この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです

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「ラノベ表紙のゾーニング」の話をしてる人のうち何割が実際に本屋に行って現場見た上で意見を述べてますか?

この記事は、シュナムルさんのツイートに端を欲したライトノベル表紙のゾーニングの議論に関して、実際に自分が何店かの書店を確認したことを元に感想を書くものです。

「時々湧いてくるラノベ晒しで注目を集めようとする人」が、今回は妙なことを言い出した件について

ラノベについては、作品の本筋と関係ない特定の表現を抜き出して叩いたり、いまでいう「嘘松」的なことをする人も昔から多いです。ラノベ叩きをすると、同じくラノベを見下したい人からいいねをもらって承認欲求を満たせるせいなのか、調子に乗って軽い気持ちで嘘をついたり、大げさに叩いたりする人が後をたたないんですね。古い例だと2012年とかにこんな嘘松があったそうです。
電撃文庫で「月に十三冊刊行でうち十冊の表紙にパンツ」という事例は無さそう - 平和の温故知新@はてな


だから、今回の件もこちらとしては「ああいつものラノベ晒しで注目を集めようとするひどい人たちか」「今回はシュナムルという人が承認欲求欲しさに誇張をやらかしたのか、馬鹿だなぁ」みたいな感じになるのが普通です。いや、ほんとに以前からよくいるんですよ?こういう人たち。それでも、今までの人はただラノベを馬鹿にして遊ぶだけでした。趣味が悪いとはいえ、自分が悪いことしてることはわかってたみたいで、それ以上のことをいうような厚かましい人はいませんでした。


しかし今回のシュナムルさんという人はなんか自分がやってることが正義と思っているのか、「女性差別」とか「性的消費」みたいなことを言い出し、挙句の果てにゾーニング主張までしだしたので非常に面倒くさいことになっています。(娘さんがこれを気持ち悪いと言っていた、だけならともかく、その後の話は全部シュナムルさんの話ですよね)


「全然ゾーニングされてなくて見放題になっているじゃないか!」というのは本当か?

で、どうもこれについてゾーニングが不十分だと言う人が多いんですが、本当にそうでしょうか。
後で詳しく述べますが、私は実際に行動範囲内にある大型書店(ジュンク堂)をうろついてみました。
その上で、十分にゾーニングされていると感じています。


(1)ゾーニングされていないというのは本当か?
まず、問題とされているのは「境界線上のホライゾン」と「アクセル・ワールド」の二作品の表紙ですよね。

この2作品以外は表紙で目立ったものはありませんでしたし(平積みではないところをひっくり返せば他にもありましたが、要するに見えにくくなっていました)、そもそもライトノベルは新刊コーナーすらちょっと奥まったところにおいてあるので、意識して探さなければいきつかないところにありました。いつも行っていない紀伊国屋書店も見ましたが、こちらではそもそも「境界線上のホライゾン」は平積みになっていませんでした。つまり、「わざわざ探さなければ見つからない」ような状態だったということです。


(2)過激なエロ表紙にしないと売れないからエロ推しになっているんだというのは本当か?
また、「最近になってラノベの表紙が過激になってきている」「売上が苦しいからエロ表紙推しになってきたんだ」という人も結構いました。これはフェミニスト界隈というより、むしろオタク界隈の人がそういう言葉を言ってる人が多かった気がします。多分「ラノベ不況」みたいなイメージから勝手に連想されているのでしょう。

しかし、実際のところはそういうわけではなかったということです。少なくともわたしの行った書店ではそうでした。「まずそもそもゾーンが少し奥まったところに入っていて意識しないと通らない」「ゾーンに入ってもこの2作品くらいしか目立つものがない」 

こういう状態で、ゾーニングが足りないと安直に騒ぐのはさすがにヒステリーだと感じました。


今騒いでいる人たちは、多分現場を確認しに行かず、脳内でイメージをふくらませるからそうなっているのであってこれはシュナムルさんの写真がかなり罪深いと思います。まぁ写真だけの情報を元に騒ぐ人が軽率すぎるというのもあると思いますが、実際に行けば印象はかなり違うものになるのではないでしょうか。


というかですね。シュナムルさんが入った書店とはどんな感じだったのでしょうか。私はそもそもシュナムルさんのツイートについて不自然な点があるのにその点を追求しないのがどうも気になります。



そんなわけで、もうちょっと、慎重になろう。まずは、事実を確かめよう。


「ただの憶測」にすぎないものを、確かめもせず事実と思い込みその憶測に基づいて現状をどうこういう、というのは極めて不毛なことではないでしょうか。あなたたちの脳内にあるストーリーが本当に正しいのかどうか、ちゃんと疑ってみましょう。今のあなたがたは、デマや密告に基づいて、ちゃんとした調査もせずに間違ったことを信じて、間違った判断を下そうとしてるかもしれないです。自分がデマをまた拡散してしまうかもしれない。


実際に「大型書店のラノベコーナー」「マンガ専門店」を定点観測している人間としての感想

今回のラノベ表紙の件ですが、本屋に見に行ってみたら、シュナムルさんが騒いでいるのと全く違う印象を受けるかと思います。

私は最低でも一ヶ月に2回ジュンク堂書店に作品を物色に行くので定点観測していますが、数年前に騒ぐならともかく、「エロ要素が目立つ表紙」というのは、最近はグッと減っています。また月に一回、なんばにあるマンガ専門店にも行っていますが、こちらでも明らかに傾向は変わっています。それこそ、平積みで目立つのはやり玉に挙げられていた「境界線上のホライゾン」と「ネット嫁」「魔装学園」くらいかと思います。あとは「庶民サンプル」あたりのアニメ化作品くらいでしょう。(勘違いしている人が多いですがしょびっちラノベではありません)。逆に、作品内容にエロというか脱衣要素が多い「RAIL WARS!」「ハイスクールD✖︎D」などですら、最新刊あたりは表紙だけみたらそういう作品だとわからないでしょう。(前半はエロ要素残ってるので、明らかに意識して抑えめになっていってます)

さて、「ホライゾン」や「アクセル・ワールド」ですが、表紙がいかがわしくないとか問題ないとはいいません。特にアクセル・ワールドは全裸姿なので、子供に見せるには憚れる表紙かと思います。ですが、ホライゾンは2008年からの作品です。アクセル・ワールドももう5年以上連載している。以前から表紙はこんな感じです。であるならば、5年~10年以上連載していて、今まで問題にならなかったのは何故なのでしょうか?今回騒いでいる人たちはそのことを知らなかったわけですよね?
であるならば、それはゾーニングが機能していたと言ってよいのではないでしょうか?

また、「ネット嫁」。これが一番表紙が扇情的で問題あるかと思います。私もこれはジュブナイルポルノかと思ってしまいます。でしが、この作品が「叩きがいのある素材を探していたシュナムルさんの目に止まらなかった」ということは目立つ場所になかったということだと思います。新刊ではなかったのか書店員さんの配慮かは知りませんが、とにかく目立つところになかったというのは重要です。

内容についての批判はともかく「ゾーニングしてほしい」ということなら「されている」ということでいいのではないでしょうか。


出版社がエロを意識した表紙を出す傾向が残っているのは確かだが、書店側はかなり意識したエロをあまり見せない陳列にしている

ちなみに、性的な描写のある表紙は未だにそこそこあるようです。他にも、タイトルでみると「パンツ」と名前がついているものが結構あったり、「奴隷」などエロを匂わせるタイトルのものもあります。ハーレム要素の作品も根強いです。タイトル側をみれば過激なのはまだ結構あると考えられます。なので「出版社が特定の作品を売るためにエロ要素を推している傾向」はまだしぶとく残っていると言えるかと思います。


ですが、実際にものを売っている現場である書店を実際に見に行くと、そういうものが目立たなかった。一応今回は特に意識して探しましたがわざわざ探しても見つけることが難しかった。つまり、そういう本は売れ筋ではないことが多く、書店側でかなり意識してフィルタリングされているということだと思います。


少なくとも「かなり探しやすい大型書店で、意識的に探しても性的な描写が目立つ作品はなかなか見つからなかった」というのは紛れもない事実です。ただし、例外はあって「新刊コーナー」だけはそういう作品が意識すればすぐ見つかる状態でした。なので、先程の繰り返しになりますが、「出版社」は売りたいから表紙にエロ要素を入れようとする、という傾向は未だにあって、ただ、実際にはやはり中身が面白くないと続かないし、そういう作品はニッチ狙いなのですぐに目立たないところに引っ込む、という感じではないでしょうか

多分今後はますますエロ表紙などは、電子書籍メインになり、ネットでのプロモーションのような形で売っていくことになるのだと思います。今はそういう過渡期だと思うのです。 多分内容にエロ要素があったりするものや、それを反映して表紙にエロ要素があるものは、書店の奥というよりネットや、専門のオタクショップなどにゾーニングされていくことになるんじゃないでしょうか。多分、心配しなくても余計なことをしなければそういう以降が行われるはずです。(その過程でtwitter広告とかが一時期そういうの増えるかもしれませんが。リアル書店からそういうのが無くなるための必要過程だと思うしかないですね)



なので、変な話ですが、一番売り出したい「新刊コーナー」は問題がある念入りにゾーニングされる必要があると思いますし、たまたま私がいった店はそうなっていました。既刊コーナーは店からはいって正面のところにあり、レジを回り込んで奥のところが新刊コーナーでした。 ただ、これは多分他の店では違いがあると思います。


ところで少しだけ話が脱線しますが……。
ほんとに境界線上のホライゾン」という例外作品を取り上げてギャーギャー騒いでるやつ的外れもいいところだから。フェミのみなさんからしたらエロ表紙「であるにも関わらず」平積みにされるほど売れているという例外があって叩きやすいサンプルがあってよかったですね、って感じでしょうか。でもこの作品はトラップみたいなもので、表紙だけみて叩く人は、表面しか見ないでとにかく叩こうとする人という認識を持たれることになりますね。ちゃんとその本生でみたことあるのか?「エロ表紙」ごときでその鈍器のような分厚い大作を、興味ないやつが読むと思うの?エロ表紙がなければその本売れないと本気で思ってんの?そんな簡単だと思ってるなら、それこそその人たちの見識を疑う。境界線上のホライゾンは別に表紙で読者獲得してるわけじゃなくて固定ファンが買うんだよ。売るために平積みにしてんじゃねーよ。分厚すぎて本棚に置くとスペース食い過ぎるから平積みにせざるを得ないんだよ。書店員の立場になって考えよう。批判してる人はもうちょっと頭使おうよ。書店で実際に見てみれば誰でもわかるよ。


今、ラノベコーナーで平積みになったりスペースを多く取っているのは「なろう系作品」です

それなりに面積が広い大型書店のラノベコーナーでも、ラノベのスペースはマンガと比べると狭いです。そして、そういうところでプッシュされているのは「すでに売れている作品」です。例えば「○○大賞の受賞作品」、人気作家のシリーズ作品、アニメ化したシリーズ作品、そして「なろう系」です。

現時点では、「なろう系の大型本」が全部の棚面積の3分の1を占めている状況ですし、既存の文庫本サイズのラノベコーナーでも、なろう原作ものがかなり目立っており「ヒーロー文庫」「オーバーラップ文庫」などの作品が並んでいます。(書きかけですが、棚面積の割合はこんな感じです。 http://tyoshiki.hatenadiary.com/draft/2g2AupLHGsbj5qbOPRD2rhde-bg そのうち完全版作りたいと思ってます。)


なろう系はエロ系の表紙も少ないし、女性向け作品も多い。そして女性客が増えてきたから棚の作りも変わってきている

そして、「なろう系」はエロ系の表紙は少ないです。なぜかというと、もともと無料で原作を読んでる人が買ったり、「なろうで○○PV」という売り文句があるからです。わざわざ表紙でそういうことをする必要もないし、そもそも作品の内容がエロのものは少ないです。それこそ「回復術士のやり直し」とか「俺の家が魔力スポット」など一部の作品だけですね。 

というか、なろう系は女性向けも多いからね。「主婦の友社」がやっている女性向け作品が多い「ヒーロー文庫」の作品の表紙はたとえばこんな感じです。

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とにかく、陳列をざっと見るだけでもエロ表紙はそんなにないことはすぐわかります。

そもそもラノベが好きなのは男性だけじゃないし、特に最近は女性客を取り込みに行く動きが出ている状況で、エロ表紙の作品が目立つような陳列は嫌われる

というわけで、先程の繰り返しになりますが、出版社はともかく、書店員さんにとってはエロの優先度は決して高くない。エロ推しなんてことはなくて、バリエーションのひとつとしてそういうものがある、という程度でしかない。なにより、女性客が入ってこれなくなるような棚作りなんかしないですよね?

「なんだ、それだったらマンガと一緒だな」って思った人、そのとおり!

出版社も書店も、生き残るのに必死なんだから。現場も行かずに憶測で騒いでるような人たちよりずっと真剣に考えてやってますよ。
で、そうしたら、マンガとラノベの傾向がそんな大きく変わるはずがないんですよ。マンガを読んでて、そんなに問題ないと感じているんだったら、ラノベだってそこまで問題じゃありませんって。


これはわたしが見に行ったお店の感想なので、他の方からの報告もお待ちしております。とにかくまず確かめに行こう!

これが私が実際に書店を見て思ったことです。

異論は大いに歓迎します。シュナムルさんに限らず「いや、tyoshikiの言ってることは嘘だ!わたしの店はこんなにひどかった」という人がいるならば、売り場の雰囲気を説明していただければと思います。

ただ、とにかく今回の件で、事実も確かめずに脳内で作り上げた妄想を前提にラノベの表紙批判をしている人は、それは無駄なことしてるよってことはわかってほしい。

議論において常に最底辺に位置するのは、「事実を確認しすらせずデマに流されてものを言う人たち」と考えよう

今後この話題について論じる人は少なくとも、まず現場を確かめてからにしたほうがいいと私は思います。議論において常に最底辺に位置するのは、「事実を確認しすらせずデマに流されてものを言う人たち」です。自分の憶測でものを言ってはいけません。それは議論の邪魔です。

今回はそれ以前の問題として、「売り場」のゾーニングの話をしてるんだから、売り場を見ないと話が始まらないですよね。



意味のある会話をするためにも、みんなで現場の情報を持ち寄っていきませんか? 
今はネットのだめなところばかり目立っています。いろんな場所の人の情報を集約できるネットの良いところを生かしていきましょうよ。