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「熱中症はもっとも身近な自然災害」熱中症について最低限知っておきたいことをまとめました

いろいろ書いてますが、「天気予報の温度と体感温度の違い」と「WBGT(暑さ)指数」の2点だけは絶対に覚えてほしいです。

熱中症対策は環境省のサイトが参考になります

熱中症とは何か - 環境省熱中症予防情報サイト

まず最初に。このサイトにある資料には非常に重要な言葉が語られています。
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津波に対して「個人の根性や精神論」を言う人はいませんよね。夏の熱波に対しても、熱中症は「自然災害」として、共同体や集団で対応すべきものだという認識を共有したい。特に学校教育の現場は、すぐに根性論や個人の問題にされることが多い。そうじゃないぞ!というのをスタートラインとして確認しておきたいです。

そのほかにもこのサイトの「過去の講演資料」には詳細な説明が載っています。以下特に重要と思われるところを引用しながらまとめていきます。興味もたれたらぜひ自分でも確認してみてください。

そもそも熱中症ってどういうものなん?日射病や熱射病との違いは?

まず定義をしっかりと。状況の把握を正確にできるようにしましょう。

高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称です。

レベル別に分類があり、レベル1が熱失神・熱痙攣・日射病。レベル2が熱疲労。熱射病は熱中症のⅢ度のことであり、ここまでくると非常に危険。
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昔は「熱射病」だけが問題とされてたように思いますが、今はレベル1から気をつけていこう、というふうに変わってきてるわけですね。



まずこれだけは知っておきたいという知識5つ

(1)熱中症対策には「体温および体液」の調節が必要

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まず体温調節はわかりますよね。思春期前の小・中学生は汗腺が未熟なので、体温調節のコントロールが難しいことは覚えておきたい。

しかし、体温だけではなく体液調節も意識する必要があります。こちらは外側からはわかりにくく個人差があるため、自分が大丈夫だから他の人も平気だろう、という憶測はNG!

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発汗が多い状況では体液の調整が問題になる






(2)「最高気温」が31度を越えるかどうかが一つの目安だということ。
・28度あたりから徐々に増え始め、最高気温が31度を超えると熱中症リスクが飛躍的に高まる。
・湿度が高いと28度~30度でも重症化のリスクあり(体温調節機能の蒸発、が機能しなくなるから)
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(3)「その年最初の暑さ」に要注意だということ。6~7月こそが一番危険。
・「季節の変わり目は脱水しやすい」(暑熱順化)
死亡や重症患者は7月の前半に集中
・学校では生活リズムが変わる新小1や新中1、新高1などのリスク高い。
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(4)天気予報の気温と体感温度の違いに注意すること。都市部は特に暑い場所がある
・アスファルトの上で直射日光にさらされていると体感温度は40度より高い。30分以上いると危険。炎天下で帽子をかぶらないことの危険性はちゃんと教育が必要。
・都心部ではヒートアイランド現象で局所的には異常な高温もありうる。天気予報の気温以上に警戒が必要

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後で紹介するWBGT指数に注意しよう






(5)水だけ補給しても予防や脱水症状からの回復できない(むしろ悪化する)こと
・水だけだと塩分不足で熱けいれんや脱塩水症を起こす危険がある。
・緊急時には経口補水液の摂取が必要。いざというときのために割合を知っておくべし。
(ポカリを薄めて飲めという話がよく話題になるが、これは糖質を見たときの話。食塩の量で見るとおかしな話だとわかる。薄めるなら、食塩を入れた上で薄めるということになりそう。)

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その他気になったポイント

(1)風邪などの際に生じる発熱と高体温は違う
発熱は安静にしていれば収まるが、高体温は体温調節の異常なのでほうっておくと死の危険。
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(2)熱中症発生場所は室内が意外に多い
=屋内だから安全だと思ってエアコンを使わないのは死亡フラグ
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(3)従来の非労作性(古典的)熱中症だけでなく労作性熱中症が増えてきていること
・学校の授業で注意すべきはこの労作性熱中症。昔は平気だったというひとにはとりあえずこの違いを説明しましょう。



(4)Ⅰ度~Ⅲ度の分類について。Ⅰ度を越えたら現場だけの対応は困難なのでためらわずに救急車を呼ぶ
・60分~100分以内に冷却すれば回復の可能性が高いが、150分を越えだすと後遺症や死亡のリスクが高まる
・対処には緊急性が求められるということがもっと知られるべき。応急処置のキーワード「FIRE」について知っておきたい。
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(5)夏に運動をする場合はWBGT指数(暑さ指数)に要注意
・学校ではこの指数に応じて運動注意報が出されることになっている。保護者の方は自分の子供が通っている学校がちゃんとWBGT指数に準拠した対応をとっているかはきっちり確認しよう。学校もちゃんと保護者に、どういう対応をするかこれをもとに説明しよう。
・エアコン導入についての議論がやたらヒステリックになってきていますが、WBGTごとに対応策が書かれています。学校の場合、エアコンによる気温調節も大事ですが、それ以上に湿度・水分対策の重要性を強調すべきかと思います。
基本的にWBGT基準で33度以上(気温じゃないので注意)は「安静」。エアコンがないなら体育どころか教室での授業そのものを休むことがあったって良い、という認識が広まるべきだと思います。

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国が定めた科学的な基準があるのだから精神論や伝統など無意味。これに基づいて議論しましょう



東京や名古屋は沖縄よりも暑い!? WBGT指数について知っておこう

最近こんなマンガが話題になってました。ぜひ読んでみてください。

さて、このマンガにあるように気温だけではわからない複数の要素を加味して「暑さ」を可視化したのがWBGT指数です。


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これを見て、熱中症対策を考慮するのがこれからの基本になると思います。とりあえず今回、このWBGT指数だけでも覚えて帰ってください。そしてぜひ周囲の人と共有してほしいと思います

とりあえずはこんなところでしょうか。

おまけ 汗はハンカチやタオルで拭くのではなく汗拭きシート使ったほうがいい?

熱いときにふきだした汗をふき取ってもどんどん汗出ますよね。でも、本来蒸発熱で体温をさげるために汗だしてるのにそれふき取ってしまうと良くないのかもしれないです。私はふいてもふいても汗が出て、そのうちだんだん肌が乾燥してきてあせもができてしまうのでとても悩ましいです。

よく濡れタオルやウェットティッシュのほうが良いとはよく言いますよね。
私は揮発性の高い汗拭きシートが一番いいのではないかと思ってます。におい対策もかねてますし。私はこれ使ってます。

でも、ネットでみると、これ賛否両論らしいんですよね・・・・・。これについて詳しい人がいたらぜひ教えてほしいです。



追記:はたらく細胞の「熱中症」回が無料公開されているのでぜひよんでみてください。

『はたらく細胞』緊急掲載! 熱中症の体内がホラーすぎてヤバい話|今日のおすすめ|講談社コミックプラス