、「異常者」であるミサキや主人公の描写がぬるすぎたり、設定がガバガバすぎるせいで物足りない。圧倒的な絶望に押しつぶされそうになりながら、それを強い意志をもって乗り越えた「Extravaganza」の夢美と比較するのはおこがましいかもしれない。現時点ではせいぜい、音楽や演出は素晴らしかったのにストーリーがgdgdであった「カルタグラ」どまりになりそうな気がする。

でも、先行きに少し期待したいなって思ってます。どこかで主人公が覚醒してくれればワンチャン・・・・・ないかな。


11歳の始まりの時から22歳までになるまで、サイコパスに愛されて悩まされ続ける人生

簡単に展開まとめておくとこんな感じ。

①小5の時に好きな女の子を目の前で殺される。

(中3のときからはステルスで監視され続けるが、6年間接触なし)

②高2の時に自分を好きになってくれた女の子に少しでも気を許すと、その女の子は拉致されて傷つけられ、さらに彼女を人質にされて性交を求められる。

(大学卒業まで5年間一切接触なし。記憶を失っていた?その間に主人公は現実逃避のため複数の女性と関係を持つ)

③5年後の大学卒業時に、②の時の被害者の女性の妹から接触。

アナタは事件の端々に居合わせたただの目撃者でしょ。
モブキャラがこれ以上引っ掻き回さないでください。

一般人の感覚では犯人のヤバさは理解できないからしょうがないけどね。


④犯人は記憶を失っていたが、③の女がちょっかいを出したせいで記憶復活。早速③の女性は被害に遭う。

記憶が飛ぶほどにお母さんの死は受け止めきれなかったけど。今も胸は痛むけど。お母さんのぶんまで幸せにならないとって今は思ってる。
きっと記憶が戻ったのが違う状況だったら本当にだめになってたと思うけど。
かずみと再開できて、かずみの愛で記憶も戻ってかずみとお母さんの愛の力で今ここにいる。そうして手にしたこの生活を。どんなことしても守る責任が私にはあるの。

いい言葉なんだけど、フェイスレス司令やらこの異常者が口にするとグロテスクに聞こえる不思議。


⑤②~③の間に主人公が関係を持った女性は全員犠牲になる。総勢27人。
(正直言って、ここでかなり興ざめ状態になってしまった。さすがに設定ガバガバ過ぎる)


この物語を通して何を描くかって結構難しそう

登場人物がただひどい目に遭うだけの作品ってのは「デスゲームもの」作品にはありがちだが、さすがにこの作品はそこまで中身がないやつだとは思いたくない。ただグロいだけの話、グロそのものを楽しみたいという趣味がないと、なにも得られるものはない。

では、この作品は、グロ展開以外に何をやろうとしてるんだろうか。ミサキという最悪の女性によって人生を滅茶苦茶にされた主人公が、ただミサキとの決着をつけるというだけになるのだろうか。ハンニバル博士との因縁を描いた「羊の沈黙」シリーズのように。あるいは「ゴア・スクリーミング・ショウ」のように、主人公がミサキを受け入れるような展開も可能だろうが、媒体的にそれは難しそう。となると、この作品の場合、②で犠牲にはなったものの、なんとか生き延びて精神を病んでしまった少女や、その妹との絆の再生を描いたりするのだろうか。

理想を言えば、とにかく主人公が生き抜く姿それ自体に魅力があってほしいのだけれど。いまのところそこが弱すぎてつらい。作者の力量にどうしても不安があるのだけれど、納得できるところに着地してほしいなと思います。