この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです

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「サタノファニ」 山田 恵庸という作家さんはこのくらいハチャメチャやってくれたほうが楽しい

個人的評価★
私的にはかなりお気に入りなのですが、おすすめかと言われれば明確にNOです。
このマンガを紹介・おすすめしたところで誰かが読んでくるとは全く思わないので、自分の好きなことだけ書きます。


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表紙からして全くどんな作品かわからないですよね。売る気あるのかこの作者は……。

マガジンで連載されていた「エデンの檻」というマンガを覚えている方いらっしゃるでしょうか。

はっきりいって、面白いか面白くないかで言えば特に面白くなかったです。

キャラもそんなに魅力的じゃないしストーリーも迷走しまくり。21巻も続いたのに最後のオチもひどかった。だからストーリーやキャラクターには全然思い入れがないしラストの出来の悪い漂流教室みたいなオチ以外はほとんど記憶がありません。

*1

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21巻まで続いた作品なのに、見よこの驚異の低評価! 完全に失敗作といってよいでしょう。

でも、私、この漫画すごい好きだったんですよ。毎週連載で続きを読むのを楽しみにしていました。



この作者さんの最大の魅力は、その場の勢いやノリで読者の予想外なことをやって期待を良くも悪くも裏切ってくるハチャメチャ感だと思う

何が良いかというと説明が難しいというか、私も別に良いと思ってるわけじゃないんですが、癖になるなにかがあったのは間違いない。「ストーリーの流れを負っていくとたいして話が盛り上がらないのに、その場その場のノリと勢いはかなりイケてる」というまさに連載向きの作品だったように思います。

連載マンガは全部そうだと言われればそうなのですが、この作品のいろいろちぐはぐな部分や、でも毎週の勢いでゴリ押ししていく力技ぶりは、いまでいう「小説家になろう」の先駆けだったのかもしれません。

エデンの檻」といえばこれ、と言われるくらい有名がセリフがありまして。

こんな感じでキャラクターがその場の勢いで意味わからん言葉を吐いたり支離滅裂な行動を取るので、「なんかやばい」「次何をしでかすかわからない」というワクワク感がつねにありました。 *2

登場人物のハチャメチャさや支離滅裂さが、いい感じで理不尽な世界観とマッチし、多少無理な展開でもこのマンガならいいか、とハードルを下げさせ、深く考えずに楽しませてくれる連載作品だったように思います。

この点において、次回作だった「デストピア」は自分的には最悪でした。設定を作り込んでしっかり物語をやろうとしていたみたいなんですが、
主人公たちはみんなきちんとした人間ばかりだったため、まったく描写にハチャメチャ感がなく、バトルものとしてもサスペンスものとしても全く盛り上がらないナンセンスなエログロもののままひっそり終わってしまいました。

「サタノファニ」はこの作者のハチャメチャさをいい感じに活かせる設定になっていると思う

この点、「サタノファニ」(悪魔憑き)はよく出来ています。シナリオはシンプル。正確ではないけれどあえてわかりやすく雑にまとめると「歴史に名を残す著名なシリアルキラーたち(見た目は美少女)によるバトルロワイヤル」です。

この作品では、謎の超技術により監獄に囚われた主人公たち女性囚人たちにみんな有名な「シリアルキラー」の魂がインストールされます。そして一定の時期ごとにこの女性囚人たちの「シリアルキラー」の魂が呼び起こされ、殺し合いをすることになになります。

FGO」や「文豪ストレイドッグス」、「リインカーネーションの花弁」と言った作品と同じ流れの作品ですね。

くっそ悪趣味であり得ない話ですが、この作者の持ち味であるハチャメチャ感を活かしやすい設定になっています。なんせ殺人犯なのだから当然性格もぶっ飛んでいます。そういうおかしなやつらに好き勝手に無茶苦茶なことをやらせる作品だったら、この作者さんの特性が最大限活かされる。マンガであることをわかっていながら「なんじゃそりゃ」って言いたくなる無茶苦茶な動きやぶっとんだ言動、そしてありえない動き、などこの作家さんにしか描けない数々が見れます。


そうそう、これでいいんだよ。私はこの作家さんにはこのくらいメチャクチャなものを描いてほしかった。そういう意味で個人的にはとても満足の行く作品になってます。


こういう作品は、画像大量に引用したりとか、具体的なシーンを詳しく述べながら語りたいのですが、あまりにも需要がないとおもうのでやめておきます。 とりあえず、たとえ世間から駄作扱いされたとしても私はこの作品好きだぞということが言っておきたい。

あ、冒頭でも述べたように、ブログ読者の人には特におすすめしません。私が好きなだけです。

*1:※ちなみに作者は作品の最後のオチを、連載開始時点最初から考えていたようで、作品中に伏線をいろいろ設置しています。その後の「デストピア」という作品でもそうでしたし、2巻で打ち切りになったSFもののマンガもそうでしたが、実はこの作者さんはSF的な設定を作り込むのがすごい好きな人みたいです。ですが、こういう話の作り込みが全然マンガの面白さに生かされないところが悲しい

*2:あとその当時のマガジンにしてはそこそこ微エロ描写が多かったように思いますが、この人の絵は今に至ってもなんか身体の描き方に違和感があって全くエロく感じないんですよね。。。マネキンっぽいというか