この夜が明けるまであと百万の祈り

とあるマンガ好きの備忘録です。私が元気づけられた出来事や作品について少しでも共有できたら嬉しいです

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私は、たまたまつらい時期に助けになってくれただけで、こんなに簡単に人を信じちゃうちょろい人間だったのか

安冨は清水のどこに惹かれたのか。どうして無理やりにでも彼を擁護しなければならなかったのか。3年後、裁判の決着もつき、気持ちも落ち着いた頃に振り返って書いてほしい。この事件によって安冨のハラスメント理論はどのような転向を余儀なくされたのか、それともハラスメント理論はなお有効だが安冨自身の心理的成熟度に問題があったということなのか。それも総括してほしい

これを読んで少し気分が楽になりました。



私は安冨歩さんが2007年に書かれた彼独自のハラスメント理論というものにかなり感銘を受けた人間です。

特に「ハラッシーハラッサー」や「ハラスメントとは何か」という概念は当時の自分の中ではかなりクリティカルで、仕事抜きだといい人なんだけれど仕事が絡むと非常にえげつないパワハラをしてくる人間相手に困っていた私は、この本をもとにその人とのただしい距離のとり方を自分で考えてなんとかサバイブできました。
そういう経験があったものだから、個人的には安冨さんに感謝の感情すら持っていました。


セクハラという言葉が広まりすぎたせいで、ハラスメントっていうとなにかと女性のための概念って思われがちですが、男性だってちゃんと理解しておかねばならないなとホントに思います。




なので、この本については何度か自分なりの解釈をあわせてこのブログでも紹介してきました。

ハラスメントは連鎖する 「しつけ」「教育」という呪縛 (光文社新書)

安冨 歩,本條 晴一郎 光文社 2007-04-17
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しかし、そんな私にとってとても助けになってくれた本を書いた安冨さんが。

よりにもよってパワハラで社員を自殺させてしまったと報道されている企業とズブズブの関係であり、かつ事件が発覚した後も積極的にその社長を擁護しているという状況。

擁護すべき点はあるのかもしれません。しかし原告の言い分だけではなく社長の側からの反論を合わせても、確定している事実だけでもパワハラは確実なのです。なのになぜそこを問題視しないのか。なぜ毒親の話ばかりして都合の悪いことからは目をそらし続けるのか。そして、Twitterでの幼稚極まる振る舞い。(これは今回だけでなく批判されると毎回こういう態度を取ることを確認しています)




・・・わけがわからないよ。


いままで著書でしか見てなかったけど、安冨さんってこんな人だったん?と、わたしの中で認知的不協和が発生してしまい、おととい昨日と少し混乱していました。


私が読んだのは数冊程度であり2010年ころから先については著書もほとんど読んでおらず、彼自身のことは全然知りませんでした。

しかし、少なくとも原発あたりからはかなり偏った方向に進まれていたようです。気分が滅入るので自分がおととい昨日と安冨さんについてどういう記事やまとめ読んだのかは割愛させていただきますが、別に今回のような言動をしてもおかしくないのだな、という印象に変わりました。



インターネットの瞬間風速 - とまべっちーの考え事

”結局のところ、今回擁護に回っている知識人は社会に対する責任など感じることもなく自分の狭い精神世界でどう感じるか、どうすれば面白くなるかを吹聴しているに過ぎないのでしょう。
一昔前に(若者を揶揄するような文脈で)セカイ系という言葉が流行りましたが、いい年をしてセカイ系を実地でいくような人たちだと思います。”
その通りだと思います。安冨の思想はセカイ系の想像力のようなものです。自分の精神世界と現実世界の区別がついていないので、「毒親が悪い」という個人的な人生観をそのまま現実世界の説明に直結させて論じています。「セカイ系を実地でいく」とはそういうことです。

いろいろtwitterやぶろぐでの彼の言動をおいかけてみた印象としては、まさにこの通りという印象を持たざるを得ません。


つまり、私が昔読んだ本をもとに、彼のことなど何も知らないのに勝手に彼のことを美化していただけでした。 彼が私の期待通りに生きる必要などないので、変えるべきは自分の勝手な期待や認識であろうと受け止めることにしました。

わたし、基本的に人のこと信じない人間だと思ってたけど、ただの勘違いでした。私は単に人を信じることに臆病なだけで実際は「たまたま、つらい時期に助けになってくれただけでこれだけ人を信じちゃうちょろい人間だったんだ」ということがよくわかりました。

どんだけ人に慣れてないんだよアホか私は・・・・・・。


ああもうほんとに自分のアホさにめっちゃ凹んでますがもう認めるしかないと思います。 私嫌いな人についてはめっちゃ詳しく調べるのに、好きになっちゃうとアニメのチョロイン以上にチョロいんだ。



知りたくなかったけど、別のところでどツボにハマるくらいなら、知っておいてよかったのかもしれない。
でもさすがに悲しい。




それでも、彼が10年以上前にハラスメント理論だけは未だに信じたい気持ちがあります。
もはや全般的には安冨歩という人間のことは信用していませんが、冒頭の人と同じように「ハラスメント理論」の著者としては数年後でもいいから、ビハイアの事件の総括をしてもらえたらと思います。


それだけが私の願いです。



ちなみに、2014年ころに出たこの本は観点としては面白かったけどメチャクチャ嫌いです。よく考えたら、そもそも私安冨さんのことを、この時点あたりからすでにあまり良く思ってなかったかも?

誰が星の王子さまを殺したのか――モラル・ハラスメントの罠

安冨 歩 明石書店 2014-08-29
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あとね、私がこんな状態だったので、オタク趣味やフェミニズムにハマってる人が、その概念やイデオロギーに取り憑かちゃうのもなんかすごいよくわかるかもしれない。

それぞれの人たちにとって、いろんな形で何かを救われたり、目からウロコな体験をしたり、私は怒ってもいいんだ!って心を解放させてくれたり、なにかしら自分に変化を与えてくれたものであり。もはやそれ無しで自分を語れないほどに重要なのであって。

たとえフェミニズムやらオタク趣味ににおかしなことがあったとしても、それを否定することはまた自分を否定することのように思えてしまうのかも。

それはなんとなくわかる。

それでも、あかんものはあかんって言わなあかんと思う。自分にとって大事な一部ではあるけど、それに自分を支配させたらあかん。いいところと悪いところは切り分けないと。