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「暁のヨナ」「少女革命ウテナ」みたいに女性主人公が戦って運命を切り開く作品のおすすめ7つ

togetter.com
https://togetter.com/li/1311690

話の発端のツイートは微妙な感じだったけれど、「こういう作品が見たいのになかなかない」という問題提起自体はすごく面白いと思う。いちオタクとしては、こういうときこそ彼女を批判するのではなく自分が好きな作品について語りたい!

ということで、あえて彼女の意見に配慮し、「きららアニメ」や「部活ものアニメ」などは除けておいて*1女性主人公が戦って運命を切り開いていくというテーマでおすすめな作品について考えてみませんか。

最初はアニメの中から紹介しようかと思ったけど、せっかくだから自分が好きなテーマにわけてアニメにこだわらず紹介させてもらおうと思います。とにかく1位作品はすべての人が読むべきですね……!(グルグル目)


とりあえず私はおすすめ作品を7つ提出します。みなさんも、「そういうことなら、これもいいぞ!観ろ!読め!」というのがあればぜひ教えてほしいです。
ちなみに、私が暁のヨナ11巻まで読んだ時に書いた感想、今読み返すとかなりひどかったので絶対に検索して読まないように。絶対ダゾ!


5位 マンガ・アニメ 「それでも世界は美しい」

白泉社の少女漫画原作なので、言われなくても知ってるよ、という人が多いと思いますが。「花とゆめ」という媒体のカラーが非常にわかりやすく出て言える作品です。

どちらかというと男性にもお勧めしたいです。「神様はじめました」とか「赤髪の白雪姫」とか「フルーツバスケット」とか好きなら全然楽しく読めますよ。

弱小国の王族から、強国の暴君のもとにほぼ強制的に嫁入りさせられる、というまさに男尊女卑的なふざけた状況からスタートします。

しかし主人公は決して服従したりすることなく、譲れないところは喧嘩しながらも相手の王を理解し、話し合い、励ましたりすることで逆に「彼女なしでは自分はもう自分でいられない」というところまでメロメロにしてしまいます。「かぐや様」じゃないけど惚れさせたもん勝ちなんだなって。とにかく主人公も、相手の国王とも「お互いに自己主張しあって、激しくぶつかり合いながらもお互いに好影響を及ぼしあう」というところが素晴らしいです。割と色々とマクロが雑なところ含めて、ああ、私は今「花とゆめ」作品を読んでる……という感じをもろに感じて最高です。

なおショタに抵抗がある人にだけはお勧めできません。

tyoshiki.hatenadiary.com

それでも世界は美しい 19 (花とゆめCOMICS)

それでも世界は美しい 19 (花とゆめCOMICS)

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このテーマでは、アニメ化されていませんが「プラネットラダー」や「彼方から」といった超名作もお勧めしたいです。


4位  マンガ「辺獄のシュベスタ」

辺獄のシュヴェスタ - この夜が明けるまであと百万の祈り
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「生き残るために戦う女性」という意味ではこれが一番とがった作品だと思います。女性ならではの戦い方、が描かれているシーンもあって、女性の方が読んで、自分の性にはこういう強さがあるのだということを確認してほしいなと思います。

とにかく好き嫌いが分かれると思いますが、主人公のエラという人間のオンリーワンの輝きはぜひもっと多くの人に評価されるべきだと思う。
「風林火山」の精神というか、生き残るために攻めるときはとにかく苛烈に攻めるし、機会がくるまでじっと耐えるべき状況では歯を食いしばっても耐える。その徹底ぶりがすごい。そして、なによりも「仲間を信じる」ことが道を切り開く、という展開が素晴らしかった。
女性主人公だけが戦うわけでなく、「仲間の絆」を大事に大事に描いてくれてる、そういう作品は少ないのではないかな。

辺獄のシュヴェスタ(5) (ビッグコミックス)

辺獄のシュヴェスタ(5) (ビッグコミックス)

アニメでいうと「プリンセス・プリンシパル」とかもありますが、このテーマだと「辺獄のシュベスタ」最強だと思ってます。あと女性主人公と言っていいのかわからないけど「宝石の国」のアニメ最高でしたね。8巻まで読むとえげつない真相が明らかになるから原作も読むんやで。アニメ2期はよ……はよ……


3位 マンガ・ドラマ「女王の花」

私は「花より男子」の牧野つくしが中盤以降死ぬほど嫌いで、つくしと比べたらまだ中島海のほうがまし、と思うくらいなのですが逆に序盤の、男たちや、男に媚びるのが当たり前と思ってる女性からのいじめや理不尽と戦おうとする姿は好きでした。(まぁ、実際のところ「戦おうとする」だけで、ほとんど自分が敵視してる男に助けてもらってるので、これは女性版「島耕作」なんだと思ってます)

そんな「花より男子」の「好きな部分」だけを抽出して歴史ドラマにしてくれた作品が「女王の花」という作品。

主人公は元々は穏やかな性格で、ただつつましく母と幼馴染と小さな世界で生きる運命を諦念とともに受け入れていたような少女でした。しかし理不尽な運命によって愛する母を殺され、国を追われ、そのあとは張本人である国王の妻を倒すことを生きがいにしてどんな苦境にも負けずに戦い続ける。途中で頼るべき存在を失って倒れそうになりながらも、いろんな人間の思いを杖にして立ち上がり、最後まで走り切ります。
彼女が最後まで走り切れたのは側にいた幼馴染の存在あってのことであり、途中から二人には恋愛感情が生まれていましたが、それを押し殺しながら戦い続けるもどかしさには
心の中で「くそっじれってえなbot」が大量に増殖していました。
※ラストの切なさは賛否両論あって、実際に別のエンディングが描かれた冊子もあるそうです。私は本編の終わり方好きですけどね。

「女王の花」9巻 幸せの王子において、王子を見送ったツバメはどんな気持ちだったのか - この夜が明けるまであと百万の祈り

女王の花 15 スペシャルファンブック付き限定版 (フラワーコミックス)

女王の花 15 スペシャルファンブック付き限定版 (フラワーコミックス)

このテーマだと傑作はほかにもたくさんあって「十二国記」とか「流血女神伝」とかいろいろ出てくると思います。みんなどんどんお勧め作品を書くんだ!


同点3位 アニメ「クロスアンジュ」

ここは「キルラキル」だろって言われそうですが、キルラキルはちょっとコンセプトと違うかなと思うのでより直接的なこっちを。

これマッドマックスを持ち上げてたりするフェミニストの自認がある皆さんは絶対に観るべき。最初の設定こそ男尊女卑みたいな世界観だけど、そこから「この作品世界の女性強すぎwww」ってなります。女性キャラがマッドマックス張りに好き勝手暴れたあげく、ラスボスの、女性蔑視が著しい男性ラスボスをボコボコにする作品で、とても痛快です。もちろん、ミサンドリーみたいに男許さねえっていうんじゃなくて、主人公の味方側にも男は出てくるけどメインは女同士のライバル関係です。

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あと毎回次回予告が酷すぎて好きだったw なんというかフリーダムに作品作ってる感があった。
http://tyoshiki.hatenadiary.com/entry/2014/12/23/123655

そんなわけで主人公たちはとてもメリハリのある体形でお色気シーンとかあるけど、全然エロいと思わなかったので、女性が見てもたぶん問題ないはず。涙あり笑いありどぎついギャグありで毎話楽しませてもらいました。

王女というガチガチの枠に閉じ込められていて自分というものがあるのかないのかもわからなかった人間が、一度人間以下の存在まで貶められた後に、一人の人間として堂々と立つ姿は本当に素晴らしいです。(「とある飛空士の追憶」みたいに美しいものじゃない代わりに、人間としての生々しさがある)

第1話 堕とされた皇女

第1話 堕とされた皇女


2位 ラノベ・アニメ「モーレツ!宇宙海賊」

お仕事系ということで「SHIROBAKO」とどっちにしようか迷ったけど、やっぱりこっちかなと。

カースト制度の激しいインドでは、既存の産業では出世のチャンスがだいぶ厳しいらしいです。一方その制度ができた当時に想定されていなかったエンジニアの世界では低カーストの人でも大成功を収めたり、地位を向上させるチャンスがあるためガッツのある人はエンジニアの世界に挑戦し、実際インドは一大IT大国になっています。

同じように、男女差別とかの面倒くさいことを考えたくない人のために「既存のカーストがない領域」=「未来において電子戦メインで戦う宇宙海賊」というフィールドを設定しています。この舞台で、海賊の船長として活躍する主人公は女性で、周りを固める優秀なスタッフも女性が多数います。

「海賊」だけど艦長は女性。基本電子戦で、勝利条件も殺しあいじゃない。そういう世界だと腕っ節より頭脳勝負。そんな舞台が設定された世界では、男女均等に活躍できる、ということを描いているのでフェミニズムのテーマ的にも論じるべき価値があるのではないでしょうか。

以前にも「ワンピース」と対比して紹介しました。
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同じ理由で女性キャラの活躍が著しい「ワールドトリガー」も強くお勧めします。
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最近のジャンプはアクタージュも約束のネバーランドもドクターストーンも鬼滅の刃も呪術廻戦もブラッククローバーも、女性が男以上に活躍してる作品多くていいよね。特に鬼滅の刃は良い。



同点2位 マンガ「7SEEDS」

7seeds.jp

前作「BASARA」を越える超大作で、二人の女性主人公をメインとした群像劇です。男性ですら生きるのが厳しい異世界に放り出されたこの世界の女性の奮闘ぶりは本当にすごい。もちろん生きるための「役割分担」といった話から「レイプ未遂」など、男女関係における問題も扱っています。とにかくおススメすべき要素が多すぎてとにかく読めとしか。

「7SEEDS 27巻」 人についてのカテゴリ分けをどのくらい持っていますか? - この夜が明けるまであと百万の祈り
7seeds31巻 何を許して、何を許さないか - この夜が明けるまであと百万の祈り
7SEEDS 35巻(完) 16年間の連載、お疲れ様でした! - この夜が明けるまであと百万の祈り
7SEEDS外伝 レイプされかかかった花と未遂犯の安居の関係の後始末 - この夜が明けるまであと百万の祈り

とりあえずこの作品はもう読まないというのは考えられないので読むしかないです。読んで。

7SEEDS 35 (フラワーコミックスアルファ)

7SEEDS 35 (フラワーコミックスアルファ)



1位 マンガ「カルバニア物語」

この手の問題を考える上で最高傑作だと思ってます。
フェミニズムは、自らの立場を正当化する理屈として「問題なのは男なのか、女なのかではなくその人が自分らしく生きられるかを尊重する学問であり、だから男もフェミニズムでなくっちゃ」と主張していると私は認識していますが、まさにその点において、この作品の主人公エキューという女性主人公の生きざまは絶対に見ておくべきです。

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「カルバニア物語」10巻 考え方は間違っていても男が女を大事にする気持ちを差別と切り捨てるような人を好きにはなれない - この夜が明けるまであと百万の祈り

何が素晴らしいかというと、男女という問題だけではなく地位の問題や利害関係などいろんな要素を考慮したうえで、それでも自分らしく生きようと奔放にふるまうエキューの姿です。男女問わず、自分らしく生きたいと思っている人は強く勇気づけられると思います。

カルバニア物語(17) (Charaコミックス)

カルバニア物語(17) (Charaコミックス)



作者のTONOさんの作品はどれも素晴らしくて、以前別のまとめで「チキタ★GUGU」も紹介しました。
とにかく読んでないのは人生の損だと思うので読んで、、、お願い。

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追記 : 篠原千絵先生の作品をブコメで書いてくれてる人がいてうれしい……。私この先生の大好きです。私は妹が買ってきた「闇のパープルアイ」を初めて読んだときはもうその日寝れなかったよ…「夢の雫、黄金の鳥籠」(オスマン・トルコ帝国が舞台)とかも本当にいい作品なので、ラノベの「流血女神伝」と合わせてもっと知られるべき……。

闇のパープル・アイ(1) (フラワーコミックス)

闇のパープル・アイ(1) (フラワーコミックス)

流血女神伝 帝国の娘 前編 (集英社コバルト文庫)

流血女神伝 帝国の娘 前編 (集英社コバルト文庫)





追記2:ベクデル・テストというものがあるらしいので紹介。
ja.wikipedia.org
興行収入が1000億円規模の大ヒット映画はいずれもジェンダーバイアス測定の「ベクデルテスト」をクリアしている - GIGAZINE
日本のアニメはとっても男女平等

名前のついていない女性キャラクターが、以下のような条件を満たす映画しか見ないと言う。
少なくとも2名、女性が出てくる。
互いに会話をする。
話題は男性以外のものである。

私はマンガ好きなのでマンガ寄りの紹介になっちゃったけど、アニメとかラノベ好きな人は、せっかくだから自分が好きな作品を語ってください> <


おまけ 独自ドメイン取得時に消えてしまったはてなブックマークコメント

ドメイン取得ではてなブックマークが消えてしまったのでこちらにリンク貼っておきますね。
はてなブックマーク - 「暁のヨナ」「少女革命ウテナ」みたいに女性主人公が戦って運命を切り開く作品のおすすめ7つ - この夜が明けるまであと百万の祈り

*1:きららアニメに関しては歴代作品について http://tyoshiki.hatenadiary.com/entry/2018/11/18/140206 で感想書いてます